三角関数の微分:sin(復習)

sinの微分(復習)

前回、数式を使って、

\begin{equation} \sin ({\theta}+\mathrm{d}\theta)= \sin {\theta}+\underbrace{\cos {\theta}}_{微係数}\mathrm{d}\theta \end{equation}

となる($f({x}+\mathrm{d}x)=f({x})+f'({x})\mathrm{d}x$と比較せよ)ということから、

sinの微分 \begin{equation} \begin{array}{rl} {\mathrm{d} }(\sin {\theta})=&\cos{\theta} \mathrm{d}\theta,~~~~ {\mathrm{d} \over \mathrm{d}\theta}(\sin {\theta})=\cos{\theta} \end{array} \end{equation}

と示した。

 同じことを図で考えると、

のように、角度${\theta}$を$\mathrm d\theta$だけ変化させた時の、「三角形の高さ」である$\sin\theta$の変化を考える。図に「相似な三角形」として示している「小さい方の三角形の斜辺は曲線だから相似な三角形とは言えないぞ!」と思う人もいるかもしれないが、今$\mathrm d\theta$をどんどん小さくしているので、この曲線は限りなく直線に近いように、$\mathrm d\theta$という長さの弧を斜辺として微小な直角三角形ができていて、この直角三角形の高さにあたる部分が$\mathrm d\theta \cos{\theta}$である。つまり$\sin {\theta}$の微小変化が$\cos {\theta} \mathrm d\theta$と書けるから、微係数は$\cos \theta$である。

 アニメーションで$\theta$が$\mathrm d\theta$変化する様子を見よう。
 下左の図は半径1の円(単位円)を描いたもので、中心から円周の一点に向かっている棒の角度に応じて、sinθ,cosθの値が決まる。
,
↑の棒の角度はドラッグによって変えることができる。

 上の図は長さを描き込んだものである。θが変化したことによる「高さ」sinθの変化量であるd(sinθ)がdθ×cosθに等しいことが読み取れる。

 右側のグラフはsinθ,cosθのグラフであるが、そちらにも、のように傾きが表示してある。この「傾き」が確かにcosθに比例していることを確認しよう。

 動径の棒をドラッグして動かすことができるので、いろんな場合について確かにsinθの変化(増減)がcosθに比例していることを動かしながら実感して欲しい。

三角関数の微分:cos

三角関数の微分:cos

cosの微分

こっちはまず図で考えよう。右の図は、$\sin$の微分の時と同様、斜辺が1の直角三角形の角度を少し変えてみたものだが、今度は底辺である$\cos \theta$の変化を見ている。やはり相似な三角形ができていることを考えると、$\cos \theta$の変化量は$\sin {\theta} \mathrm d\theta$ということになりそうである。

ところがここで注意すべき点があって、それはこの$\cos \theta$は減っている(変化の方向が負の方向である)ということである。ゆえに、\wrapfigen

cosの微分

\begin{equation} \begin{array}{rl} \mathrm d (\cos {\theta})=& -\sin {\theta} \mathrm d\theta,~~~ {\mathrm d \over \mathrm d\theta}(\cos {\theta})= -\sin {\theta} \end{array} \end{equation}

のように符号をつけるのが正しい。


ではこれも動画で実感しよう。
 cosθとその微分である-sinθを表現している動く図である。

 左の単位円の部分は、前ページのグラフに比べて、90度反時計回りに回した状況になっていることに注意。

タブレットで見ている人はむしろこの画面を時計回りに90度回してみた方がよいかも。
,
↑の棒の角度はドラッグによって変えることができる。

 アニメーションのように、θが変化していったときにsinθcosθがどのように変化していくかを考えると、それぞれの微分がどうなるかがわかる(はずである)。

左の図が、それぞれの長さを描き込んだもの。

 右のグラフに、cosθのグラフの傾きがのように表示されている。これも動径をドラッグすることができるので、動かしながら「cosθの微分(傾き)は-sinθだな」ということを実感して欲しい。


