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「ターミネーター3」感想


 ネタバレを含むので未見の方は御注意を。

 クレア・デーンズおばさんになったなぁ。

 いやまぁそれはともかく。まずはたっくさん壊しまくる映画ですな。基本的なストーリーラインはTX(女ターミネーター)がジョン・コナーおよび後にジョンが反乱軍の英雄になる時に同志となる連中を殺しにきて、オールドタイプのターミネーター(シュワルツネッガー)がジョンたちを守りにくる、ということになっていて、ここまでの話だと、T2に比べて標的がジョン一人じゃなくなった以外はあまり差がない。
 特撮の技術と資金力の差で画面の迫力はスケールアップしているけど、見ていても話に新味がないよなぁ。これじゃ「金と技術かけてT2を作り直しました」って感じの映画だよなぁ。そんなふうに思いながら観てました。途中までは。

 前作で最終戦争は回避されたはずなのになんでまたターミネーターが来るんだ、と思ってたら日程が延びただけでやっぱり最終戦争は起こる、と言う。それも今日(^^;)。ターミネーターを送ったケイトも、もうちょっと時間的余裕のある送り方したらどうだ。
 で、ジョン・コナーはケイト(未来では同志であり妻となる)とともに稼働し始めたばかりのスカイネット(最終戦争を起こそうとしている)の中枢を破壊すべくある場所に向かう・・・というのが終盤の流れなんだが、ここで観ていたわしはこう思った。

 スカイネットというからにはインターネットの技術(そもそも、一部を破壊されても大丈夫、という打たれ強さを持つ軍用ネットの研究から始まっている)を踏襲しているだろうし、中枢が破壊されたら止まるようなシステムなのは変だよなぁ。まぁ、ハリウッド映画の作りとしては、この後中枢を破壊して最終戦争止めて、めでたしめでたしにするつもりなんだろうけれど、それじゃT2と同じ展開のままでつまらんよなぁ。もっと予想を裏切るようなことを起こしてくれんと。

 で、予想を裏切る結末来ましたよ。ええ。期待も裏切りましたけど(^^;)。
 スカイネットに中枢がないというのは思った通り。つまりジョンとケイトがついたところは中枢でもなんでもなく、単なる核シェルター。死に瀕したケイトの父が、せめて娘だけでも助けようと嘘をついて「そこへ行け」と言い、「ジョンとケイトを守れ」と命令されていたターミネーターシュワちゃんはあえてその嘘を訂正しなかった、というわけ。
 じゃあ戦争起こっちゃうじゃん、と思ったらほんとに起こりました。人類滅亡です。しかしジョンとケイトは生き残った(まぁ他にも生き残りはいるんだろうけど)から、ターミネーターにとってはこれで「任務、完了」だというところで映画終わっちゃうんですな。
 いやぁ、「多少強引でもハッピーエンドが客には受ける」とか「最後に感動で終わらなきゃおさまりが悪いじゃん」とかのハリウッド的映画作りの寸法無視しちゃっております。
 確かに驚いたし、予想は裏切ったけどさぁ。やっぱりこれは「そうくるか、と膝を打つ」って感じでもないし「だまされて爽快」って奴でもない。ちょっとダメなん違う?
 繰り返すけど、この映画の前半から中盤までは「T2」の拡大再生産でしかない。で、終盤が「そんな落ちの付け方ないだろ」ではなぁ。
 次があるかどうかしらんが、次があったとしても面白いものにするのは難しいだろうなぁ。これまでは「我々の世界」(つまり映画を観ている人にとっての世界)にターミネーターが闖入してくる、という話だったが、次があるとしたらもうそこらじゅうをターミネーターがうろうろしている世界から始めないといかんわけだし。映画を観る方としても構えが違う。
 それとも予想を裏切ることになるだろうか。でも一緒に期待も裏切ったら何にもならん。


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