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(3.1) |
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(3.2) |


弦の振動の場合を考える。ピンと張られた弦には張力が働いている。張力は常に弦の方向に働く。曲がった状態にある弦の微
小部分を考えると、両方からの張力
の合力は弦の曲がりを解消しようとする方向に向く。まっすぐな状態になると、弦には全体としては力が働かなくなる。ゆえに、弦はまっすぐになろうとする
(つまり「復元力を持つ」)。水面にできる波も同様で、何かの原因で水面に盛り上がったりくぼんだりしている部分があると、盛り上がった部分を下げ、くぼ
んだ部分を上げるように水が移動する。弦の振動でも水面でも共通する大事なことは「空間的な変化が時間的変化を生む」という物理現象が「波の伝播」という
現象を引き起こしているということである。自然界には、何かに不釣り合いがあるとそれを正そうとする力が働くようで、その力により振動や波が発生する。自
然界のあちこちで「波」が発生するのはそのおかげである。
すでに述べたように、電磁気についても、同じ原則が成立している。よって、「波の形をしているが振動しない電磁場」というのは、「両端を引っ張られてい
るのに、曲がったままで直線に戻ろうとしない弦」や「一部がいつまでも盛り上がったまま、崩れもしない水面」と同じぐらい不思議な現象なのである。18歳
のアインシュタインを悩ませたのも不思議ではない。
さて、光速度で走る人から見た電磁波の問題に戻り、より具体的に「止まった電磁波はあり得ない」ことを確認しておこう。電磁波を速度cで走りながら見た
とすると、その観測者にとっての座標系(X,T)は速度cでのガリレイ変換を施した座標系
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(3.3) |
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(3.4) |
第1章で概要だけ述べた、電磁誘導に関する疑問について、ここでくわしく考えてお
こう。図のように、二つの現象を考える。左の図では、コイルが磁石に近づき、右の図では、磁石がコイルに近づく。二つの現象は、見る立場を変えれば同じ現
象であり、結果として「コイルに時計まわりの電流が流れる」という点でも同じである。しかし、その記述は同じではない。
右図の場合であれば、それはコイル内の磁束密度が時間変化するということからくると解釈される。すなわちMaxwell方程式のrot→E = −[(∂→B)/∂t]
にしたがって、磁束密度が変化している場所には電場の渦が発生していて、その電場によってコイル中の電子が力を受け、電流となる。よく知られているよう
に、この時に発生する電位差は、ファラデーの電磁誘導の法則V=−[dΦ/dt]によって求められる。ここでΦは回路内をつらぬく磁束であり、Vの符号は
Φに対して右ネジの向きに電流を流そうとする時にプラスと定義される23。
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(3.5) |
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つまり、xによる微分とx′による微分は同じもので、tによる微分とt′による微分が変化する。座標はxが変化してtは変化していないのだから、奇妙に
思えるかもしれない。しかし[∂/∂t] ≠
[∂/∂t′]であることは、[∂/∂t]が「xを一定としてtで微分」であり、[∂/∂t′]が「x′を一定としてt′で微分」であることを考えれば、
納得がいくだろう。上図からわかるように、「x一定としてtが変化する」場合と「x′一定としてt′が変化」する場合では移動方向が違うのである。
逆に、[∂/∂x]が「tを一定としてxで微分」であり、[∂/∂x′]が「t′を一定としてx′で微分」であることを考えれば、この二つは同じもので
あることも納得できる。
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(3.8) |
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ヘルツの方程式が正しいかどうかを判定できる実験として、レントゲン(Röntgen)とアイフェンヴァルト(Eichenward)による、回転する誘
電体の実験がある。図のように誘電体を半径Rの円筒形にして、軸方向に磁場をかけておいて回転させる。
エーテルがこの回転する誘電体と一緒に運動しているとすれば、ヘルツの方程式の中の→vに
は、各点各点の回転速度を代入すればよい(これで本当にいいのかは再考が必要)。磁場が一定だとしてヘルツの方程式(3.17)はこの場合、
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(3.21) |
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(3.22) |
上で電場中で物体を回転させて磁場を作ったことの逆で、物体を磁場中で回転させて分極を作る実験がある。この現象については、アインシュタインとラウプが
ローレンツ変換を使って磁場中で動く磁性体の分極を計算している(1908年)。W.ウィルソンとH.A.ウィルソンが実験で確認した(1913年)。こ
の実験結果も、素朴にヘルツの方程式を適用した計算とは合わないが、相対論的計算ならば合う。
ここでは「誘電体が回転している速度をヘルツの方程式の→vに代入する」という計算をやっ
ているが、物体が動いてもその場所のエーテルは動かないのかもしれない。実は「物体が動くとその周りのエーテルは一緒に動くのか?」ということを定めるた
めの実験は、すでに1851年にフィゾー(Fizeau)によってなされている。

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(3.23) |
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