$\sin $と同じ手順で数式で考えることもできる。三角関数の加法定理を使って、

\begin{equation} \begin{array}{rll} \cos ({\theta}+\mathrm d\theta) =&\cos {\theta} \cos \mathrm d\theta - \sin {\theta} \sin \mathrm d\theta&ここで、{\cos\mathrm d\theta=1,\sin\mathrm d\theta=\mathrm d\theta}\\ =&\cos {\theta} \underbrace{- \sin {\theta}}_{微係数} \mathrm d\theta\\ \end{array} \end{equation}

を得るから、${\mathrm d \over \mathrm d\theta}(\cos {\theta})= -\sin {\theta}$となる。

この(一方にマイナス符号がつく意味)は、左の図のように、微分という操作がちょうど「90度$\left({\pi\over 2}\right)$の回転に対応していると思ってもよいだろう。

${\pi\over 2}$の回転はのように、$x$座標を$y$座標に、$y$座標を(符号を変えて)$x$座標にすることで得られる。式で書くなら$(x,y)\to(-y,x)$であるが、これが微分$(\cos \theta,\sin \theta)\to(-\sin \theta,\cos \theta)$と同じ計算になっているわけであるθが増加するという現象を原点を中心とした円運動と捉えると、微分というのは速度を計算することだから、円運動の速度は動径と垂直だ、ということを示していることになる。

実際はもうcosの微分を知っているが、ここで「知らないふり」をしてsinの微分からcosの微分を求めてみる。こういうことができるのは、$\sin$と$\cos$の間に、$\cos^2{\theta}+\sin^2{\theta}=1$という関係式があるからである。

 $\cos^2{\theta}+\sin^2{\theta}=1$を微分すると、

\begin{equation} \begin{array}{rl} 2\cos{\theta}{\mathrm d (\cos{\theta})} + 2\sin{\theta}{\mathrm d (\sin{\theta})} &=0 \\ {2\cos{\theta}}{\mathrm d (\cos{\theta})} + {2}\sin{\theta}{\cos{\theta}}\mathrm d\theta &=0 \\ {\mathrm d (\cos{\theta})} =&- \sin{\theta}\mathrm d\theta \end{array} \end{equation}

この出し方を見ると、$\sin{\theta} $と$\cos{\theta}$の微分のどちらかにはマイナス符号が必要だったことがわかる。

 $\cos\theta$を微分すると$\sin\theta\mathrm d\theta$なのですか?---$\sin\theta$ではなく??
 ああごめんなさい、ちょっと用語に混乱があるんですが、
  1. 式${y}={x}^2$から、その微小変化の式$\mathrm dy=2{x}\mathrm dx$を作る(「${y}={x}^2$の両辺を微分すると、$\mathrm dy=2{x}\mathrm dx$」)。
  2. 関数${y}={x}^2$から、${y}$の導関数${y'}=2{x}$を導く(「${x}^2$を${x}$で微分すると$2{x}$」)。

のどちらも「微分する」と表現するので注意してください(高校で「微分する」というと下だけでしたが)。


 区別できるように言うなら上の微分は「微小変化を求める」で上の微分は「導関数を求める」となります。
三角関数の微分:sin 三角関数の微分:tan

三角関数の微分:tan

tanの微分

まず、図解で示そう。

上の図のように、底辺1で底辺と斜辺のなす角が${\theta}$である直角三角形を描く(この直角三角形の高さが$\tan{\theta}$である)。角度が\mathrm d\theta だけ大きくなった時、この直角三角形の高さがどれだけ高くなるか、を考えれば$\tan {\theta}$の微分がわかる。

この直角三角形の斜辺の長さは${1\over \cos{\theta}}$であるこれを求めるのに、「公式$1+\tan^2{\theta}={1\over \cos^2{\theta}}$を使って…」などとやり始める人がたまにいるのだが、そんな面倒なことは全く必要ない。${底辺\over 斜辺}=\cos {\theta}$という式を思い出せばすぐに出る。から、図に書いた円弧の部分の長さは${\mathrm d\theta\over \cos{\theta}}$である。また相似な三角形ができているから、その相似の関係を使えば、高さの増加は${\mathrm d\theta\over \cos^2{\theta}}$とわかり、結果として${\mathrm d \over \mathrm d\theta}\tan{\theta}={1\over \cos^2{\theta}}$が導かれる。

これを動画で実感しよう。
 下左の図は底辺を1で固定した直角三角形を描いたもので、その直角三角形の高さがtanθである。
,,
↑の棒の角度はドラッグによって変えることができる。

