相対論2007年度第8回
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CENTER:←[[第7回>相対論2007年度第7回]] [[目次に戻る>相...
#hr
#contents
#br
&color(Red){今日はまず前回の復習の後、順番を変えて5.5節か...
**5.5 (新しい意味の)ローレンツ短縮 [#aff0975e]
#ref(tanshuku.png)
ローレンツがad hocに導いたローレンツ短縮と似た現象が、こ...
#mimetex(\begin{array}{rcl}(x_1,ct_1)=(0,ct)&\leftrightar...
となる。
#ref(tanshuku2.png)
ここでx'座標系で棒の長さを測るとしよう。「x'座標系での棒...
#mimetex( (x_2,t_2)=(L,t+{\beta\over c}L)\leftrightarrow ...
とすれば、&mimetex(t'_1=t'_2);になる。この時の&mimetex(x'...
#mimetex( x'_2 - x'_1 = \gamma(L-\beta^2L)=L{1-\beta^2 \o...
となり、x系での長さLに比べ、&mimetex(\sqrt{1-\beta^2});倍...
この式は形としてはローレンツがマイケルソン・モーレーの実...
何よりここで導かれた短縮は光速度不変の原理と特殊相対性原...
&color(Red){ここで5.3節に戻った。};
**5.3 行列およびテンソル式で書くローレンツ変換 [#ie9f5d9e]
ここまでで求めた座標変換は、行列で表現すると
#mimetex( \left(\begin{array}{c}ct'\\x'\\y'\\z' \end{arra...
&aname(lorentzxx);
である。例によって、&mimetex(\beta={v\over c},\gamma={1\o...
これを、
#mimetex( \left(\begin{array}{cccc} \alpha^0_{~0}&\...
(ローレンツ変換の行列)&aname(lorentzx);
とおいて、座標変換を
#mimetex( \left(\begin{array}{c} ct'\\x'\\y'\\z' \e...
と書こう。&mimetex(\alpha^\mu_{~\nu});(&mimetex(\mu,\nu);...
上の式を短く書くならば、
#mimetex( (x')^\mu=\alpha^\mu_{~\nu}x^\nu)
である(アインシュタインの規約を使って、右辺に書くべき&mi...
なぜ「ダミー」などと、一人前の添字扱いしてもらえないかと...
要請1.の条件は
&mimetex( \eta_{\mu\nu}x^\mu x^\nu=0);の時、&mimetex(eta_...
&aname(kouensuijoken);
と書くことができる。ただし、
#mimetex( \eta_{\mu\nu}=\left(\begin{array}{cccc} -1&0 &...
である。
ここで具体的な例について&mimetex(\eta_{\mu'\nu'}\alpha^{\...
#mimetex( \left(\begin{array}{cc} A^1_{~1}& A^1_{~2} \\ ...
で表されることと、掛け算の結果を行列&mimetex(\left(\begin...
#ref(matrixm.png)
のように書けることを使う。つまり「前の行列の後ろの添字(...
#ref(matrixa.png)
ここで、&mimetex(\eta_{\mu'\nu'}\alpha^{\mu'}_{~\mu}\alph...
#mimetex(\begin{array}{rl}&\left(\begin{array}{cccc} \ga...
となる。つまりこの場合、&mimetex(\eta_{\mu\nu}x^\mu x^\nu...
#mimetex( \eta_{\mu\nu}= \eta_{\mu'\nu'}\alpha^{\mu'}_{~\...
(ηααの式)&aname(lorentzalphaalpha);
が成立していることがわかる。なお、x,y面内における回転を表...
#mimetex( \left(\begin{array}{cccc} 1&0 &0 &0 \\ 0&\cos\...
であるが、これを&mimetex(\alpha^\mu_{~\nu});としても([[ηα...
#mimetex( \left(\begin{array}{cccc} 1&0 &0 &0 \\ 0&\cos\...
である(最初の行列は&mimetex(\alpha^T);なので転置されてい...
他の一般の軸に関する回転や反転に関しても同様である。
([[ηααの式>#lorentzalphaalpha]])が成立する&mimetex(\alpha...
この性質からローレンツ変換を複数個組み合わせた変換もやは...
#mimetex( \eta_{\mu\nu}\alpha^\mu_{~\rho}(\alpha')^\rho_{...
となることで証明できる。
&color(Red){どうも計算の話が続くと急速に聞く気を失う人が...
----
&color(Red){5.4節は授業ではやりませんでした。読んでおいて...
