電磁気学2007年度第7回
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#mathjax
#hr
CENTER:←[[第6回へ>電磁気学2007年度第6回]] [[目次に戻る>...
#hr
#contents
&color(Red){前回のdivの説明がいまいちわかりにくかった様子...
* ''追加プリント:divの意味と応用'' [#nb3f5125]
**1 divの意味:水流で考えて [#a8d5b22e]
#ref(div2D.png)
前回の授業とは少し違う形で、divという記号の意味を説明して...
実際の川でもそうであるように、水の流れる速度が場所によっ...
$\Delta t$は非常に小さい時間だと考えているので、ほとんど...
まず天井から抜け出る水の量を考えよう。
#ref(div2D1.png)
右の図の平行四辺形((実はこれは厳密には平行四辺形ではなく...
$$\int_x^{x+\Delta x}\rho V_y(X,y+\Delta y)\Delta t dX\si...
である。ここで、x座標を積分の中ではXを使って書いて、$(x,x...
#ref(div2D2.png)
同様に、底から抜ける水の量を考える。この図の場合、底($(x...
$$-\rho \int_x^{x+\Delta x}V_y(X,y)\Delta t dX\simeq -\rh...
である。どちらも、平行四辺形の面積の計算においては$V_y$の...
#ref(div2D3.png)
次に、左右の辺から出入りする水の量を考えよう。こちらの場...
図の右の辺から出る水の量は、底辺$\Delta y$、高さ$V_x(x+\D...
$$\int_y^{y+\Delta y}\rho V_x(x+\Delta x,Y)\Delta t dY\si...
である。
#ref(div2D4.png)
最後に左の辺で考えると、''入ってくる''水の量ならば、これ...
$$\int_y^{y+\Delta y}\rho V_x(x,Y)\Delta t dY\simeq \rho ...
である(これで正の量となっている)。
しかし、今計算したい、''出て行く''水の量は
$$-\rho V_x(x,y)\Delta t \Delta y $$
と逆符号になる。入っていく量ではなく出て行く量として統一...
以上で、仮想的な長方形の4つの辺から出て行く水の量を表す...
4つを全部足すと、
$$\begin{array}{rl}& \rho \left( V_x(x+\Delta x,y)-V_x(x,...
となる。これを$\Delta x\Delta y\Delta t$で割ったもの、つ...
途中で小さいからと無視したものは全て、たとえ残しておいた...
この考え方では${\rm div}\vec V$は場所によって違う速度$\ve...
もし、実際の水がそうであるように流れていくうちに体積が増...
なお、湧き出しも吸い込みもないのに${\rm div}\vec V\neq 0$...
$$ {\rm div}\left(\rho \vec V\right) = -{\partial \rho\ov...
が成立する。ρが変化する量になったので、ρは微分の内側に入...
この式の左辺は「単位体積から出て行った水の質量」というこ...
**2 ${\rm div}\vec V$の簡単な例 [#jac5835c]
***2.1 $\vec V=(V_0+ax)\vec e_x- ay \vec e_y$の場合 [#x8f...
この流れの場合、x=0(y軸上)では$V_x=V_0$である。x方向に離...
#ref(Vxx.png,,70%)
前節で考えた仮想的長方形の横幅はどんどん伸びていく(縦幅は...
#ref(Vxx1.png,,70%)
流れにy成分があると、どんどん速くなりつつも、${\rm div \v...
この場合のdivは
$$ {\partial V_x\over \partial x}+ {\partial V_y\over \pa...
となってちゃんと0になる。
***2.2 $\vec V={1\over r}\vec e_r={1\over x^2+y^2}\left(x...
#ref(er.png)
これは2次元で点電荷の作る電場の式であると思ってよい。3...
$x\vec e_x + y\vec e_y$というベクトルは、ベクトル$r\vec e...
ゆえに、上の書き方はどちらでも同じである。このベクトルは...
このベクトル場のdivをとってみると、
$$ {\partial V_x\over \partial x}+ {\partial V_y\over \pa...
となって確かに0である。
#ref(1overr.png)
これが電場だとして電気力線の様子を図示したのが右の図であ...