 アニメーションのように、θが変化していったときに縦軸の座標tanθがどのように変化していくかを考えると、微分がどうなるかがわかる。

 左の図は上のグラフに長さを描き込んだものである。この場合、底辺が1なので、高さが(1/cosθ)であることに注意しよう。

 動径の棒をドラッグして動かすことができるので、いろんな場合について確かにtanθの変化(増減)が(1/cos2θ)に比例していることを動かしながら実感して欲しい。


では同じ式を、数式で出してみよう。

${y}=\tan{\theta}$の微分を数式を用いて行うには、$\tan {\theta}={{\sin {\theta}\over \cos{\theta}}}$としてから、以下のように行う(もちろん分数関数の微分の式に代入して考えていってもよい)。

\begin{equation} \begin{array}{crll} &\cos{\theta}\times{y} =&\sin {\theta}&ここで両辺を微分\\ -\sin{\theta} \mathrm d\theta\times{y} +&\cos{\theta}\times \mathrm dy =&\cos {\theta} \mathrm d\theta &y={\sin\theta\over\cos {\theta}}を代入\\ &- {\sin^2{\theta} \over \cos{\theta}} \mathrm d\theta +\cos\theta\mathrm dy =&\cos\theta\mathrm d\theta &両辺に\cos\thetaを掛け、左辺第1項を移項\\ &\cos^2\theta\mathrm dy =&\underbrace{(\sin^2\theta+\cos^2 {\theta})}_{1}\mathrm d\theta \\ &\mathrm dy=&{1\over\cos^2\theta}\mathrm d\theta\\ \end{array} \end{equation}

となって、

tanの微分

\begin{equation} \begin{array}{rl} \mathrm d (\tan{\theta})=&{1\over \cos^2{\theta}}\mathrm d\theta\\ {\mathrm d\over \mathrm d\theta} (\tan{\theta})=&{1\over \cos^2{\theta}} \end{array} \end{equation}

がわかった。

三角関数の微分:cos 指数関数と対数関数の微分

指数関数・対数関数の微分

指数関数の微分

指数関数${y}=a^{{x}}$を微分することを考えよう。まずは数式で「微分の定義」までちゃんと戻って考える。実は$a=\mathrm e$の時が一番簡単なので、まずはその場合を考えよう。

\begin{equation} {\mathrm d \over \mathrm dx }\left(\mathrm e^{x}\right)= \lim_{{\Delta x}\to0}{\mathrm e^{{x}+{\Delta x}}-\mathrm e^{x}\over {\Delta x}} =\mathrm e^{x} \times\lim_{{\Delta x}\to0}{\mathrm e^{{\Delta x}}-1\over {\Delta x}} \end{equation}

のように、極限の式から$\mathrm e^x$を外に出してしまう。こんなふうに外に出てしまうのは、指数関数という関数が「${x}$が${\Delta x}$増加すると「元の値」の$\mathrm e^{{\Delta x}}$倍になる」という性質を持っている(ということはつまり、増加量も元の関数の値に比例する)ということの顕れである。

残った部分$\lim_{{\Delta x}\to0}{\mathrm e^{{\Delta x}}-1\over {\Delta x}}$はよく見ると${x}$によらない定数になっている。そしてこれは、${y}=\mathrm e^{x}$の${x}=0$での傾きそのものである(右のグラフ参照)。そしてそれは$\mathrm e$の定義により1である。つまり、

\begin{equation} {\mathrm d \over \mathrm dx }\left( \mathrm e^{{x}}\right)=\mathrm e^{x}\label{expbibun} \end{equation}

なのである。$\mathrm e^x$という関数は「微分しても変わらない関数」であった、ということがわかる(だから$\mathrm e$は重要なのである)。

「微分しても変わらない関数ってどんなもの?」という視点から、指数関数を「導いて」みよう。まず我々は$\mathrm e^{{x}}$の${x}=0$での値が1で傾きが1であること、つまり${x}=0$の近傍では$\mathrm e^{x}=1+{x}$であることを知っている。しかし、$1+{x}$を微分すると

\begin{equation} {\mathrm d \over \mathrm dx }\left(1+{x}\right)\stackrel{?}{=}1 \end{equation}