**5.4 一般的方向へのローレンツ変換 [#u1e25364]
ここで、x座標系から見るとx'座標系の原点が3次元速度&mimet...
+ 3次元速度&mimetex(\left(v_x,v_y,v_z\right));が&mimetex...
+ X座標から見て、原点が速さvでx方向へ移動しているような座...
+ X'から、3次元速度&mimetex(\left(v,0,0\right));が&mimet...
という3つの変換の積で考えることができる。
この変換の一つの求め方は、行列を使うことである。X座標系で...
#mimetex( \left(\begin{array}{cccc} -1&0 &0 &0 \\ 0&(\ve...
と表せる。
逆回転を表す行列は
#mimetex( \left(\begin{array}{cccc} -1&0 &0 &0 \\ 0&(\ve...
である。これらの行列の積を作って、ローレンツ変換を求める...
以下ではもう少し楽な方法で考えることにする。
&mimetex(X=\vec e_X\cdot \vec x,Y=\vec e_Y\cdot\vec x,Z=\...
#mimetex( X'=\gamma(X-\beta ct),~~cT'=\gamma(cT-\beta X),...
である。よって&mimetex(x\to x');の座標変換は
#mimetex( \vec e_X\cdot \vec x'=\gamma\left(\vec e_X\cdot...
を満たすようなものになる。&mimetex(\vec x');は、x成分、y...
#mimetex( \vec x'=\gamma\left(\vec e_X\cdot \vec x-\beta ...
となる。ここで、
#mimetex( \vec x=\left(\vec e_X\cdot \vec x\right)\vec e_...
という当たり前の式(この式は、ベクトルをX成分、Y成分、Z成...
#mimetex( \vec x'=\gamma\left(\vec e_X\cdot \vec x-\beta ...
と書ける。&mimetex(\vec e_X);は速度の方向を向いた単位ベク...
#mimetex( \vec x'=\left({\gamma-1\over \beta^2}\vec \beta...
となる。
***章末演習問題 [#k91d1b96]
''[演習問題5-1]'' ミュー粒子と呼ばれる粒子は、&mimetex(2\...
ミュー粒子の速度はいくら以上でなくてはいけないか、概算せ...
これをミュー粒子の立場に立って(つまり、ミュー粒子と一緒...
''[演習問題5-2]''
#ref(surechigai.png)
二台の電車AとBのすれちがいをある人(観測者O)が見ている。
#ref(surechigaiG.png)
Oから見ると、AとBはx軸の正方向と負方向にそれぞれ速さvで走...
また、電車Aの中央に乗っている観測者をα、電車Bの中央に乗っ...
''[演習問題5-3]''行列を使った座標変換の練習をしよう。
#ref(translation.png)
我々は、x方向に速度vで動いている場合のローレンツ変換の行列
#mimetex(\left(\begin{array}{c} ct'\\x'\\y'\\z' \end...
を知っている。また、z軸周りに角度θだけ座標軸を傾ける座標...
#mimetex(\left(\begin{array}{c} ct''\\x''\\y''\\z'' ...
も知っている。
この二つをうまく組み合わせて、「x軸からy軸方向に角度θだけ...
#ref(translation2.png)
ヒント:まず、右の図のvの方向が&mimtex(x'');軸になるよう...
&color(Red){演習問題5-2を課題とします。6月26日までに、...
*学生の感想・コメントから [#i256a478]
&color(Green){行列の順番って変えてはいけないんじゃなかっ...
&color(Red){はい。変えてはいけません。行列の形にした時は...
&color(Green){第7回の([[x'の仮定式>相対論2007年度第7回#...
&color(Red){その直前をよく読みましょう。「このことから、x...
&color(Green){ローレンツ短縮で、動いている人は物が短くな...
&color(Red){わかりません。そもそも「動いている人」と言っ...
&color(Green){ローレンツ短縮で物体の長さが変わるのは違う...
&color(Red){そんなことをすればそうなりますが、それは物理...
&color(Green){行列やテンソルはほんとに便利ですね。};
&color(Red){わかってくれましたか。長い計算を楽にするため...
&color(Green){テンソルって何ですか?};
&color(Red){正確な定義は実は後でやりますが、&mimetex(\alp...
&color(Green){行列を使うと計算しやすいものって、他にあり...
&color(Red){後あなたたちがお世話になるもので言うと、量子...
&color(Green){計算が難しかった(複数)};
&color(Red){という人がけっこういるんだけど、計算自体は中...
&color(Green){x系での長さに比べて棒の長さが縮むという話、...
