先週やったことをまとめておく。
非斉次の場合、つまりyの1次のみではなく{y}の0次の項がある線形微分方程式 \begin{equation} \left(A_n({x})\left({\mathrm d\over\mathrm dx}\right)^n +A_{n-1}({x})\left({\mathrm d\over\mathrm dx}\right)^{n-1} +\cdots +A_{1}({x}){\mathrm d\over\mathrm dx} +A_0({x}) \right){y} =C({x}) \end{equation} の解を考えてみる。
線形非斉次微分方程式の重ね合わせ
「C_1({x})を源とする解」と「C_2({x})を源とする解」の和は「C_1({x})+C_2({x})を源とする解」。「C_1({x})を源とする解」と「C_2({x})を源とする解」の線形結合の場合に拡張すれば、「\alpha_1 C_1({x})+\alpha_2 C_2({x})を源とする解」を作ることもできる。上の場合、\alpha_1=\alpha_2=1の場合である。\alpha_1=1,\alpha_2=-1にすれば「差」になる。
特に、次のようなことも言える。
非斉次方程式の解+斉次方程式の解=非斉次方程式の解
非斉次方程式 \begin{equation} \left( A_n({x})\left({\mathrm d\over\mathrm dx}\right)^n +A_{n-1}({x})\left({\mathrm d\over\mathrm dx}\right)^{n-1} +\cdots +A_{1}({x}){\mathrm d\over\mathrm dx} +A_0({x}) \right){y}=C({x})\label{hiseijirei} \end{equation} と、上の式でC({x})=0とした斉次方程式 \begin{equation} \left( A_n({x})\left({\mathrm d\over\mathrm dx}\right)^n +A_{n-1}({x})\left({\mathrm d\over\mathrm dx}\right)^{n-1} +\cdots +A_{1}({x}){\mathrm d\over\mathrm dx} +A_0({x}) \right){y} =0 \end{equation} を考える。非斉次方程式の解としてy_1({x})を1つ、斉次方程式の解としてy_0({x})を1つ、それぞれ見つけたとする。{y_0}({x})+y_1({x})もまた、非斉次方程式の解である。
これは上で考えたことのC_2({x})=0の場合にあたるから、証明は不要だろう。わざわざこんな(言わば、「あたりまえ」の)ことをここに書いたのは、この事実は応用範囲が広いからである。というのは、斉次方程式と非斉次方程式では当然斉次方程式の方が解きやすい。非斉次方程式の方の解は一つだけ求めておいて、斉次方程式の解を見つけられる限り見つけておけば、重ねあわせによって非斉次方程式の解をたくさん(見つけられる限り)見つけることができるようになる。
(非斉次方程式の一般解)を(斉次方程式の一般解)+(非斉次方程式の特解)で作る時、未定のパラメータは(斉次方程式の一般解)の方に入っている(特解はパラメータを含まない)。
定数係数の線形斉次微分方程式
一般的な線形斉次微分方程式の解き方を考える前に、ここでは線形斉次で、かつ係数A_i({x})が定数A_iである場合、すなわち \begin{equation} \left( A_n\left({\mathrm d\over\mathrm dx}\right)^n +A_{n-1}\left({\mathrm d\over\mathrm dx}\right)^{n-1} +\cdots +A_{1}{{\mathrm d\over\mathrm dx}} +A_0 \right){y} =0\label{teisuusenkeiseiji} \end{equation} の形の微分方程式を解く一般的な方法を示そう。
特性方程式
まず、この微分方程式には、\mathrm e^{\lambda {x}}という形で表せる解がある(\lambdaはこの後決める定数である)。これが解になるかどうかを確認するために代入してみると、 \begin{equation} {{\mathrm d\over\mathrm dx} }\mathrm e^{\lambda{x}}=\lambda\mathrm e^{\lambda{x}},~~ \left({{\mathrm d\over\mathrm dx} }\right)^2\mathrm e^{\lambda{x}}=\lambda^2\mathrm e^{\lambda{x}},\cdots, \left({{\mathrm d\over\mathrm dx} }\right)^n\mathrm e^{\lambda{x}}=\lambda^n\mathrm e^{\lambda{x}} \end{equation} となることを使うと、微分方程式は \begin{equation} \left( A_n\lambda^n +A_{n-1}\lambda^{n-1} +\cdots A_1 \lambda + A_0 \right)\mathrm e^{\lambda{x}}=0 \end{equation} という式に変わる。よって、 \begin{equation} A_n\lambda^n +A_{n-1}\lambda^{n-1}+\cdots A_1 \lambda + A_0=0\label{tokusei} \end{equation} となるような\lambdaが存在していれば、その\lambdaを代入した\mathrm e^{\lambda {x}}が解である。\lambdaが満たすべき方程式を「特性方程式」と呼ぶ。