となって元に戻らない。微分した後に${x}$がいるためには、関数に${1\over 2}{x}^2$を加えておくとよいだろう。しかし、

\begin{equation} {\mathrm d \over \mathrm dx }\left(1+{x}+{1\over 2}{x}^2\right)\stackrel{?}{=}1+{x} \end{equation}

であるからこれでは微分すると(右辺に${1\over 2}{x}^2$が足りない分)元に戻らない。ではということでさらに${1\over 2\times3}{x}^3$を加える。すると、

\begin{equation} {\mathrm d \over \mathrm dx }\left(1+{x}+{1\over 2}{x}^2+{1\over 2\times3}{x}^3\right)\stackrel{?}{=}1+{x}+{1\over 2}{x}^2 \end{equation}

となる。この手順を繰り返していくと考えれば、

\begin{equation} \begin{array}{rl} \mathrm e^{{x}}=&1+{x}+{1\over 2}{x}^2+{1\over 2\times3}{x}^3 +{1\over 2\times 3\times 4}{x}^4+{1\over 2\times 3\times 4\times 5}{x}^5 +\cdots\\ =&\sum_{n=0}^\infty {1\over n!}{x}^n \end{array} \end{equation}

という無限につづく項の和で書ける、ということになる。前に$1+1+{1\over2}+{1\over 2\times3}+{1\over 2\times 3\times 4}+{1\over 2\times 3\times4\times 5}+\cdot$という計算で$\mathrm e$が出せる、という話をしたが、その理由はこれである。

次に$\mathrm e^{kx}$のように指数が定数$k$倍されている場合を考えると、

\begin{equation} {\mathrm d (\mathrm e^{kx})\over \mathrm dx }= \lim_{{\Delta x}\to0}{\mathrm e^{kx+k{\Delta x}}-\mathrm e^{kx}\over {\Delta x}} =\mathrm e^{kx}\lim_{{\Delta x}\to0}{\mathrm e^{k{\Delta x}}-1\over {\Delta x}} \end{equation}

となるが、

\begin{equation} \lim_{{\Delta x}\to0}{\mathrm e^{k{\Delta x}}-1\over {\Delta x}}= \lim_{{\Delta x}\to0}{\mathrm e^{k{\Delta x}}-1\over {k{\Delta x}\over k}} = k\lim_{{\Delta x}\to0}{\mathrm e^{k{\Delta x}}-1\over {k{\Delta x}}} \end{equation}

としてから$k{\Delta x}=t$と置くとこの式はさらに$k\lim_{t\to0}{\mathrm e^{t}-1\over {t}}$と書き直せて、この極限は$k$だから、

\begin{equation} {\mathrm d (\mathrm e^{kx})\over \mathrm dx }= k\mathrm e^{kx} \end{equation}

となる(このような状況を「$k$が$\exp$の肩から降りてくる」と表現する)。

ここまでくると、底が$\mathrm e$ではなく一般の正の数であった場合も同様に、$a=\mathrm e^{\log a}$と書けることを使って$a^{{\Delta x}}=\mathrm e^{{\Delta x} \log a}$と直して考えて、

一般の指数関数の微分
\begin{equation} {\mathrm d (a^x)\over \mathrm dx }= a^x \log a \end{equation}

がわかる($a=\mathrm e$なら、$\log\mathrm e=1$だから${\mathrm d (\mathrm e^x)\over \mathrm dx }= \mathrm e^x$に戻る)。

いくつかの関連する式が出てきた時、一個一個別々にではなく「この式はあの式をこうすると出てくる」のようなつながりを意識して理解していくことは大事。人間の脳の記憶容量は有限なので、できる限り「こことここは同じ」というところはまとめておいた方が効率がいいし、つながりを知ることはその式の意味をより深く理解することにつながる。

対数関数の微分

${y}=\log{x}$を微分するには、まず$\mathrm e^{y}={x}$として、

\begin{equation} \begin{array}{rl} \mathrm e^{y}=&{x} \\ \underbrace{\mathrm e^{y}}_{{x}}\mathrm dy =&\mathrm dx \\ {\mathrm dy \over \mathrm dx }=& {1\over {x}} \end{array} \end{equation}