&color(Red){あの図を見てもなかなかわかりません。わかるよ...
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&color(Red){今日はまず前回の復習の後、順番を変えて5.5節か...
**5.5 (新しい意味の)ローレンツ短縮 [#aff0975e]
#ref(tanshuku.png)
ローレンツがad hocに導いたローレンツ短縮と似た現象が、こ...
#mimetex(\begin{array}{rcl}(x_1,ct_1)=(0,ct)&\leftrightar...
となる。
#ref(tanshuku2.png)
ここでx'座標系で棒の長さを測るとしよう。「x'座標系での棒...
#mimetex( (x_2,t_2)=(L,t+{\beta\over c}L)\leftrightarrow ...
とすれば、&mimetex(t'_1=t'_2);になる。この時の&mimetex(x'...
#mimetex( x'_2 - x'_1 = \gamma(L-\beta^2L)=L{1-\beta^2 \o...
となり、x系での長さLに比べ、&mimetex(\sqrt{1-\beta^2});倍...
この式は形としてはローレンツがマイケルソン・モーレーの実...
何よりここで導かれた短縮は光速度不変の原理と特殊相対性原...
&color(Red){ここで5.3節に戻った。};
**5.3 行列およびテンソル式で書くローレンツ変換 [#ie9f5d9e]
ここまでで求めた座標変換は、行列で表現すると
#mimetex( \left(\begin{array}{c}ct'\\x'\\y'\\z' \end{arra...
&aname(lorentzxx);
である。例によって、&mimetex(\beta={v\over c},\gamma={1\o...
これを、
#mimetex( \left(\begin{array}{cccc} \alpha^0_{~0}&\...
(ローレンツ変換の行列)&aname(lorentzx);
とおいて、座標変換を
#mimetex( \left(\begin{array}{c} ct'\\x'\\y'\\z' \e...
と書こう。&mimetex(\alpha^\mu_{~\nu});(&mimetex(\mu,\nu);...
上の式を短く書くならば、
#mimetex( (x')^\mu=\alpha^\mu_{~\nu}x^\nu)
である(アインシュタインの規約を使って、右辺に書くべき&mi...
なぜ「ダミー」などと、一人前の添字扱いしてもらえないかと...
要請1.の条件は
&mimetex( \eta_{\mu\nu}x^\mu x^\nu=0);の時、&mimetex(eta_...
&aname(kouensuijoken);
と書くことができる。ただし、
#mimetex( \eta_{\mu\nu}=\left(\begin{array}{cccc} -1&0 &...
である。
ここで具体的な例について&mimetex(\eta_{\mu'\nu'}\alpha^{\...
#mimetex( \left(\begin{array}{cc} A^1_{~1}& A^1_{~2} \\ ...
で表されることと、掛け算の結果を行列&mimetex(\left(\begin...
#ref(matrixm.png)
のように書けることを使う。つまり「前の行列の後ろの添字(...
#ref(matrixa.png)
ここで、&mimetex(\eta_{\mu'\nu'}\alpha^{\mu'}_{~\mu}\alph...
#mimetex(\begin{array}{rl}&\left(\begin{array}{cccc} \ga...
となる。つまりこの場合、&mimetex(\eta_{\mu\nu}x^\mu x^\nu...
#mimetex( \eta_{\mu\nu}= \eta_{\mu'\nu'}\alpha^{\mu'}_{~\...
(ηααの式)&aname(lorentzalphaalpha);
が成立していることがわかる。なお、x,y面内における回転を表...
#mimetex( \left(\begin{array}{cccc} 1&0 &0 &0 \\ 0&\cos\...
であるが、これを&mimetex(\alpha^\mu_{~\nu});としても([[ηα...
#mimetex( \left(\begin{array}{cccc} 1&0 &0 &0 \\ 0&\cos\...
である(最初の行列は&mimetex(\alpha^T);なので転置されてい...
他の一般の軸に関する回転や反転に関しても同様である。
([[ηααの式>#lorentzalphaalpha]])が成立する&mimetex(\alpha...
この性質からローレンツ変換を複数個組み合わせた変換もやは...
#mimetex( \eta_{\mu\nu}\alpha^\mu_{~\rho}(\alpha')^\rho_{...
となることで証明できる。
&color(Red){どうも計算の話が続くと急速に聞く気を失う人が...
----
&color(Red){5.4節は授業ではやりませんでした。読んでおいて...
**5.4 一般的方向へのローレンツ変換 [#u1e25364]
ここで、x座標系から見るとx'座標系の原点が3次元速度&mimet...
