先週のレポートから

前回の感想・コメントシートから

 前回の授業の「感想・コメント」の欄に書かれたことと、それに対する返答は、

にあります。

 前回は、さらに以下のチェックテストの答えを書いてもらいました。

★<チェックテスト3>

 下の図は、爆撃を行っている爆撃機の写真である。

 下の図は写真の状況を模式的に表したもの(爆弾は代表して三つのみ描いた)である。

 三つの爆弾それぞれに働いている力を(●が作用点)を使って、速度をを使って矢印で表し、上の図に描き加えよ。

 この問題は「MIF誤概念」が効く(?)例です。

 速度に関する解答は、大きく分けて、

のような3種類が出現する(まれに、左斜め下も現れる)。3種類の解答(細かく分けるともっと種類は多い)が出るのは面白いところである。

今回の皆さんの解答でもこの3種類が現れました。残念ながら、どれも正解じゃないです。

 力に関する解答は、だいたい、以下の2つに分けられる。

 

今回の皆さんの解答では右の答え(誤答)は例年に比べ少なかったです。先にしたMIFに関する説明が浸透したかな?


 では、こういう解答が出る、ということを踏まえた上で、次のページに正解を書きます。

爆撃機問題:正解

爆撃機問題:正解

 正解として、下のアニメーションを用意した(見終わったらブラウザの戻るボタンで帰ってきてください)。

 正解を図解しておくと以下の図で、速度は白い矢印である。

 速度は、水平方向の成分(図の、右を向いたピンクの矢印)は一定で、鉛直方向の成分(図の、下を向いた水色の矢印)が増加していく(よって水平成分と垂直成分の足し算である速度は右斜下を向く)という絵が描ける。

↓は説明のビデオです。

 速度が真下を向いてしまう人は、爆撃機から外に出ると「速度」という物理量も(これまでどうだったかとは)関係なくなってしまうという考え方をしているのではないかと考えられる。

 実は速度は(力が掛からない限りは)変わらないのが正しい(慣性の法則)のである。今の場合は下向きの重力が働くのでそれによって速度は変化するが、それは鉛直方向であって、水平方向の速度は不変である。

 爆撃機から出ると速度が消えてしまうのなら、

のように爆弾は飛行機より後ろにいることになるはずである。写真でそうなっていないということからこれが違うことはわかるはずなのだが、物理現象を読み取ることができていない。

 速度が真右を向いてしまう人は、「落ちている」という現象を忘れてしまっているようだ。

なお、右向きの速度を持っていること自体は正しいのだが、速度が右向きの成分を持つ理由を質問してみると、

爆撃機から力を受けているから

もしくは

爆撃機に力を与えられているから

という解答が返ってくることがある。これらは、「速度」と「力」の概念が分離できていない回答だと思う。運動=力ではないのであるが、そこが理解できていない。誰かが「力」を込めた結果が物体の運動であることには違いはないのだが、そこが曖昧なままの理解になっている。

 この答えでもう一つ問題なのは、爆弾はすでに爆撃機から離れているのに爆撃機からの影響を受け続けていると考えているところである。重力やクーロン力などの遠隔力はともかく、今の場合爆撃機から爆弾に力が働いたりはしない。

 なお、左斜め下の速度を描いてしまう人も少しいる。これは無意識に「爆撃機に乗っている人」に視点が移ってしまったのかもしれないし、後で説明する「空気抵抗」を考えて、しかも「力=速度」になってしまったのかもしれない。

 MIFについてはだいぶ説明したがなお、「速度の向き」と「力の向き」がごっちゃになってしまっている回答が多かった。

水平方向の速度ってほんとに変化してないでしょうか?---若干変化してたりしませんか??
「若干」って言葉の定義による(実際のところ、空気抵抗があるわけだし)けど、それは確かに変化することもあるでしょうね。ところがここでは最初に爆撃機の真下に爆弾がいる写真から話が始まっているよね。ここでもし、爆弾の水平方向の速度が爆撃機に比べて変化してしまっていたら、こういうふうに爆弾と爆撃機が縦一列に並んだりしない。つまり水平方向の速度は変化していたとしても「目に見えるほど」ではないことがわかる。写真という形で「目に見えている現象」に関する理解ができていれば、ここでは悩むことはない。

 力の方は、存在しない「右向きの力」を描いている解答が出てくる(前ページの右の図)のだが、ここでも「力」と「速度」の混同(MIF)が見られる。

 では誤概念にハマらないためにはどうすればいいかというと、

困ったときは「原理」に戻れ!