簡単な例として、特性方程式が二次方程式になる場合をやってみよう。
\left( \left({\mathrm d\over\mathrm dx}\right)^2-{\mathrm d\over\mathrm dx} -2\right)f({x})=0の解が\mathrm e^{\lambda{x}}だと仮定し代入すると、{\mathrm d\over\mathrm dx}\mathrm e^{\lambda{x}}=\lambda\mathrm e^{\lambda{x}},\left({\mathrm d\over\mathrm dx}\right)^2\mathrm e^{\lambda{x}}=\lambda^2\mathrm e^{\lambda{x}}を使って、 \begin{equation} \begin{array}{rccccl} \biggl(& \!\!\!\left({\mathrm d\over\mathrm dx}\right)^2 & \!\!-&{\mathrm d\over\mathrm dx}&\!\!-2 \biggr)\mathrm e^{\lambda{x}}=0 \\[-1mm] & ↓ & &↓ & & \\[-3mm] \biggl(& \lambda^2& \!\!-&\lambda&\!\!-2 \biggr)\mathrm e^{\lambda{x}}=0 \end{array}\label{nijiex} \end{equation} という式が導かれ、特性方程式\lambda^2-\lambda-2=0が満たされれば\mathrm e^{\lambda{x}}が解になることがわかる。特性方程式は(\lambda-2)(\lambda+1)=0と因数分解できるので、\lambda=2,\lambda=-1の二つの解があり、 \begin{equation} f({x})=C\mathrm e^{2{x}}+D\mathrm e^{-{x}} \end{equation} のような重ねあわせが微分方程式の一般解であるとわかる。\mathrm e^{2{x}}と\mathrm e^{-{x}}が線形独立であることにも注意しよう。n階線型微分方程式は線形独立な解をn個見つければ、それで「n個のパラメータを持つ解」を作ることができる。
二階微分方程式は二つの未定パラメータを持つ筈なので、これで解は求まっている。確認しておこう。二階微分方程式なので、ある点{x}=x_0での関数の値f(x_0)と一階微分の値f'(x_0)を決めれば、すべての{x}に対して関数の値f({x})が求められる。{x}=0での場合を考えると、f(0)=C+D,f'(0)=2C-Dである。f(0),f'(0)がどのような値でもそれに応じてC,Dを決めてやれば(この場合なら、\textstyle C={f(0)+f'(0)\over 3},D={2f(0)-f'(0)\over 3}})、関数の形は決まる。よってこれで一般解である。
ここでは特性方程式を出してから因数分解し\lambdaを求めたが、もともとの微分方程式を、 \begin{equation} \left( {\mathrm d\over\mathrm dx} -2 \right) \left( {\mathrm d\over\mathrm dx} +1 \right) f({x})=0\label{factorDE} \end{equation} と書き換えてもよい(いわば『微分演算子の因数分解』)。この式の左辺が0になるためには、 \begin{equation} \left( {\mathrm d\over\mathrm dx} -2 \right)f({x})=0~~~または~~~ \left( {\mathrm d\over\mathrm dx} +1 \right) f({x})=0 \end{equation} のどちらかが成り立てばよいと考えてもただし、こう考えてもよいのは \left({\mathrm d\over\mathrm dx} -2\right) \left({\mathrm d\over\mathrm dx} +1\right)を掛けることと、\left({\mathrm d\over\mathrm dx} +1\right) \left({\mathrm d\over\mathrm dx} -2\right)を掛けることが同じ効果を産む場合、つまりこの二つの微分演算子が「交換する」場合である。定数係数の場合ならもちろん大丈夫だが、一般にそうとは限らない。、C\mathrm e^{2{x}}+D\mathrm e^{-{x}}という解が出てくる。
さて、これで二つの解が求められたと安心してよいか??---実は注意が必要な点がある。一般の特性方程式A_2\lambda^2+A_1\lambda+A_0=0が二つの実数解を持つとは限らないので、
- A_2\lambda^2+A_1\lambda+A_0=0が重解を持つ場合
- A_2\lambda^2+A_1\lambda+A_0=0が複素数解を保つ場合
特性方程式が重解を持つ場合
手がかりとしてもっとも単純な「重解になる二次方程式」である\lambda^2=0を考えてみよう。\left({\mathrm d\over\mathrm dx}\right)^2 f({x})=0 の特性方程式が\lambda^2=0だが、この式の解は\lambda=0しかないから、前節の手順の通りに計算するとC\mathrm e^{0{x}}=C\mathrm e^0=Cという「定数解」だけが出て来る。