とすればよい(もちろん、$\mathrm e^{{x}}$の逆関数だから${1\over \mathrm e^{{x}}}$になると考えてもよい)。

対数関数の微分
\begin{equation} {\mathrm d \over \mathrm dx }(\log{x})={1\over x}~~~(これは底が\mathrm e の時に限る) \end{equation}

前に、${x}^\alpha$のような冪の形で、微分して${1\over {x}}$になる関数はない、という話をしたが、$\log{x}$というのがそういう関数になる。

この式と合成関数の微分則から、$\log \left(f({x})\right)$の微分は

\begin{equation} {\mathrm d \over \mathrm dx }\log \left(f({x})\right) =f'({x})\times {\mathrm d \over \mathrm df}\log|f|= {f'({x})\over f({x})} \end{equation}

となる。これから、

\begin{equation} f'({x})=f({x})\times {\mathrm d \over \mathrm dx }\log \left(f({x})\right) \end{equation}

のように微分の計算を行うことができる(つまり、$\log$を取ってから微分して元の関数を掛けることで微分ができる)。

ややこしくなりそうに思うかもしれないが、対数の性質のおかげでこれで楽ができる状況もある。というのは、関数の積$f({x})g({x})$の微分はライプニッツ則を使うと、

\begin{equation} {\mathrm d \over \mathrm dx }\log \left(f({x})g({x})\right)={\overbrace{f'({x})g({x})+f({x})g'({x})}^{(f({x})g({x}))'}\over f({x})g({x})}\label{taisuubibunkihon} \end{equation}

積の対数が対数の和になることを使うと

\begin{equation} {\mathrm d \over \mathrm dx }\log \left(f({x})g({x})\right)= {\mathrm d \over \mathrm dx }\log \left(f({x})\right) + {\mathrm d \over \mathrm dx }\log \left(g({x})\right)={f'({x})\over f({x})} +{g'({x})\over g({x})} \end{equation}

となり、この二つは(当たり前だが)一致する。

また、${y}={x}^{{x}}$のようなややこしい冪で表された関数も、対数を取ってから微分する方法が楽である。

\begin{equation} {\mathrm d \over \mathrm dx }\left(\log{x}^{{x}} \right) ={\mathrm d \over \mathrm dx }\left( {x}\log{x} \right) =\log{x}+{x}\times {1\over {x}}=\log{x}+1 \end{equation}

のように微分して、

\begin{equation} {\mathrm d \over \mathrm dx }{x}^{{x}}={x}^{{x}}\times \left(\log{x}+1\right) \end{equation}

とする。

過去にあった、よくある間違い
${\mathrm d \over \mathrm dx }\left(x^x\right)=x x^{x-1}=x$
↑やってしまわないよう、注意。

指数関数・対数関数の近似式

\begin{eqnarray} \mathrm e^{{x}}&=&1+{x}+{\cal O}({x}^2)\\ \log(1+{x})&=& {x}+{\cal O}({x}^2) \end{eqnarray}

という式がよく使われる(この二つの式は互いに逆関数になるという関係でつながっている)。

三角関数の微分:tan 受講者の感想・コメント

受講者の感想・コメント

 青字は受講者からの声、赤字は前野よりの返答です。

微分のいろいろな公式の意味を知ることで、ただ暗記するより何倍も理解が深まったように思います。
「使うための数学」は暗記ではダメですよ。

三角関数、指数関数、対数関数の微分を、今までは公式として覚えていたが、その公式に至るまでの過程をじっくりと考えていった。図と計算、二つの方法から導き出すことで、より深い理解ができてよかったです。
「来週の試験のために」というその場しのぎならしょうがないですが、本当に「身につく」ためには「公式として覚える」勉強をしてはいけません。

sinθ、cosθ、tanθの微分がわかった。
それはよかった。

様々な関数の関数の微分について詳しく学んだ。高校の時とは違う視点で学んだのでとても興味深く、より理解が深まった。
微分のイメージを持つようにしていってください。

面白い内容でした。わかりやすかったです。
面白さを感じつつ、勉強していってください。

$\mathrm e^x\fallingdotseq1+x$はテイラー展開ですね!!
はい、テイラー展開はすぐ後でやりますが。

tanの微分が難しかった。
自分で一度やってみてください。

三角関数の微分や対数関数の微分の仕方を学ぶことができてよかった。
それはよかった。

$\log x\to{1\over x}$の異様さはそのままなんかい!! 1本取られたわ。
異様?? 異様かなぁ?