+ 3次元速度&mimetex(\left(v_x,v_y,v_z\right));が&mimetex...
+ X座標から見て、原点が速さvでx方向へ移動しているような座...
+ X'から、3次元速度&mimetex(\left(v,0,0\right));が&mimet...
という3つの変換の積で考えることができる。
この変換の一つの求め方は、行列を使うことである。X座標系で...
#mimetex( \left(\begin{array}{cccc} -1&0 &0 &0 \\ 0&(\ve...
と表せる。
逆回転を表す行列は
#mimetex( \left(\begin{array}{cccc} -1&0 &0 &0 \\ 0&(\ve...
である。これらの行列の積を作って、ローレンツ変換を求める...
以下ではもう少し楽な方法で考えることにする。
&mimetex(X=\vec e_X\cdot \vec x,Y=\vec e_Y\cdot\vec x,Z=\...
#mimetex( X'=\gamma(X-\beta ct),~~cT'=\gamma(cT-\beta X),...
である。よって&mimetex(x\to x');の座標変換は
#mimetex( \vec e_X\cdot \vec x'=\gamma\left(\vec e_X\cdot...
を満たすようなものになる。&mimetex(\vec x');は、x成分、y...
#mimetex( \vec x'=\gamma\left(\vec e_X\cdot \vec x-\beta ...
となる。ここで、
#mimetex( \vec x=\left(\vec e_X\cdot \vec x\right)\vec e_...
という当たり前の式(この式は、ベクトルをX成分、Y成分、Z成...
#mimetex( \vec x'=\gamma\left(\vec e_X\cdot \vec x-\beta ...
と書ける。&mimetex(\vec e_X);は速度の方向を向いた単位ベク...
#mimetex( \vec x'=\left({\gamma-1\over \beta^2}\vec \beta...
となる。
***章末演習問題 [#k91d1b96]
''[演習問題5-1]'' ミュー粒子と呼ばれる粒子は、&mimetex(2\...
ミュー粒子の速度はいくら以上でなくてはいけないか、概算せ...
これをミュー粒子の立場に立って(つまり、ミュー粒子と一緒...
''[演習問題5-2]''
#ref(surechigai.png)
二台の電車AとBのすれちがいをある人(観測者O)が見ている。
#ref(surechigaiG.png)
Oから見ると、AとBはx軸の正方向と負方向にそれぞれ速さvで走...
また、電車Aの中央に乗っている観測者をα、電車Bの中央に乗っ...
''[演習問題5-3]''行列を使った座標変換の練習をしよう。
#ref(translation.png)
我々は、x方向に速度vで動いている場合のローレンツ変換の行列
#mimetex(\left(\begin{array}{c} ct'\\x'\\y'\\z' \end...
を知っている。また、z軸周りに角度θだけ座標軸を傾ける座標...
#mimetex(\left(\begin{array}{c} ct''\\x''\\y''\\z'' ...
も知っている。
この二つをうまく組み合わせて、「x軸からy軸方向に角度θだけ...
#ref(translation2.png)
ヒント:まず、右の図のvの方向が&mimtex(x'');軸になるよう...
&color(Red){演習問題5-2を課題とします。6月26日までに、...
*学生の感想・コメントから [#i256a478]
&color(Green){行列の順番って変えてはいけないんじゃなかっ...
&color(Red){はい。変えてはいけません。行列の形にした時は...
&color(Green){第7回の([[x'の仮定式>相対論2007年度第7回#...
&color(Red){その直前をよく読みましょう。「このことから、x...
&color(Green){ローレンツ短縮で、動いている人は物が短くな...
&color(Red){わかりません。そもそも「動いている人」と言っ...
&color(Green){ローレンツ短縮で物体の長さが変わるのは違う...
&color(Red){そんなことをすればそうなりますが、それは物理...
&color(Green){行列やテンソルはほんとに便利ですね。};
&color(Red){わかってくれましたか。長い計算を楽にするため...
&color(Green){テンソルって何ですか?};
&color(Red){正確な定義は実は後でやりますが、&mimetex(\alp...
&color(Green){行列を使うと計算しやすいものって、他にあり...
&color(Red){後あなたたちがお世話になるもので言うと、量子...
&color(Green){計算が難しかった(複数)};
&color(Red){という人がけっこういるんだけど、計算自体は中...
&color(Green){x系での長さに比べて棒の長さが縮むという話、...
&color(Red){あの図を見てもなかなかわかりません。わかるよ...
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