しかし、前節でやったことをいったん忘れて素直に\left({\mathrm d\over\mathrm dx}\right)^2 f({x})=0という式を見れば、解が \begin{equation} f({x})= D{x}+C\label{linearsol} \end{equation} なのはすぐにわかる(実際代入してみれば二階微分すると0になる)。これは二つのパラメータを含んでいるから、立派な一般解である。
では、次に一般的に考えよう。特性方程式が重解になる微分方程式は \begin{equation} \left( \left({\mathrm d\over\mathrm dx}\right)^2 -2A{\mathrm d\over\mathrm dx} +A^2 \right)f({x})=0~~~すなわち~~~ \left( {\mathrm d\over\mathrm dx} - A \right)^2 f({x})=0 \end{equation} である。これを見て、\left({\mathrm d\over\mathrm dx} - A\right) f({x})=0になる関数を求めればよいと考えると、f({x})=C\mathrm e^{A{x}}という解があることはすぐにわかる。しかし、解はこれで終わりではない。なぜなら我々が求めたいのは\left({\mathrm d\over\mathrm dx} - A\right)を二回掛けると0になる関数つまり、 \begin{equation} \left({\mathrm d\over\mathrm dx} - A\right)\left({\mathrm d\over\mathrm dx} - A\right)f({x}) =0 \end{equation} を満たすf({x})である。f({x})=\mathrm e^{A{x}}が上の式を満たすのはもちろんだが、\left({\mathrm d\over\mathrm dx} - A\right)f({x})=\mathrm e^{A{x}}を満たす関数f({x})があれば、 \begin{equation} \left({\mathrm d\over\mathrm dx} - A\right)\underbrace{\left({\mathrm d\over\mathrm dx} - A\right)f({x})}_{\mathrm e^{A{x}}} =\left({\mathrm d\over\mathrm dx} - A\right){\mathrm e^{A{x}}}=0 \end{equation} となるので、それも解となる。
そうなる関数はすぐに見つかり、{x}\mathrm e^{A{x}}である。確認しよう。 \begin{equation} \left({\mathrm d\over\mathrm dx} - A\right)\left( {x}\mathrm e^{A{x}} \right)={\mathrm d\over\mathrm dx}\left({x}\mathrm e^{A{x}} \right)-A{x}\mathrm e^{A{x}} =\mathrm e^{A{x}}+\underbrace{ A{x}\mathrm e^{A{x}}-A{x}\mathrm e^{A{x}} }_{相殺}\label{xexpx} \end{equation} こうして、重解である場合はもう一つの解D{x}\mathrm e^{A{x}}が出ることがわかったので、
二階線形微分方程式の特性方程式が重解を持つ場合の解
\begin{equation} \left({\mathrm d\over\mathrm dx} - A\right)^2 f({x})=0~~~の解は~~~ f({x})=\left(D{x}+C\right)\mathrm e^{A{x}} \end{equation} がわかる(A=0の時は上の式に一致する)。この答えを出す方法として、 \begin{equation} 任意の関数F({x})に対し、~~ \left({\mathrm d\over\mathrm dx}-A\right)\left( \mathrm e^{A{x}}F({x})\right) = \mathrm e^{A{x}}{\mathrm d\over\mathrm dx} F({x})\label{ddxA} \end{equation} を先に証明しておくというのも良い方法である(後で応用が効く)。すなわち、
という置き換えができる。この置き換えを使うと、\left({\mathrm d\over\mathrm dx} - A\right)^2 \left(\mathrm e^{A{x}}F({x})\right)=0という方程式は\mathrm e^{A{x}}\left({\mathrm d\over\mathrm dx}\right)^2 F({x})=0という方程式に変わるから、解き易い後者の式を解けばよい(この答えがF({x})=D{x}+Cであることはもう知っている)。
省略形として\left({\mathrm d\over\mathrm dx}-A\right)\mathrm e^{A{x}}=\mathrm e^{A{x}}{\mathrm d\over\mathrm dx}などと書く場合もあるが、この式はそれだけでは(後に微分される関数がいなくては)意味が無い。こういう式はあくまで「記号」としての式であることに注意しよう。