という言葉を思い出したいところだ。

 運動方程式 $\vec F=m{\mathrm d\vec v\over \mathrm dt}$を信じるなら(もちろん信じていいのだ!)、力が働かない水平方向の速度は変化しない。あるいは逆に、水平方向の速度が変化してないと観察されることから、水平方向の力はないとわかる。

 ここで「水平方向に力が働いてないのにどうして水平方向に動くの?」と考えてしまう人は、まだMIF誤概念から抜け出せていない。

 動画の中でも説明した、爆弾一個一個の軌跡を見たい人は、↓のアニメーションを実行すること(見終わったらブラウザの戻るボタンで帰ってきてください)。

前回のレポートから 電車の問題

電車の問題

 MIF似関連する話題として「そぼくなぎもん」を紹介しておこう。以下の文章は、「おもしろくても理科」(清水義範著・講談社文庫)からの引用である。

 漫画家の西原理恵子さんが、週刊紙にエッセイを連載していて、これがなかなか面白い。麻雀ばっかりしている独身の変な女性漫画家の頭の中が、あまりにとてつもなく奇妙で笑ってしまうのだ。
 その、西原さんのエッセイの中に、次のような疑問を投げかけたものがあった。

 実は私にはずーーっと不思議だったのだが、バカにされるかもしれないので人前では言えなかった疑問がある。こっそりきいて、何度教えてもらってもわからんのだ。思いきって言う。
走っている電車の中で飛びあがった時、どうして飛び上がったその、同じ地点におりてくるのだ。変じゃないか。

 西原さんの疑問にあなたは答えられるだろうか?---「おもしろくても理科」の中では、著者の清水義範氏が、この説明に悪戦苦闘している。理科を教えられた人の中に生まれたこういう「素朴な問い」は、「バカにされるかもしれないので言えなかった」とならずに、早めに解消しておきたいところだ(自然への疑問を解決することが理科という教科の使命である)。

 動く物体は人間みたいな複雑な物体じゃない方が考えやすいので、ジャンプじゃなくボール投げにして、以下のような問題を考えていくことにしよう。

素朴な問い


走っている電車の中でボールを真上に投げ上げると、ちゃんと手元に戻ってくるが、どうして電車が進んだぶん後ろに落ちないのか?

という問いに対してちゃんと答えられるだろうか?

 問いに答えるために、電車と、その中での物体の動きをアニメーションで見てみよう。

 ↑は説明ビデオであるが、

に行くと実際に自分で動かせるので、とにかく自分でやってみてください。
やってみたうえで、上の問いに対してどう答えればいいかを考えよう。

 正解を考えてから、次へ進もう。

前回の感想・コメントとレポート 電車の問題・解答

電車の問題・解答

 アニメーションを動かしながら実感して欲しいことは、電車内と電車外という立場の違いで、運動がどう違うかという点である。

 その2つの立場の違い(立場が違うと見える現象が違う)を理解した上で、

どちらの立場で見ても、ちゃんと物理法則に即した運動が起こっている。

と納得して欲しい。

 上の2つの図は、同じ現象を電車内と電車外で記述したものだが、どちらも正しいし、どちらも物理法則(運動方程式)に即した動きをしている(テキスト27ページに詳細は説明があるのでそこを読んでおいて欲しい)。

