前回の感想・コメントシートから

 前回の授業の「感想・コメント」の欄に書かれたことと、それに対する返答は、

第13回授業への受講者の感想・コメント

にありますので見ておいてください。

ビデオ↓
以下は文章による説明。

一般化固有ベクトルの空間

以下ではKer((Mλ)m)というm次元の空間のみを考える。よって行列Mm×m行列として考えていく(もともとのN×N行列Mの直和分解で得られたものと考えてもよい)。 このベクトル空間の基底をどのように取るかを考えていこう。

 まず簡単な場合としてm=2を考えよう。(MλI)2v=0を満たすベクトルとして、

が考えられる。

 例を一つ。(2102)という行列を考える。この行列の特性方程式は(2λ)2=0であるから固有値は2で、MλI=(0100)となる。

 (0100)2=0だから、(10)(01)Ker(MλI)2に入る。(10)(0100)を掛けると0(つまり上の(1)のケース)であり、(01)(0100)を掛けると(10)になり、0ではない。(0100)をもう一度掛けると0になる(つまり上の(2)のケース)。

 このあたりの計算で、線形二階微分方程式を解いていて特性方程式が重解になったとき、つまり微分方程式が(ddxλ)2f(x)=0の形になったときのことを思い出した人もいるかもしれない。あのときも解が
  1. (ddxλ)f(x)=0を満たす関数
  2. (ddxλ)f(x)0だが(ddxλ)2f(x)=0になる関数
の2種類があった。

 そして(1)に属するベクトルの中には、

が有り得る。上の箱の中で考えた(10)(0100)(01)と表現できるので、(1-a)のケースである。