この電場に対してdivが0になることは、右図のABCDのような図...
ただし、原点をかこむような曲線で考えた時だけは、電気力線...
ここでは2次元で考えたので、${1\over r}$であったが、3次...
**3 ${\rm div}\vec E={\rho \over \varepsilon_0}$の簡単な...
#ref(heibanD.png)
厚さ2dで無限に広い板に、体積電荷密度ρの電荷がたまっている...
この場合、対称性から電場はx,yにはよらないだろうし、$E_x,E...
板の外は真空であるから${\rm div}\vec E=0$であるから、${\p...
板の内側では${d\over dz}E_z={\rho\over \varepsilon_0}$で...
$$ E_z = {\rho\over \varepsilon_0}z +C$$
が解となる。図が上下対称であることを考えると、z=0で$E_z=0...
$${\rho\over \varepsilon_0}d (d\le z) $$
$${\rho\over \varepsilon_0}z (-d< z< d) $$
$$-{\rho\over \varepsilon_0}d (z\le -d)$$
という答えが出る。
&color(Red){この後は先週の講義録のガウスの発散定理などの...
*学生の感想・コメントから [#l053cb0a]
&color(Green){結局のところ、divを使うことでわかりやすいこ...
&color(Red){これから、たっぷりと出てきますとも。};
&color(Green){わかったつもりですがわかってないかもしれな...
&color(Red){いつでもどうぞ。質問歓迎。};
&color(Green){divとは「怪しげな洋館に5人入っていったのに...
&color(Red){divが負の場合は、そうですね(^_^;)。};
&color(Green){$\int_x^{x+\Delta x}\rho V_y(X,y+\Delta y)\...
&color(Red){その時に質問しなきゃ。積分というのは「グラフ...
&color(Green){+電荷があるとdiv E>0、−電荷があるとdiv E<0...
&color(Red){はい、その通りです。};
&color(Green){水流をイメージしての説明で、少しずつdivがわ...
&color(Red){今後もどんどん使う予定なので、使っていくなか...
&color(Green){divという概念は、それがないと解決できない事...
&color(Red){うーん、その辺の歴史は私も知りませんが、元々...
&color(Green){$\int_{\partial V}\vec E\cdot d\vec S$と$\i...
&color(Red){どっちで計算しても答は一緒なので、計算してみ...
&color(Green){積分の下の$\partial V$は、「表面積が増えた...
&color(Red){うーん、ちょっと違うな。微分の記号を使ってい...
&color(Green){ガウスの発散定理は電場以外でも使えるという...
&color(Red){流体に関係する話でもよく出てきますよ。気体だ...
&color(Green){$\vec E={q\over4\pi\varepsilon_0 r^2}\vec e...
&color(Red){その場合、原点(電荷のいる場所)で${\rm div}\...
&color(Green){今日の説明は2次元だったので先週よりわかり...
&color(Red){やっぱり先週も2次元からやればよかったですね...
&color(Green){divが正の値になることがわかった。};
&color(Red){えーと、状況によっては負の値にもなりますよ。};
&color(Green){divが負の時は吸い込まれているイメージでいい...
&color(Red){はい、そういうことです。};
&color(Green){$\int_{\partial V}$と$\int_S$は同じ意味です...
&color(Red){$\int_{\partial V}$と書いた時は、ある体積Vの...
&color(Green){divというのは全方向の変化量を足したもの、と...
&color(Red){正確には、ベクトルとして方向を考えつつ変化量...
&color(Green){危ないですとても。私は先生の授業を聞いてわ...
&color(Red){こわくないですよぉ。不安なら、演習書を買って...
&color(Green){線型代数でもdivという記号が出てきて次元のこ...
&color(Red){線型代数で出てくる次元の記号は、dimだと思いま...
&color(Green){電場が時間変化する時でも、${\rm div}\vec E=...
&color(Red){します。時間変化する場合については後期の電磁...
&color(Green){${\rm div}\vec V$はベクトルじゃないんですね...
&color(Red){はい。こいつはスカラーです。};
&color(Green){$\rho V_y(x,y+\Delta y)\Delta t dX$と$\rho ...
