相対論2007年度第7回
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*第5章 光速度不変の数式的理解---ローレンツ変換 [#z0d6ff06]
**5.1 x-ctグラフで見るローレンツ変換 [#bbff36c1]
前章の電車の問題で、同時刻線が傾くということを確認した。...
CENTER:#ref(lorentzgraph.png,,60%)
&color(Red){↑クリックするとフルサイズで見れます};
&color(Red){このグラフを書いて電車の動きを見せる[[アプレ...
図の(x,t)座標系は電車が速度vで動いているように見える座標...
電車の先端と後端から光が出てPに到達したわけだが、先端から...
ct'軸状ではx-vt=0が成立するのだから、
#mimetex( x-{v\over c}(ct)=0 \leftrightarrow ct -{v\over ...
という対称変換をほどこすことで、x'軸の上では&mimetex(ct -...
#ref(hanten.png)
対称変換がわかりにくい人は、こう考えよう。(x,ct)座標系で...
&mimetex( ct={c\over v}x); 書き直せば &mimetex(x={v...
なのである。
一方、x'軸とx軸の傾きは、ct'軸とct軸の傾きと同じ角度であ...
#mimetex(ct={v\over c}x )
となる。
x'=0が&mimetex(x-{v\over c}ct=0);に対応し、ct'=0が&mimete...
ということから、
#mimetex(x'= A\left(x-{v\over c} ct\right))
RIGHT:(x'の式1) &aname(xddd);
#mimetex(ct'=B\left(ct-{v\over c}x\right))
RIGHT:(ct'の式1) &aname(ctddd);
となることがわかる。
さらに、どちらの座標系でも光速がcであるということからA=B...
#mimetex(\begin{array}{rcl} A\left(ct-{v\over c} ct\right...
となる。つまり、A=Bでなくてはならない。ここまでの結果は、
#mimetex(x'= A\left(x-{v\over c} ct\right))
RIGHT:(x'の式2)
&aname(lorentzA);
#mimetex(ct'= A\left(ct-{v\over c}x\right))
RIGHT:(ct'の式2)
&aname(lorentzB);
である。相対論以前の`''常識'''に従えば、A=1と言いたいとこ...
''ローレンツ短縮から''
(x,t)座標系で測定した長さが、(x',t')系で測定したものの&mi...
たとえば、x'=0の線(電車の後端)とx'=Lの線(電車の先端)...
&mimetex(A(x-vt)=L); すなわち、 &mimetex(x={L\over A}+v...
である。(x,t)座標系で電車の長さを測ると、
#math( (先端の位置)-(後端の位置)={L\over A}+vt -vt = {L\o...
である。電車がローレンツ短縮すべきだと考えると、&mimetex(...
#mimetex( A={1\over\sqrt{1-{v^2/c^2}}})
となるのであった。
''ウラシマ効果から''
(x,t)座標系で測定した時間が、(x',t')系で測定したものの&mi...
たとえば、t'=0という時刻と、t'=Tという時刻を考える。(x',t...
&mimetex( A\left(t-{v\over c^2}x\right)=T); すなわち、 ...
&color(Red){上の式で分子にvが抜けてました。↑のように訂正...
である。よって(x,t)座標系での時間差は
#mimetex({T\over A}+{v\over c^2}x -{v\over c^2}x = {T\ove...
である。ウラシマ効果を考えると&mimetex({T\over A}=\sqrt{1...
#mimetex( A={1\over\sqrt{1-{v^2\over c^2}}})
となるのであった。
''速度-vの変換が逆変換となること''
もう一つの方法は、「速度vのローレンツ変換をした後、速度-v...
すると、逆変換は(&mimetex(v\to -v);と置き換えて)
#mimetex(x=A\left(x'+{v\over c}ct'\right),~~~ct=A\left(ct...
ということなので、これに変換式を代入すると、
#mimetex( x=A\left(A(x-vt)+{v\over c}A\left(ct-{v\over c}...
となって(ctに関する式も同様)、&mimetex(A={1\over\sqrt{1...
以上から、ローレンツ変換とは、
#mimetex( x'={1\over\sqrt{1-{v^2/c^2}}}(x-vt),~~~ t'={1\o...