 テキストにも書いたことだが、ここで強調しておくと、よくある(そして、根絶したい)誤解は、

(電車外から見たとき)ボールが手から離れると、ボールの持っていた速度は消えてしまう。

というものだ。実際にはそうではなく、手から離れてても速度は残る。

 アニメーションの中で、速度と加速度と力をのように表示しておいたので、動かしながら速度の変化を(電車の中と外でどう違うかを確認しつつ)見て欲しい。

↑説明のビデオ。もう一度、

を自分でもやってみて、「手を離してもボールの速度は消えたりしない」ということを実感して欲しい。

 この疑問には、「電車内と電車外のそれぞれの立場でちゃんと絵を描く」ことで答えることができる。

 電車内で「まっすぐ真上に投げ上げて手元に戻ってくる」という現象の時間経過を描くとと図の左の列のようになる。

 これを電車外から見たのが図の右の列である。電車や人はみな右側に運動しているので、放物線を描いて物体が運動していることになる。

 じゃあなぜ物体(投げ上げられたボール)は電車外で見ると放物線を描く運動になるかというと、実は投げ上げる前から、ボールは図の右向きの速度を持っているのである。

 電車内で見て真上に投げ上げられた物体は、実は電車外から見ると斜め上に投げ上げられたことになる(「相対運動」という概念も持っていないと、この問いには答えられない)。

 電車内の人は、自分は投げ上げるという動作によって、ボールにのような速度を与えたつもりでいる。そして、電車内ではその速度を「初速度」とする運動が起こる。

 ところが同じ現象を電車外で見ると、ボールは投げ上げられる前から、のような速度を持っている。これに、人によって加えられた速度が足されることで、ボールの初速度はのようになる。

 この初速度を持ったボールは、その後

のような運動をする。

 この放物線を描く運動は、電車の外で斜めにボールを放り上げた場合の運動と(電車外で見れば)同じ運動である(下の図参照)。

 この運動を電車内から見ると「真上に上がって真下に落ちてくる」という運動になる。

 「人が投げ上げる前」を考えると、このボールは電車と同じ速度で走っていた。この「人が投げ上げる前に持っていた速度」は、人がボールを投げた後も消えずに残っている。これを「手を離れると速度は消えてしまう(残らない)」というふうに考えると「自分より後に落ちるのでは?」という考えをしたくなるのである。

 この電車の誤解が起こる理由は、いろいろな要素が混じっているのだが、上のように「ボールが手から離れると、もう『誰もボールを運んでいない』から止まってしまうのではないか」という誤解をしてしまうことはその要素の一つであろう。

 人類がずっともっていたこのような誤解を正したのが、力学の3法則の一つ(第1法則)である。

電車の問題 慣性の法則

慣性の法則

 以下が運動の第1法則である。

慣性の法則


力が働いていない物体は静止もしくは等速直線運動を続ける。

である。「もしくは」以降が重要だ(静止していることは納得しても、等速直線運動していることもある、ということを納得できない人は多い)。

 ↑慣性の法則の説明ビデオ。以下の説明と併せて理解しよう。

 この法則は日常の感覚(床にボールを転がすと、いつかは止まる)にはあわないが、それは日常生活においては「力が働いていない」ことは(ほぼ)ありえないからである。むしろ「押せば動く」というのが我々の素朴概念である。

 これは子供の頃、おもちゃの車を押して動かしたころから持っている「根強い素朴概念」である。

 この「物体が動くなら、誰かが力を出している」という間違った素朴概念ができあがる理由は、この世界には摩擦や空気抵抗など、「運動を邪魔する力」すなわち「運動を止めようとする方向に作用する力」が存在しているからである。

 この力(摩擦力や空気抵抗)は人間が出しているものではないし、目には見えないからその存在が実感しづらい。

 ガリレオは斜面を用いた実験を繰り返すことで「摩擦」や「空気抵抗」など、「運動を邪魔する力」がない場合に何が起こるかをイメージし、それから「法則」を見つけることができた。我々の常識は摩擦などの「邪魔」によって隠された世界の中で作られたものなので、その「邪魔」を注意深く取り除いていくことで、本当の法則が見えてくる。

 なお、この法則を発見したガリレオが天動説に反対して「地球は動いている」と言った人でもあるというのは偶然でもなんでもない。「地球が動いているなら我々は落ちてしまうはずだ」というのが「慣性の法則を知らない人たち」の常識だったからなのである。