同じ「微分する」という言い方でもいろんな種類のものがあるということを学んだ。
要は「微小変化の割合を考える」ってことなんですけどね。

対数関数は救世主だったのか…。
救世主は大げさだけど、logのおかげで助かることはよくあります。

今日はねむすぎた。
そうですか。

昨日微分方程式の勉強をしていて「思いつけないんだけどー!」と思っていたのですが、今日の授業で$\mathrm e^x$の微分は元の関数と同じ」というのを聞いて全部意味があってつながっているのをとても感じました。
exp(x)のおかげで解ける微分方程式は、とてもたくさんあります。

微分の先輩がよくする間違い、自分もしそうなので例に出してもらってよかったです。気をつけたいと思います。
やっちゃわないように気をつけましょう。

最後に出てきた$f'({x})=f({x})\times {\mathrm d \over \mathrm dx }\log \left(f({x})\right)$には感動しました。自宅でも微分の演習を頑張りたいと思います。
いろんな演習をやってみてください。

logの微分難しかったです。cos(α+β)の公式がなんで−になるのか知れてよかったです。
今日やったのは微分の式で、加法定理とは別ですが、確かにマイナスになる理由は同じですね。

先生が一番かっこいいと思う四文字熟語はなんですか? 僕は「波動関数」ですね。
う〜〜ん。「繰込可能」かな。

「微分する」に二つの意味があるとは知らなかった。問題で出たとき、どちらの意味であるか考えたりするのかなと思った。
文脈でわかります。

$f(x+\mathrm dx)=f(x)+f'(x)\mathrm dx$の重要さがだんだんわかってきた。
微分の意味がわかってくると、あの書き方の便利さがわかってきます。

微分の2種類の意味がわかった。
2種類といいつつ、どっちもまぁ「微小変化考える」というのは同じです。

指数・対数関数の微分の中身がわかりやすくて理解できた。
それはよかった。

図を使って考える三角関数の微分は少し難しいけど面白かったです。
図でいろいろ考えてみてください。

${\mathrm d\over \mathrm dx}x^x$の仕方がわからなかったが、今日で$f'({x})=f({x})\times {\mathrm d \over \mathrm dx }\log \left(f({x})\right)$が理解できたので、すごく計算が楽に感じた。あと、微小変化の意味もなんとなくわかった。
いろんな計算方法を、うまく使って計算していってください。

$\cos\theta$の微分に−がつくのは微小増加を取ったときに$\sin^2\theta+\cos^2\theta=1$と一定になる必要があるからという説明にとても納得がいった。
いろんな式を、成り立ちから理解しておきましょう。

$f'({x})=f({x})\times {\mathrm d \over \mathrm dx }\log \left(f({x})\right)$がとても便利で感動しました。三角関数の微分を説明した図形がとてもわかりやすかったです。
微分はいろんなやり方があるので、使い方を理解しておきましょう。

合成関数の微分と、ネイピアの数。
う〜ん、どっちも今日じゃなく前にやったことを使っただけなんだけど。

逆関数・指数関数の微分を学んだ。数IIIでやった「微分可能」の定義や「連続する」の定義をもう一度復習したい。
そのあたりの話はこの授業では少ししか取り上げないので、是非復習しておいてください。

$x^x$のようなものからライプニッツ則まで、logを使って簡単に説明できるとわかって驚きました。
logやexpっていろんなところで役に立つんですよ。

図と計算で三角関数の微分が理解できました。
両方で理解するのが大事です。

微小で増加量を求めたら、微分と同じ。
微分というのは、そういうものです。

微分よくわかった。逆関数の微分がよくわかった。
それはよかった。

$\sin(\theta+\mathrm d\theta)=\sin\theta\underbrace{\cos\mathrm d\theta}_1+\cos\theta\underbrace{\sin\mathrm d\theta}_{\mathrm d\theta}$で$\cos\mathrm d\theta=1,\sin\mathrm d\theta=\mathrm d\theta$になる理由がわからない。
$\sin\mathrm d\theta$が$\mathrm d\theta$なら、$\sin(\theta+\mathrm d\theta)=\sin\theta+1$?
わからないことはその時すぐ質問しないと。$\sin\mathrm d\theta\simeq \mathrm d\theta$は先週説明した話なので復習してください。そのとき、$\cos\mathrm d\theta\simeq 1-{(\mathrm d\theta)^2\over 2}$となることも説明したはず。あと最後の式は、ちゃんと計算すると$\sin(\theta+\mathrm d\thata)=\sin\theta+\cos\theta\mathrm d\theta$になります。