微分の階数が高くなったら多項式の次数をそれに応じて上げて \begin{equation} \left( {\mathrm d\over\mathrm dx} - A \right)^k f({x})=0~~~の解は~~~ \left( C_{k-1}{x}^{k-1}+ C_{k-2}{x}^{k-2}+ \cdots+C_1{x}+C_0\right)\mathrm e^{A{x}} \end{equation} とすればよい(証明するには実際に代入してもよいし、置き換えを使って考えてもよい)。
以上の結果をまとめておこう。定数係数の線形同次微分方程式 \left( A_n\left({\mathrm d\over\mathrm dx}\right)^n +A_{n-1}\left({\mathrm d\over\mathrm dx}\right)^{n-1} +\cdots +A_{1}{{\mathrm d\over\mathrm dx}} +A_0 \right){y} =0 を解くには、微分演算子\left({\mathrm d\over\mathrm dx}\right)^nを\lambda^nという数に置き換えて、 A_n\lambda^n +A_{n-1}\lambda^{n-1} +\cdots +A_{1}\lambda +A_0 =0 という特性方程式を作る。この方程式がn個の相異なる解\lambda_1,\lambda_2,\cdots,\lambda_nを持っていたならば、 \begin{equation} C_1\mathrm e^{\lambda_1{x}} + C_2\mathrm e^{\lambda_2{x}} + C_3\mathrm e^{\lambda_3{x}} +\cdots + C_n\mathrm e^{\lambda_n{x}} \end{equation} が解である。解がm重解を含んでいた場合、重解である\lambda_kに対しては上の式のC_k\mathrm e^{\lambda_k{x}}を \begin{equation} \left( C_{k,m-1}{x}^{m-1} +C_{k,m-2}{x}^{m-2} +\cdots +C_{k,1}{x} +C_{k,0} \right)\mathrm e^{\lambda_k{x}} \end{equation} と置き換える(上はm重解の場合で、m個のパラメータを含む)。
残るは\lambdaが複素数解を持つ場合だが、その点については次の節で考えよう。
複素数を使って解く
ここでは、複素数を使うことで微分方程式がどのように解きやすくなるのかを解説しよう
複素数の微分方程式での利用例として、非常によく出てくる以下の方程式を考えよう。 \begin{equation} \left( {\mathrm d\over\mathrm dx} \right)^2{y}= -{y}\label{tansindounosiki} \end{equation}
ここまでやってきた定数係数の線形微分方程式の一般論からすると、{y}={\mathrm e^{\lambda {x}}}としたくなるところだが、代入すると \begin{equation} \lambda^2\overbrace{\mathrm e^{\lambda {x}}}^{{y}}= -\overbrace{\mathrm e^{\lambda {x}}}^{{y}} \end{equation} となり、\lambda^2=-1という実数の範囲で考えれば解なしの方程式が出てくる。虚数を知らない人は、ここでああ、この微分方程式はこの方法では解けないと諦めてしまう。しかしすでに虚数を知っている我々は、\lambda=\pm\mathrm iという「とりあえずの答え」を出して、\left({\mathrm d\over\mathrm dx}\right)^2{y}= -{y}の解は、\mathrm e^{\mathrm i {x}}と\mathrm e^{-\mathrm i {x}}(およびその線形結合)であると考えて先に進む。
答えが実数じゃなくていいんですか?
「とりあえずの答え」ならよい。実数ではなくてはならないのは最終的に求められる解であって、計算の途中で現れる量は複素数でもよい。最終結果が実数であるように、以下で調節する。ここで出てきた二つの解\mathrm e^{\mathrm i {x}}と\mathrm e^{-\mathrm i {x}}が互いに複素共役であることに注意。実数の係数の方程式(我々が主に扱うのはこのタイプの微分方程式だろう)の解が複素数になる時は、その複素共役も解のペアとして必ず現れる。その理由は、\left(実数係数のみを持つ微分演算子\right)f({x})=0~~~例:\left({\mathrm d\over\mathrm dx}\right)^2{y}=-{y}という方程式の複素共役をとれば\left(実数係数のみを持つ微分演算子\right)f^*({x})=0~~~例:\left({\mathrm d\over\mathrm dx}\right)^2{y^*}=-{y^*}となる、ということを考えればわかる。
先に進んでみよう。一般解は \begin{equation} {y}=A\mathrm e^{\mathrm i {x}}+ B\mathrm e^{-\mathrm i {x}}\label{Csindou} \end{equation} となる。AとBは今から選ぶ定数(複素数であってよい)である。
この答えは一見複素数に見えるが、実際に欲しいのは実数解である。そこで、以下の二つの考え方のどちらかで実数解を得る。