この慣性の法則があるおかげで電車でジャンプすると「元の場所」に降りるし、人類が秒速30キロメートルで動いている地球から放り出されることもない。

 ここで「でも地球や太陽は円運動しているのでは??」と疑問を持った人もいるかもしれない。円運動は厳密には「等速直線運動」ではないので話は少し違うのだが、幸いなことに、円運動と言っても十分大きな半径の円ならば、直線運動と考えても大きな差は出ない(小さな差なら出る)。

 なお、「慣性」と「慣性力」は全く別の概念である。後で説明するが、慣性力はあくまで「非慣性系(という特別な状況)で働くみかけの力」であり、「慣性」は逆にどんなときでも物体が有している性質である。そして「慣性」は「力」ではない。

 単に単語の意味として「慣性力」を誤解している例も多いが、同様に「慣性」というのを「力の一種」と誤解している例も多く見られる。たとえば「投げられたボールが手を離れても動き続けるのはなぜですか?」という問いに、

慣性が押しているからです!

と答えるのはその例である。慣性は「動いているものが動き続けるという性質」ではあるが、それは「力」ではない(力とは別の概念である)。↑のように答える人は、力と慣性という別のものをごっちゃにしている(違う概念が分化できてない)。

 物理法則を教えるというのは(上の文章を教えることではなく)この「みんなが持っているけど、実際は間違いである誤解」を正していくことでもある。

 慣性の法則を発見したガリレオが天動説に反対して「地球は動いている」と言った人でもあるというのは偶然でもなんでもない。「地球が動いているなら我々は落ちてしまうはずだ」というのが「慣性の法則を知らない人たち」の常識だったからなのである(ガリレオはこの誤解を正した)。

 この慣性の法則があるおかげで電車でジャンプすると「元の場所」に降りるし、人類が秒速30キロメートルで動いている地球から放り出されることもない。

 これに限らず、人間の持っている物理現象に対する「誤解」はたくさんあり、「誤概念」と呼ばれている。教える立場に立つ人はどのような誤概念があるかを知り、教わる人(あなたたちの生徒)がその誤概念にはまらないように、克服できるように導かなくてはいけない。というわけで、この授業では他の誤概念についても続けて触れていきたい。
電車の問題・解答 加速する電車

加速する電車

 せっかく「見る人の立場(電車内と電車外)で違う」という話をしたところなので、「電車内の人間に後ろに働く力(実は見かけの力)」について考えてみよう。

 電車(あるいはバスでも車でもいいが)が発車するとき、乗っている自分に後ろ向きに「力」が働いて「おっとっとっと」となるという経験は誰にでもあると思う。この「力」は見かけのものであって実在ではない。下の図は電車内の立場でこの現象を描写してたものである。

 では、電車の外から見たら、この「見かけの力が左に働いて人間が倒れそうになる」という現象はどう見えるだろう???

↓のビデオが解答だが、見る前に自分でも考えて「よし、こうに違いない」と思ったら見よう。
 ビデオを見れない人は、次のページの説明を見ること(ビデオを見た人も、整理して確認しよう)。
慣性の法則 加速する電車の回答

加速する電車の回答

 正解は下の図の通りで、2つの立場のどちらを見ても起こる現象は同じだが、内部の人は(見かけの)力が後ろに働いたように感じるし、外部の人は内部の人に働く力が足りなかった(ので電車に置いていかれた)ように感じる。


 見る立場による違いを確認しておこう。

 先にやった「電車でジャンプ」の問題は、等速運動している電車の中と外の話であった。このページで考えたのは「加速度運動している電車の中と外」の話である(こっちの方が複雑なのだ)。加速度運動していると「見かけの力」が発生するという点に注意が必要である。

 なお、この「見かけの力(慣性力)」については先の授業でも触れる。

加速する電車 今回のレポート

今回のレポート

 見る立場の違いに関して、次のクイズを考えよう。

第3回感想・コメントシートのクイズ

 上の問題の逆を考えよう。等速直線運動していた電車が急停車して、人が前につんのめった。このとき、電車内の物理現象と電車外の物理現象、それぞれ正しいものを選べ。

電車内で人がつんのめった理由

  1. 右向きに見かけの力が働いたから
  2. 急停車するのを感じた人間が思わず足に力を込めて電車の床を左に蹴ったから
  3. 電車外の空気から右向きの力が働いたから

