今日の講義の内容
$\def\diff{\mathrm d}$
もう一度完全な熱力学関数に関する復習をしたあと、さらにGibbs自由エネルギーについて説明し、第11章に進んで相転移について解説した。
使ったアニメーションは以下の2つ。
以上のアニメを動かしながら相転移という現象について語ったあと、実際に体験してみようということで「パッチンECOカイロ」なる製品をくばって「パッチン」してもらった。
上左のような液体の状態で、金属板を「パッチン」することで衝撃を与えると液体の一部が固体に相転移して、そのときに熱を出す(これがカイロだというわけだが、実際熱量が少ないのでカイロとしては物足りない)。これで「Fがより低いエネルギーに落ちる(よって熱が出る)」と感じてもらえたと思う。
今日で授業は終了で、7月26日に試験をやります。予定ではその次の週の8月2日に答案を返却しつつ解説をする、ということでしたが、都合によりその週は休講として、8月9日の3限(12:50〜)に補講を行います。
受講者の感想・コメント
青字は受講者からの声、赤字は前野よりの返答です。
主なもの、代表的なもののみについて記し、回答しています。
テストがんばります(という感想というか、決意表明多数)。
がんばってください。
相転移が自然な現象に見えて面白かった。
もちろん、自然な現象です!
今まで分かりやすく教えてくれてありがとうございました。前野先生のおかげで熱力学の原理がおもしろいほど理解できました。本当に感謝しています。
そこまで言ってくれるとは、うれしいな。
パッチンECOカイロ初めてみた。なにげないものでも物理の教材になることに物理の生活の中へのとこみぐたいがすごいなと思いました。
物理はいろんなところで活きてます。
パッチンECOカイロ、普段の生活での利便性が皆無なのが残念。
もうちょっと熱くなるといいんだけどね。
わざわざルジャンドル変換してギッブス自由エネルギーを求めたが、相転移で利用価値があり、感心した。
もちろん、使いどころがあるから定義したわけです。
過冷却は、エネルギー与えたから変化したと勘違いしてました。おもしろかったです。
勝手に「高いところから低いところへ落ちる」ように変化するのが面白いところです。
今日のカイロの冷いやつバージョンとかもあるんですか。
瞬間冷却剤ってのは近いですが、あれは相転移ではないですね。
パッチンECOカイロ、野菜ジュースみたいな色をしていた。
あれは袋の色なんですよ。
高温になると液相気相の境目がなくなるという話が面白かったです。
結局、Fが凸でなくなる、というのが境目が生まれる理由なので、境目がなくなることもあるわけです。
相転移の勉強もっとやってみようと思った。
深くやるともっともっと面白いですよ。