という座標変換であることがわかる。なお、よく出てくる因子&...
#mimetex( x'=\gamma(x-\beta ct),~~~ ct'=\gamma(ct-\beta x))
という形にまとまる。
&color(Red){この変換はいっけんガリレイ変換と大きく違うよ...
**5.2 ローレンツ変換の数式による導出 [#jae2c0f2]
次に、ローレンツ変換を計算のみにより求めよう。ローレンツ...
+ 古い座標系での光円錐( &mimetex((x-x_0)^2+(y-y_0)^2+(z-z...
+ この座標変換において特別な点はない(一様性)。
+ この座標変換において特別な方向はない(等方性)。
#ref(lcone.png)
1.が主張しているのは、光速度不変の原理を満足せよ、という...
#ref(xxd.png)
2.が主張しているのは、この変換が一様であれ、ということで...
たとえば&mimetex(x'= ax^2);のような変換をしたとすると、x=...
3.が主張しているのは、たとえばこういうことである。x 軸の...
また、x座標方向へ移動する座標変換と、y方向へ移動する座標...
つまり、ある方向へ移動する座標系だけが特別扱いされるよう...
以下で、これらの要請だけからガリレイ変換に替わる新しい座...
x'系の空間的原点x'=y'=z'=0が、x座標系で見ると速度vでx軸方...
#mimetex( x'=A(x-\beta ct))
という形でなくてはならないことがわかる。y方向、z方向には...
#mimetex( y'=By,~~~z'=Bz)
となるべきだろう。ここで、簡単のためにy軸やz軸の方向も変...
しかし、要請3.から、Bは1でなくてはならないことがわかる。B...
時間座標に関しては、
#mimetex( ct'= C(ct-D x))
と置ける。ここにy,zが入らないのは、この変換はyやzの正の方...
以上の座標変換に対して、要請1.すなわち「&mimetex(x^2+y^2+...
#mimetex( \begin{array}{rl} (x')^2+(y')^2+(z')^2-(ct')^2=...
ここで、条件&mimetex(x^2+y^2+z^2-c^2t^2=0);であることを思...
x,y,zは各々独立に動かせるから、各々の係数は零でないと困る。
まず、xctまたは&mimetex(x\sqrt{x^2+y^2+z^2});の係数に着目...
#mimetex( \begin{array}{rl}0=&(A^2-{A^4 \beta ^2\over C^2...
ここで&mimetex(x^2);の係数は0にならなくてはいけないが、
#mimetex( \begin{array}{rl}A^2-{A^4 \beta^2 C^2}+A^2{\bet...
となるから、&mimetex(A^2=C^2);か、&mimetex({A^2 \beta^2 \...
#mimetex(1 +C^2{\beta^2} - C^2)
となるので、
#mimetex( 1 = C^2\left(1-\beta^2\right))
という式が成立する。Cは正の数であると考えられる((C<0だと...
#mimetex( x'= {1\over\sqrt{1-\beta^2}}(x-\beta ct), y'= y...
とまとめられる。当然ながら、図から求めたものと一致する。...
なお、ここまでの計算では簡単のために運動方向をx方向に限っ...
&color(Red){今日の授業は上の計算の途中で終わったので、来...
*学生の感想・コメントから [#d4e15c92]
&color(Green){ローレンツ変換に入るまでが長かったです。};
&color(Red){確かに長いですね。電磁気やガリレイ変換などの...
&color(Green){昔の人は何を求めてこういったことを考えるよ...
&color(Red){目の前にマックスウェル方程式という式があって...
&color(Green){ガリレイ変換とローレンツ変換の関係がわかっ...
&color(Red){はい。ガリレイ変換も、今後は近似式として使え...
&color(Green){x'座標系が非慣性系の時でもガリレイ変換は成...
&color(Red){だめです。ガリレイ変換もローレンツ変換も、慣...
&color(Green){&mimetex(\beta={v\over c},\gamma={1\over\sq...
&color(Red){そういえばないですね。。。。なぜだろう???};
&color(Green){電車の両端から光が出るということと、真ん中...
&color(Red){「真ん中で人が同時に観測する」というのは、場...