電車外から見て、人が電車内でつんのめった理由

  1. 電車から人に右向きの大きな力が働いたから
  2. 電車から人の足の部分に左向きの力が働いたが、人は右向きに運動を続けたから
  3. 電車の周りの空気が人間を右向きに押したから


 以上で第3回の授業は終わりです。各自のwebclassへ行って、「第3回授業感想・コメントシート」のアンケートに答えてください(今日の問題を見た感想の選択回答が一つ、自由記述の感想・コメント欄が一つあります)。これらは出席の代わりです(この授業は出席点はありませんが、皆さんがどの程度受講しているかも確認したいのと、反応もみたいので)。



webclass↓

この感想・コメントシートに書かれたことについては、代表的なものに対しては次のページで返答します。

 なお、webClassに情報を載せていますが、授業があった日の午後8時より約1時間、オンラインオフィスアワーとしてzoomを開いてます。質問や相談などがある人は来て話してください。

 テキストは印刷したものを配布する予定ですが、今回は印刷が間に合いませんでした。来週か再来週には印刷して配布します。同時にPDF版をこのページ内にアップします。
加速する電車の解答 受講者の感想・コメント

受講者の感想・コメント

 webclassでのアンケートによる、感想・コメントなどをここに記します。

 青字は受講者からの声、赤字は前野よりの返答です。

 主なもの、代表的なもののみについて記し、回答しています。


今回の授業で、電車内でボールを真上に投げた時自分の真後ろにボールがいかないのは、ボール自体が電車の進行方向に同じ速さで進んでいるからなのだが、電車内で止まって見えるのに、なぜボールが進んでいるのかをどのように説明するか自分の言葉で、電車外からの視点から説明することができるようになった。また、日常にある素朴な疑問を物理法則によって解決できるということも今回の授業で実感することができた。
こういう説明をちゃんとできる先生になってください。
どうして、電車内でジャンプしたらその場に着地するのか。ボールを真上に投げたらそのまま下に戻ってくるのか。説明しようとしてもなかなかできないことに気が付きました。 今回の講義を聞いて、久しぶりに「あぁなるほど、、。分かったぞ、、、。」と慣性の法則についての理解を実感できました。今まで暗記ばかりしていた物理で「わかったぞ」と感じれたのが久しぶりだったので少しうれしかったです。慣性の法則を復習する際は、爆撃機の問題と電車の問題を見直そうと思います。
このあたりを「わかった」となって、かつ「人にわからせる」というところまで行ければ、物理の教員としてはOKなのです。
電車の問題についてなんですが、ジャンプしてもその場に着地するという結果だけを覚えていて、いざ説明してみようとすると全く説明が出てきませんでした。 私自身が物理に苦手意識を持って今まで深く知ろうとしていなかったのが原因だと自覚しました。しかし、この講義を取ってだんだんと「物理って楽しい!」と思うようになってきました。大学入って以来ここまで自分の心境が変化した講義は無かったので自分でも驚いています。 教員が物理に対して苦手意識を持っているのは駄目だと思うので、この講義が終わる頃までには無くすように頑張りたいと改めて思いました。
こういう、いざ説明しようとすると「あれ?」ってなることは結構あります。教員になって教える立場に立つ人は、「いざ説明」の心構えを、いろんなものに対して持っておくべきです。
今回の授業を受けて、自分が物理について人と話したり、考えたりする時に、「慣性」と「慣性力」をごっちゃにしていることに気付かされた。将来教える立場になるとかを考えてこのような語概念や語句の誤った使い方はは全て解消していきたい。
「慣性力」は本当に人を迷わせる言葉で、「物理上級者限定(初心者は使うな!)」と言いたくなります。
初回から物理への苦手意識は変わらないですが、今までの思い込みはなくなり徐々に考え方は変わってきているように感じます。 電車の問題について、見かけの力は間違っているように感じました。電車外でのイメージがしっくり来て、外と中では現象が同じなのに考え方が変わるという意味が分かりませんでした。 次回の授業からも頑張ってついていこうと思います。
