今日の講義の内容

 今週も熱力学の準備としての力学を続けてます。

 中身はテキストの第2章の今日は25ページのつりあいと変分原理から始めて、いろんな力学の問題をやったあと、2.4節のコンデンサの問題を説明し、ルジャンドル変換にあたる操作の物理的意味を話すところまでやりました。次回(GWがあるので再来週)は、数学的操作としてのルジャンドル変換からやります。

 授業中出てきた質問を紹介。

 電池のエネルギーが$QV$、コンデンサに溜まるエネルギーが${1\over2}QV$とすると、${1\over2}QV$だけどっか行ってませんか?
 どっかに行ってます。どこかというと、抵抗で発生するジュール熱。
 抵抗の大小にかかわらず同じジュール熱が発生するんですか?
 そうです。抵抗が小さいと電流がたくさん流れるけど、その場合は充電がすばやく終了するので、最後まで積分すると同じ${1\over2}QV$になります。

 ついでに、「じゃあもし抵抗がない超伝導導線を使ったらどうなる?」という問題を考えてみた。この場合は、回路が「一巻き」の「インダクタンスの非常に小さいコイル」になり、電気振動が発生し、その電気振動のエネルギーも含めて保存する。さらに、電気振動は電磁波を発生させるのでエネルギーを失い減衰していく。

 今日はコンデンサの問題で「つながっている部分のエネルギーもちゃんと考えるべき」という教訓について話をしたわけだが、これが熱力学における「断熱操作」と「等温操作」で「等温操作の場合は周囲にある熱浴のエネルギーもちゃんと考えよう」という話につながったいく。

受講者の感想・コメント

受講者の感想・コメント

 青字は受講者からの声、赤字は前野よりの返答です。

 主なもの、代表的なもののみについて記し、回答しています。


変分原理の便利さがわかった。
便利だから、どんどん使おう。

コンデンサーのエネルギーUの電荷に対する一般化力が電位であることが不思議だったが、dQが長さでの次元でないから力ではないのかなと思った。
「一般化力」なので、もちろんいわゆる力ではないです。大事なのは掛算して仕事になること。

パパパコメントの調子が悪かった。
残念でした。

Qと$\ell$を独立変数とするか、Vと$\ell$を独立変数とするかの違いに注意したい 。
ここから先でも「独立変数を取っ替える」という操作がよく出てきます。

次回からルジャンドル変換らしいので、解析力学復習しておきます。
あっちでも使いましたね。

ルジャンドル変換を楽しみにしてます。
なかなか便利な変換です。

数学的な話は少し難しかったけど、今後やりたいことはある程度イメージができたと思う。
次でもうちょっと数学をやって、それから熱力学に行きます。
電磁気の授業の復習になった。かなり違うものだと思っていたけど、これからのことを考えるとリンクしているものだなと感じた。
もちろん、リンクしてます。物理はあちこちつながっている。

授業の内容