&color(Red){まとめてませんよ。$V_y(x,y+\Delta y)-V_y(x,y)...
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&color(Red){前回のdivの説明がいまいちわかりにくかった様子...
* ''追加プリント:divの意味と応用'' [#nb3f5125]
**1 divの意味:水流で考えて [#a8d5b22e]
#ref(div2D.png)
前回の授業とは少し違う形で、divという記号の意味を説明して...
実際の川でもそうであるように、水の流れる速度が場所によっ...
$\Delta t$は非常に小さい時間だと考えているので、ほとんど...
まず天井から抜け出る水の量を考えよう。
#ref(div2D1.png)
右の図の平行四辺形((実はこれは厳密には平行四辺形ではなく...
$$\int_x^{x+\Delta x}\rho V_y(X,y+\Delta y)\Delta t dX\si...
である。ここで、x座標を積分の中ではXを使って書いて、$(x,x...
#ref(div2D2.png)
同様に、底から抜ける水の量を考える。この図の場合、底($(x...
$$-\rho \int_x^{x+\Delta x}V_y(X,y)\Delta t dX\simeq -\rh...
である。どちらも、平行四辺形の面積の計算においては$V_y$の...
#ref(div2D3.png)
次に、左右の辺から出入りする水の量を考えよう。こちらの場...
図の右の辺から出る水の量は、底辺$\Delta y$、高さ$V_x(x+\D...
$$\int_y^{y+\Delta y}\rho V_x(x+\Delta x,Y)\Delta t dY\si...
である。
#ref(div2D4.png)
最後に左の辺で考えると、''入ってくる''水の量ならば、これ...
$$\int_y^{y+\Delta y}\rho V_x(x,Y)\Delta t dY\simeq \rho ...
である(これで正の量となっている)。
しかし、今計算したい、''出て行く''水の量は
$$-\rho V_x(x,y)\Delta t \Delta y $$
と逆符号になる。入っていく量ではなく出て行く量として統一...
以上で、仮想的な長方形の4つの辺から出て行く水の量を表す...
4つを全部足すと、
$$\begin{array}{rl}& \rho \left( V_x(x+\Delta x,y)-V_x(x,...
となる。これを$\Delta x\Delta y\Delta t$で割ったもの、つ...
途中で小さいからと無視したものは全て、たとえ残しておいた...
この考え方では${\rm div}\vec V$は場所によって違う速度$\ve...
もし、実際の水がそうであるように流れていくうちに体積が増...
なお、湧き出しも吸い込みもないのに${\rm div}\vec V\neq 0$...
$$ {\rm div}\left(\rho \vec V\right) = -{\partial \rho\ov...
が成立する。ρが変化する量になったので、ρは微分の内側に入...
この式の左辺は「単位体積から出て行った水の質量」というこ...
**2 ${\rm div}\vec V$の簡単な例 [#jac5835c]
***2.1 $\vec V=(V_0+ax)\vec e_x- ay \vec e_y$の場合 [#x8f...
この流れの場合、x=0(y軸上)では$V_x=V_0$である。x方向に離...
#ref(Vxx.png,,70%)
前節で考えた仮想的長方形の横幅はどんどん伸びていく(縦幅は...
#ref(Vxx1.png,,70%)
流れにy成分があると、どんどん速くなりつつも、${\rm div \v...
この場合のdivは
$$ {\partial V_x\over \partial x}+ {\partial V_y\over \pa...
となってちゃんと0になる。
***2.2 $\vec V={1\over r}\vec e_r={1\over x^2+y^2}\left(x...
#ref(er.png)
これは2次元で点電荷の作る電場の式であると思ってよい。3...
$x\vec e_x + y\vec e_y$というベクトルは、ベクトル$r\vec e...
ゆえに、上の書き方はどちらでも同じである。このベクトルは...
このベクトル場のdivをとってみると、
$$ {\partial V_x\over \partial x}+ {\partial V_y\over \pa...
となって確かに0である。
#ref(1overr.png)
これが電場だとして電気力線の様子を図示したのが右の図であ...
この電場に対してdivが0になることは、右図のABCDのような図...