その調子で、苦手を克服していってください。見かけの力は本当に「見かけ」なので、中の人の気持ちになって考えると(本当はないんだけど)力がはたらいているように思える、という感覚を持ってください。
非常にわかりやすく、自分の物理苦手も徐々に薄れていくように感じます。今まで自分が当然と思っていた物事がじつはこのような事象ができているためこのようになっているとわかり物理が非常に意味のある学問だなと感じました。
物理は「いったんわかると理解度がぐんと上昇する」学問でもあります(学習曲線が階段状になる)。階段を登っていってください。
高校では物理をとっていなかったが、前回のクイズもよく考えれば間違えるはずのない問題だった。 一つ一つの力はどんな向きかを見つける力を身につける必要があると思った。
力をちゃんと考えていくことで、力学がわかるようになります。
「これはガリレオの時代の人々がもった疑問であると同時に、教師が生徒に教える時に生徒が疑問に思うことでもある。」という言葉が印象に残った。地球が太陽の周りをまわっていること、地球が球体であることなど、理由も知らず当たり前に思っていたことはたくさんある。理由すら考えようと思わないような当たり前のことでも、きちんと説明できる先生になりたいと思った。そして私自身が常に色々な事に疑問をもちたいと思った。
そうなんです。先生がそういう疑問に対して考えた人でないと、生徒が疑問を持ったときに納得させられるようにはならないわけです。今から考えていきましょう。
物体が受ける力の合力が0で等速直線運動し続ける、という現象を実際に見てみたいなと思った。
アイススケート上で物をすべらすとか、そういうので近似的には見れますね。
高校の物理では「慣性の法則」という言葉で説明がついたが、「慣性の法則」を具体的に説明するのは難しい。
難しいんです。そこをどう説明していくかは、先生(将来のあなた)の腕の見せ所なわけです。
慣性の法則は、電車の内外で見える力が違うというところに注目して学習することが重要であると感じた。
相対的な運動ってのは実はとても難しくて「どの立場で見るか」を確定しておくことは大事です。
見かけの力や慣性の法則は正しく理解していないと物理で躓く要因になりかねないのできちんと理解できるようにしようと思いました。
それを理解するところから物理は始まります(ここがわかってないとそもそも始まらない)。
今回の講義で、私が得た大きな収穫は、「慣性と慣性力が別物」ということです。今まで、「慣性」と「慣性力」というワードが問題で出てくるたびに「?」と思うことはありましたが、定義を調べることもなくやり過ごしてきていました。今回、その曖昧なところがはっきりとして、とても納得がいきました。 的外れな質問だったら、すみません。 爆撃機の問題に関してです。 元々爆弾は爆撃機に乗っていた時に速度をもっているため、爆撃機から離れても同じ速度をもつことには納得できます。しかし、もし爆撃機に力が働いていたならば、速度と同様に、落とされた爆弾にも同じ力が働くと感じます。つまり、今回の問題で爆弾に対して、水平方向に力が働いていなかったのは、爆撃機が等速運動をしていたから、と考えてもよいのでしょうか?
爆撃機に力が働いているかどうかは、「落とされた爆弾」には関係ありません。爆撃機に載っている状態なら、爆弾は爆撃機から力(保持力)を受けていますが、離れて外に出た時点で「爆撃機→爆弾」という力はない(そもそも伝えるものもない)のです。落とされた爆弾にどんな力が働くかは、今の場合は空気と地球だけを考えるといいです。そして空気の力は(説明したように)弱くて無視でき、地球の力は重力で下向きなので、水平方向の力はありません(爆撃の運動とは無関係に)。
速度と力が別、ということが理解できてきました。
そこはまずは抑えましょう。
慣性の法則の問題は、私たちの身の回りの現象に近いことが問題となっており、理由を知ると面白いなって感じていました。 色々な問題で、力を表しているのか、速度を表しているのか等、しっかりと区別をして問題を解かないといけないと思いました。
「問題を解く」というより、そういう理解を作っていくことが大事ですね。
教えるのが難しそうな分野だと感じました。 しっかりと理解していきたい
その通りです難しいです(まぁ、難しくない分野なんてないでしょうけど)。だからこそ、教える側がちゃんと理解してから進む必要があるわけです。
今日のレポート