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*第5章 光速度不変の数式的理解---ローレンツ変換 [#z0d6ff06]
**5.1 x-ctグラフで見るローレンツ変換 [#bbff36c1]
前章の電車の問題で、同時刻線が傾くということを確認した。...
CENTER:#ref(lorentzgraph.png,,60%)
&color(Red){↑クリックするとフルサイズで見れます};
&color(Red){このグラフを書いて電車の動きを見せる[[アプレ...
図の(x,t)座標系は電車が速度vで動いているように見える座標...
電車の先端と後端から光が出てPに到達したわけだが、先端から...
ct'軸状ではx-vt=0が成立するのだから、
#mimetex( x-{v\over c}(ct)=0 \leftrightarrow ct -{v\over ...
という対称変換をほどこすことで、x'軸の上では&mimetex(ct -...
#ref(hanten.png)
対称変換がわかりにくい人は、こう考えよう。(x,ct)座標系で...
&mimetex( ct={c\over v}x); 書き直せば &mimetex(x={v...
なのである。
一方、x'軸とx軸の傾きは、ct'軸とct軸の傾きと同じ角度であ...
#mimetex(ct={v\over c}x )
となる。
x'=0が&mimetex(x-{v\over c}ct=0);に対応し、ct'=0が&mimete...
ということから、
#mimetex(x'= A\left(x-{v\over c} ct\right))
RIGHT:(x'の式1) &aname(xddd);
#mimetex(ct'=B\left(ct-{v\over c}x\right))
RIGHT:(ct'の式1) &aname(ctddd);
となることがわかる。
さらに、どちらの座標系でも光速がcであるということからA=B...
#mimetex(\begin{array}{rcl} A\left(ct-{v\over c} ct\right...
となる。つまり、A=Bでなくてはならない。ここまでの結果は、
#mimetex(x'= A\left(x-{v\over c} ct\right))
RIGHT:(x'の式2)
&aname(lorentzA);
#mimetex(ct'= A\left(ct-{v\over c}x\right))
RIGHT:(ct'の式2)
&aname(lorentzB);
である。相対論以前の`''常識'''に従えば、A=1と言いたいとこ...
''ローレンツ短縮から''
(x,t)座標系で測定した長さが、(x',t')系で測定したものの&mi...
たとえば、x'=0の線(電車の後端)とx'=Lの線(電車の先端)...
&mimetex(A(x-vt)=L); すなわち、 &mimetex(x={L\over A}+v...
である。(x,t)座標系で電車の長さを測ると、
#math( (先端の位置)-(後端の位置)={L\over A}+vt -vt = {L\o...
である。電車がローレンツ短縮すべきだと考えると、&mimetex(...
#mimetex( A={1\over\sqrt{1-{v^2/c^2}}})
となるのであった。
''ウラシマ効果から''
(x,t)座標系で測定した時間が、(x',t')系で測定したものの&mi...
たとえば、t'=0という時刻と、t'=Tという時刻を考える。(x',t...
&mimetex( A\left(t-{v\over c^2}x\right)=T); すなわち、 ...
&color(Red){上の式で分子にvが抜けてました。↑のように訂正...
である。よって(x,t)座標系での時間差は
#mimetex({T\over A}+{v\over c^2}x -{v\over c^2}x = {T\ove...
である。ウラシマ効果を考えると&mimetex({T\over A}=\sqrt{1...
#mimetex( A={1\over\sqrt{1-{v^2\over c^2}}})
となるのであった。
''速度-vの変換が逆変換となること''
もう一つの方法は、「速度vのローレンツ変換をした後、速度-v...
すると、逆変換は(&mimetex(v\to -v);と置き換えて)
#mimetex(x=A\left(x'+{v\over c}ct'\right),~~~ct=A\left(ct...
ということなので、これに変換式を代入すると、
#mimetex( x=A\left(A(x-vt)+{v\over c}A\left(ct-{v\over c}...
となって(ctに関する式も同様)、&mimetex(A={1\over\sqrt{1...
以上から、ローレンツ変換とは、
#mimetex( x'={1\over\sqrt{1-{v^2/c^2}}}(x-vt),~~~ t'={1\o...