ただし、原点をかこむような曲線で考えた時だけは、電気力線...
ここでは2次元で考えたので、${1\over r}$であったが、3次...
**3 ${\rm div}\vec E={\rho \over \varepsilon_0}$の簡単な...
#ref(heibanD.png)
厚さ2dで無限に広い板に、体積電荷密度ρの電荷がたまっている...
この場合、対称性から電場はx,yにはよらないだろうし、$E_x,E...
板の外は真空であるから${\rm div}\vec E=0$であるから、${\p...
板の内側では${d\over dz}E_z={\rho\over \varepsilon_0}$で...
$$ E_z = {\rho\over \varepsilon_0}z +C$$
が解となる。図が上下対称であることを考えると、z=0で$E_z=0...
$${\rho\over \varepsilon_0}d (d\le z) $$
$${\rho\over \varepsilon_0}z (-d< z< d) $$
$$-{\rho\over \varepsilon_0}d (z\le -d)$$
という答えが出る。
&color(Red){この後は先週の講義録のガウスの発散定理などの...
*学生の感想・コメントから [#l053cb0a]
&color(Green){結局のところ、divを使うことでわかりやすいこ...
&color(Red){これから、たっぷりと出てきますとも。};
&color(Green){わかったつもりですがわかってないかもしれな...
&color(Red){いつでもどうぞ。質問歓迎。};
&color(Green){divとは「怪しげな洋館に5人入っていったのに...
&color(Red){divが負の場合は、そうですね(^_^;)。};
&color(Green){$\int_x^{x+\Delta x}\rho V_y(X,y+\Delta y)\...
&color(Red){その時に質問しなきゃ。積分というのは「グラフ...
&color(Green){+電荷があるとdiv E>0、−電荷があるとdiv E<0...
&color(Red){はい、その通りです。};
&color(Green){水流をイメージしての説明で、少しずつdivがわ...
&color(Red){今後もどんどん使う予定なので、使っていくなか...
&color(Green){divという概念は、それがないと解決できない事...
&color(Red){うーん、その辺の歴史は私も知りませんが、元々...
&color(Green){$\int_{\partial V}\vec E\cdot d\vec S$と$\i...
&color(Red){どっちで計算しても答は一緒なので、計算してみ...
&color(Green){積分の下の$\partial V$は、「表面積が増えた...
&color(Red){うーん、ちょっと違うな。微分の記号を使ってい...
&color(Green){ガウスの発散定理は電場以外でも使えるという...
&color(Red){流体に関係する話でもよく出てきますよ。気体だ...
&color(Green){$\vec E={q\over4\pi\varepsilon_0 r^2}\vec e...
&color(Red){その場合、原点(電荷のいる場所)で${\rm div}\...
&color(Green){今日の説明は2次元だったので先週よりわかり...
&color(Red){やっぱり先週も2次元からやればよかったですね...
&color(Green){divが正の値になることがわかった。};
&color(Red){えーと、状況によっては負の値にもなりますよ。};
&color(Green){divが負の時は吸い込まれているイメージでいい...
&color(Red){はい、そういうことです。};
&color(Green){$\int_{\partial V}$と$\int_S$は同じ意味です...
&color(Red){$\int_{\partial V}$と書いた時は、ある体積Vの...
&color(Green){divというのは全方向の変化量を足したもの、と...
&color(Red){正確には、ベクトルとして方向を考えつつ変化量...
&color(Green){危ないですとても。私は先生の授業を聞いてわ...
&color(Red){こわくないですよぉ。不安なら、演習書を買って...
&color(Green){線型代数でもdivという記号が出てきて次元のこ...
&color(Red){線型代数で出てくる次元の記号は、dimだと思いま...
&color(Green){電場が時間変化する時でも、${\rm div}\vec E=...
&color(Red){します。時間変化する場合については後期の電磁...
&color(Green){${\rm div}\vec V$はベクトルじゃないんですね...
&color(Red){はい。こいつはスカラーです。};
&color(Green){$\rho V_y(x,y+\Delta y)\Delta t dX$と$\rho ...
&color(Red){まとめてませんよ。$V_y(x,y+\Delta y)-V_y(x,y)...
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