もう一週早くこの内容をやってくれれば、昨日の微積のテストがもう少しましな点数がとれたのに残念です。
それは残念でした。

微積STの中間テストで出たところを今日先生がやってくれて、全然できてないなー(テストが)と思いました。
それは残念なお知らせです。

図を作って微分を考えることができた。
いろんな考え方をやっていきましょう。

変数の変数乗をかんがえるときlogに直して計算すると微分もできることがわかった。$lim_{x\to0}{\log(1+x)\over x}=1$ですか?
その極限は確かにそうなります。

もし${\mathrm d\over \mathrm d\theta}\cos\theta$や${\mathrm d\over \mathrm d\theta}\tan\theta$を忘れてしまっても(そんなことはないけど)、${\mathrm d\over \mathrm d\theta}\sin\theta$さえわかっていれば順次求められるので、いざというときに便利(多分)。arc型の微分もそこまで難しくなかった。気になることだが陰関数やリサージュ曲線も微分や微分係数を求めることができるのだろうか。理論上可能だと思うが、答えが複数になりそう…。
複数の値がある場合は、微分も場合分けなどの注意が必要ですね。

色々なことが頭の中でごちゃごちゃしてきた。一回今までの復習をして、全体を見直したい。
うん、整理は大事。

三角関数の微分でいろんな説明の仕方があっておもしろかった。
1つのことをいろんな方向から見てみましょう。

sinθとcosθの微分の成り立ちがよくわかった。$\mathrm e^x\fallingdotseq 1+x,x\fallingdotseq \log(1+x)$
いろんな式を結びつけて理解しておいてください。

微分の参考書とかで、$\mathrm e$(ネイピア数)を使った証明が出てくるのですが、よくわかりません。ネイピア数の式とか性質みたいなものを簡単に解説してくれる本を教えてくれませんか。$\lim_{n\to\infty}\left(1+{1\over n}\right)^n=\mathrm e\to \lim_{n\to\infty}\left(1-{1\over n}\right)^n={1\over \mathrm e}$
今配っている教科書にも(そして、その他のたいていの教科書にも)必要なことは書いてあると思いますが、それではどこが「よくわからない」のでしょう?
その式は成立しますね。極限を取る計算をやってみましょう。

物理学Iを習っていたときに疑問が残っていたsinθやcosθを微分した時に残るdθというのは、変化量を見た場合の計算をしていることがわかりました。高校までの知識は大学で逆に混乱するかもしれないので、大学の勉強をしっかりしていきたいと思います。$\mathrm e$の知識がより深めることができたのでよかったです。
大学の教科書は高校までと違って文科省検定なんてものはないので、書き方は統一されてないですが、そこは臨機応変に読むようにしてください。

関数が好きになれるよう頑張りたい。
好きになりましょう、長いつきあいです。

三角関数を絵で理解すると分かりやすかった。
図と式の両方で理解しておきましょう。

$f'({x})=f({x})\times {\mathrm d \over \mathrm dx }\log \left(f({x})\right)$という式は今まであまりみたこyとがなかったので覚えておきたい。
基本は合成関数の微分です。

$\mathrm e^x$の微分が$\mathrm e^x$のままなのがわかった。
この性質が後々いろいろと役に立ちます。

微小変化を求める微分のやり方に慣れるために頑張りたいと思った。
慣れていきましょう、慣れると便利。

三角形の図と対数で混乱してしまったので、おうちで頭を整理します。
じっくり考えてみてください。

三角関数の微分も結局は微小変化のときのの変化量の話をしているのだとわかった。
微分というのは、全部それです。

指数関数・対数関数の微分