という座標変換であることがわかる。なお、よく出てくる因子&...
#mimetex( x'=\gamma(x-\beta ct),~~~ ct'=\gamma(ct-\beta x))
という形にまとまる。
&color(Red){この変換はいっけんガリレイ変換と大きく違うよ...
**5.2 ローレンツ変換の数式による導出 [#jae2c0f2]
次に、ローレンツ変換を計算のみにより求めよう。ローレンツ...
+ 古い座標系での光円錐( &mimetex((x-x_0)^2+(y-y_0)^2+(z-z...
+ この座標変換において特別な点はない(一様性)。
+ この座標変換において特別な方向はない(等方性)。
#ref(lcone.png)
1.が主張しているのは、光速度不変の原理を満足せよ、という...
#ref(xxd.png)
2.が主張しているのは、この変換が一様であれ、ということで...
たとえば&mimetex(x'= ax^2);のような変換をしたとすると、x=...
3.が主張しているのは、たとえばこういうことである。x 軸の...
また、x座標方向へ移動する座標変換と、y方向へ移動する座標...
つまり、ある方向へ移動する座標系だけが特別扱いされるよう...
以下で、これらの要請だけからガリレイ変換に替わる新しい座...
x'系の空間的原点x'=y'=z'=0が、x座標系で見ると速度vでx軸方...
#mimetex( x'=A(x-\beta ct))
という形でなくてはならないことがわかる。y方向、z方向には...
#mimetex( y'=By,~~~z'=Bz)
となるべきだろう。ここで、簡単のためにy軸やz軸の方向も変...
しかし、要請3.から、Bは1でなくてはならないことがわかる。B...
時間座標に関しては、
#mimetex( ct'= C(ct-D x))
と置ける。ここにy,zが入らないのは、この変換はyやzの正の方...
以上の座標変換に対して、要請1.すなわち「&mimetex(x^2+y^2+...
#mimetex( \begin{array}{rl} (x')^2+(y')^2+(z')^2-(ct')^2=...
ここで、条件&mimetex(x^2+y^2+z^2-c^2t^2=0);であることを思...
x,y,zは各々独立に動かせるから、各々の係数は零でないと困る。
まず、xctまたは&mimetex(x\sqrt{x^2+y^2+z^2});の係数に着目...
#mimetex( \begin{array}{rl}0=&(A^2-{A^4 \beta ^2\over C^2...
ここで&mimetex(x^2);の係数は0にならなくてはいけないが、
#mimetex( \begin{array}{rl}A^2-{A^4 \beta^2 C^2}+A^2{\bet...
となるから、&mimetex(A^2=C^2);か、&mimetex({A^2 \beta^2 \...
#mimetex(1 +C^2{\beta^2} - C^2)
となるので、
#mimetex( 1 = C^2\left(1-\beta^2\right))
という式が成立する。Cは正の数であると考えられる((C<0だと...
#mimetex( x'= {1\over\sqrt{1-\beta^2}}(x-\beta ct), y'= y...
とまとめられる。当然ながら、図から求めたものと一致する。...
なお、ここまでの計算では簡単のために運動方向をx方向に限っ...
&color(Red){今日の授業は上の計算の途中で終わったので、来...
*学生の感想・コメントから [#d4e15c92]
&color(Green){ローレンツ変換に入るまでが長かったです。};
&color(Red){確かに長いですね。電磁気やガリレイ変換などの...
&color(Green){昔の人は何を求めてこういったことを考えるよ...
&color(Red){目の前にマックスウェル方程式という式があって...
&color(Green){ガリレイ変換とローレンツ変換の関係がわかっ...
&color(Red){はい。ガリレイ変換も、今後は近似式として使え...
&color(Green){x'座標系が非慣性系の時でもガリレイ変換は成...
&color(Red){だめです。ガリレイ変換もローレンツ変換も、慣...
&color(Green){&mimetex(\beta={v\over c},\gamma={1\over\sq...
&color(Red){そういえばないですね。。。。なぜだろう???};
&color(Green){電車の両端から光が出るということと、真ん中...
&color(Red){「真ん中で人が同時に観測する」というのは、場...
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