- この解が実数になるように任意パラメータのA,Bを調整する。
- この解のうち実数部分を取り出せばそれが欲しい解である。
まず(1)の方法で考えよう。この解が実数になれということは、複素共役である \begin{equation} {y}^*= A^* \mathrm e^{-\mathrm i {x}} +B^* \mathrm e^{\mathrm i {x}}\label{Csindoustar} \end{equation} が元の{y}と同じであれ、ということである。そうなるためには、A^*=Bであればよい。こうすると自動的にB^*=Aであることになる。こうしてAとBに関係がついたから、以後はBをA^*と書くことにして、 \begin{equation} {y}=A \mathrm e^{\mathrm i {x}} +A^* \mathrm e^{-\mathrm i {x}} \end{equation} を解とすればよい。ここで、複素数であるAを極表示複素数をR\mathrm e^{\mathrm i\theta}のように表示するのを「極表示」と言う。}してA=|A|\mathrm e^{\mathrm i\alpha}(\alphaは実数)とすると、 \begin{equation} {y}= |A|\left( \mathrm e^{\mathrm i({x}+\alpha)} +\mathrm e^{-\mathrm i({x}+\alpha)}\right) \end{equation} と答えをまとめることができる(この形の方が実数であることが明白である)。
さらに{\mathrm e^{\mathrm i\theta}+\mathrm e^{-\mathrm i\theta}\over 2}=\cos\thetaを使うと、以下のようにまとまる。 \begin{equation} {y}=2|A|\cos({x}+\alpha) \end{equation}
こうしてもよい。\mathrm e^{\mathrm i {x}}と\mathrm e^{-\mathrm i {x}}を使って実数となる組み合わせを作ると、\mathrm e^{\mathrm i {x}}+\mathrm e^{-\mathrm i {x}}か\mathrm i(\mathrm e^{\mathrm i {x}}-\mathrm e^{-\mathrm i {x}})か、どちらか(もしくはこの二つの線形結合)である。つまり、上の式を \begin{equation} {y}=C\underbrace{\left(\mathrm e^{\mathrm i {x}}+\mathrm e^{-\mathrm i {x}}\right)}_{2\cos {x}}+\mathrm i D\underbrace{\left(\mathrm e^{\mathrm i {x}}-\mathrm e^{-\mathrm i {x}}\right)}_{2\mathrm i \sin {x}} =2C \cos {x} -2D \sin {x} \end{equation} と書きなおす。C,Dは実数であり、上のA,BとはA=C+\mathrm i D,B=C-\mathrm i Dという関係がある。
(2)の方法を取る時は、まずA=|A|\mathrm e^{\mathrm i\alpha},B=|B|\mathrm e^{\mathrm i\beta}と極表示して、 \begin{equation} {y}= |A|\mathrm e^{\mathrm i({x}+\alpha)} +|B|\mathrm e^{-\mathrm i({x}-\beta)} \end{equation} としてからこの実数部分を取り出せば、 \begin{equation} {y}=|A|\cos ({x}+\alpha) +|B|\cos ({x}-\beta)\label{coscos} \end{equation} となる。ここで、実数を取った結果であるこの式を見ると、実は第1項だけで十分であったことがわかる。というのはこの式は\cosと\cosの足し算だから、やはり\cosで表される1つの関数となる(C\cos({x}+\gamma)のように)|A|\cos ({x}+\alpha)+|B|\cos ({x}-\beta)=C\cos({x}+\gamma)と置いて両辺を比較すれば、C,\gammaをいくらにすればこの等式が成り立つかが計算できる。。つまり、一見|A|,|B|,\alpha,\betaという4個のパラメータを含んでいるように見えて、C,\gammaという二つのパラメータしか持っていないのである。
よって、(2)の方法を取るとき、つまり「後で実数部分だけを取り出そう」と計算するときは、 \begin{equation} {y}=|A|\cos ({x}+\alpha) \end{equation} を解として考えれば十分なのだ。
ここでは生真面目に\mathrm e^{\mathrm i {x}}と\mathrm e^{-\mathrm i {x}}の二つを解としたのだが、よく考えてみると、元々の方程式は実数係数のものであったから、\mathrm e^{\mathrm i {x}}が解であったなら、その複素共役である\mathrm e^{-\mathrm i {x}}が解であることは「計算するまでもなくあたりまえ」である。よって「微分方程式に現れる数が全て実数である場合」には、複素共役の両方を解にする必要はなく、どちらか一方のみを解として考えればよい(もちろん「これの複素共役も解だぞ」と覚えておく)。もちろん、元々の微分方程式が\mathrm iを含んでいる場合はこうはいかない。