オンラインオフィスアワーに関するお知らせ
ちょっと別の予定が入ったことと、あまり利用者がいないということで、この授業のオンラインオフィスアワーの時間を変えます。
木曜と金曜の昼の11:50~12:50までにします。
他の授業と合同ですが、質問や相談などがある人は来てください(zoomのアドレスなどはwebClassを見てください)。
また、開いて欲しいときはメールなどで連絡をくれれば可能な時間に対応します。
あと、webClassの掲示板は質問に使ってくれて構いません。
前回の感想・コメントシートから
前回の授業の「感想・コメント」の欄に書かれたことと、それに対する返答は、
にありますので見ておいてください。
では、今回からいよいよ行列に入ります。
行列が表すもの
1次式による計算を行列で表現する
最初に考えた、小学校の算数のような問題
を(りんごを
さらにりんご、バナナ、さくらんぼがそれぞれ40g,80g,10gの重さがあるとして全部で1kg買うのだとすれば、
行列による計算はベクトルの内積の計算の繰り返しになっている。たとえば上の最後の式は、
こういう説明を聞いていると、「簡単すぎてつまらない」と思うかもしれないが、それはもちろん「導入」の段階だからである。行列を使うことの意義は(前にも述べたように)
なんらかの「入力」から入力に対応した一つの「出力」を得ることを数学では一般的に「写像」という。物理現象の多くが、この「操作」の部分に対応する。たとえばある物理的状態があるとする。その状態に「平行移動」「回転」のような変換を行ったり、「時間発展(ある物理的状態の「現在」から「未来」の状態を得る)」させたりする「操作」は、実は「線形写像」として表現できる。解析力学や量子力学という分野では、まさにこの考え方を使う。
次項で示すように、線形写像だということは実は「行列で書ける」ということなのである。
行列で書くことの「御利益」は「計算」に対応する部分の一箇所への集中である。後でじっくりやるが、我々はこの行列を見ることで「この問題の解は一意じゃない」「この問題には解がない」などを判定できる(それが線形代数の使い途の一つである)。
行列による線形写像
行列を使って表現できるのは、次に述べる「線形写像(linear mapping)」(「線形変換(linear transformation)」または「1次変換」と呼ぶこともある)である。
ある写像
この条件は、
上記をシンプルに「
「線形写像である」ということは、かなり大きい制約である。世界に沢山ある「写像」のうち、一部に過ぎない。しかしそれでも重要なのは、「線形写像に限っても十分に応用範囲が広い」ということだ(特に物理では量子力学が線形写像を使いまくる)。
以下の写像は、線形写像ではない。どうして線形写像でないのか説明せよ。
(1) (2) (3)
答えを考えてからここをクリック
(1)(2)
(3)
線形写像の定義の
一般のベクトルは基底を使って
上の式を、(操作にあたる部分を左側にまとめて)
ということになる。