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『スタートレック:エンタープライズ』

 スタートレックの新シリーズ。SkyperfecTVのスーパーチャンネルで2002年の年末から日本語の放送が始まった。

第1話・2話「Broken Bow」
 新シリーズと言いながら、今回登場するエンタープライズは人類初めてのワープ5が出せる船、って設定で、つまりカークの時代より古い船なのである。なんせ時代が古いので、バルカン人は地球人は野蛮人扱いしてえらそうだし、転送機はあるけど信頼性がないらしく、艦長が「人間には使うな」と言ってたり、いろいろカークの時代との違いをみせる設定になっている。で、えらそうなバルカン人の一人(女性)が科学士官として乗り組んでくるんだけど、嫌みキャラだと思っていたらたった2話でけっこう理解あるええもんキャラになっちゃったのはちょっと残念(まぁこれからもバルカン人的嫌みは言い続けてくれるんだろうけど)。お話自体はよくも悪くもスタトレですな。
 作品自体とは関係ないんだけど、現代と寸分違わぬオクラハマの農場が出てきたりすると、「アメリカ人ってワープ5の宇宙船が飛ぶようになっても自分たちの生活は変わらないという自信持っているんかなぁ」としみじみ思っちゃったよ。

第3話「Fight or Flight」
 ファースト・コンタクトネタですが、主題はコンタクトじゃなくて通訳士官(ホシ・サトウという女性なんだけど、漢字を当てると佐藤星?)の自信喪失&回復物語ですな。2日間航星日誌を調べただけで通訳機もろくに通訳できない種族との間に会話が成立して船の危機を救うことで自信回復するんだけど、とにかくがんばってしゃべってみたら通じました、みたいな感じで、それは簡単過ぎるやろと思いましたな(^^;)。ひねりなはれひねりなはれぐぐっとぐぐっとひねりなはれ。

第4話「Strange New World」
 のーてんき艦長は「おー、新しい星みつけた。探査じゃ探査じゃ」とすぐ着陸したがり、バルカン人科学士官は「こーゆーものには手続きというものがあります」と反論するが「ええいバルカン人め、いばるんじゃねー」とばかり乗組員みんな言うこときかない。で、やっぱりそんな星には危険な生物がいてえらいことになりました、というお話。作っている方は堅いことを言うバルカン人め、と地球人乗り組み員に感情移入して欲しいと思っているかしらんが、わしが見るかぎりバルカン人の言うことが正しいぞ。だいたい宇宙服も着ずに未知の惑星の大気中に出てから大気成分をチェックしようとするバルカン人(これ自体すでに間抜け)に「そういうのは後でいいよ」ってどーゆーこっちゃねん。もっと先にしとけっ。

第5話「Unexpected」
 機関員のチップが、異星人船の修理に出かけて、そこの女性の子供を妊娠してしまう(妊娠させるのではなく、自分が妊娠する)という話。この異星人の生態は、遺伝物質を子供に伝えるのは母方からだけで、この星の男はいわば借り腹(実際には肺付近に妊娠するんだが)という設定。「遺伝物質を伝える方」が母で「妊娠する方」が父ってのはなんか納得いかん(^^;)。こういう設定にしないと異星人の女に地球人の男が妊娠させられるという話にはならんわけだが。こんな設定作ってまで男女差に拘泥する必要あるんかい、と思ってしまうが、もちろんTV的には胸がでかくて腰がくびれているのが女性なわけだ(女優さんが演じているのが女性(^^;))。
 ところでこの異星人がホログラムの技術(TNG以降でおなじみの)を持っている。いろいろあってクリンゴンがこの技術もらって帰るんだが、なんで地球人はもらわなかったんだろ。それとももらったものを自家技術にするまでにTNGの時代までかかったということか。

第6話「Terra Nova」
 今回の話は70年前に行方不明になったコロニーを訪ねてみたら、住人たちは小惑星落下で蔓延した毒のせいでつらい生活を送っていて、「人間は敵だ」(自分たちは人間じゃないと思っている)と思いこんでた、って話。

第7話「The Andorian Incident」
 バルカンの寺院に行ってみるとそこにはバルカンと敵対する異星人がこの寺院がスパイ施設なのではないかと疑って占拠して調査中で、エンタープライズのアーチャー船長はとばっちりで捕まって…とまぁそういう話なのだが、落ちというか最後は「え、そんでしまいか」という感じ。だってほんとに寺院がバルカンのスパイ施設なんだもんなぁ。後で話がぶりかえされるのかな。追記:15話でぶり返されました。バルカン人科学士官のトゥポル、あまりに速く地球人に同化しすぎだよな。今回なんて一つの毛布で寝ちゃうし(いや変なことは何も起きませんが)、バルカン人の利益よりアーチャーの命令を優先するし。
 ところでこのバルカンと敵対する異星人、緑色で頭の上から触角出していたりする。で、嫁はんが後ろから見て『あ、無人君をぱくっとるな』とか言う。そうじゃなくてこの異星人は昔のTOS、つまり『宇宙大作戦』でも出てくるから、無人君がそれをぱくっているんだってば。

第8話「Breaking the Ice」
 バルカン人トゥポルには親の決めたフィアンセがいて、それをふるという話(いやまぁそれだけってわけではないんだけど)。決められた結婚もせんと宇宙を飛び回っている嫁候補に婿候補が切れて「はよ帰ってこい」と言われるが、トゥポルは帰りたくないので悩む。でそれをチップに相談したりするわけだが、社会習慣が全然違うんだからそもそも相談が成立しない。結局「親の決めたことに従う必要はない」という現代地球人的常識に従った形にはなるんですが。どうもトゥポルがあっさり地球文化にそまりすぎだよなぁ。

第9話「Civilization」
 未開の星なのに妙な反応が、ということで船長たちが住民になりすまして潜入して探る。で、原住民の女性と仲良くなる、と。このあたりほんまにカーク船長と同じようなことばっかりやりますな、アーチャー船長。翻訳機が壊れて「うわぁ困った何しゃべっているかわからないや。ええいキスしちゃえ」とキスしちゃうところなんか特に。ちなみに着陸前にトゥポルに無用な接触を避けるためには静かで人のいない農業地帯に着陸すべきだと言われたアーチャー船長はこう言います。『そうか、だからUFOはいつもとうもろこし畑に出てたんだ!』

第10話「Fortunate Son」
 輸送船の乗組員が、おれたちゃ艦隊になんか頼らないぜ、危険な異星人が来たら自分で戦っちゃうんだぜ、と戦うが結局はエンタープライズのお世話になりました、という話。この時代のスペースフリートはあんまり信頼されてないようだ。っていうか低速輸送船乗りが頑固すぎるのか。

第11話「Cold Front」
 今回は「時間冷戦」の話。エンタープライズのクルーの一人が「私は900年後から来ました。スリバン人も未来から来ていて、歴史を変えようとしてます。奴を逮捕するの手伝ってください」と言い出す。ところが前回登場時は悪役だったそのスリバン人、今回はエンタープライズを危機から救ってくれるし、「私たちは歴史を守ろうとしているんだ」とか言い出すからややこしい。結局どっちがほんとだかわからないままに話は「つづく」になってしまうのだった。このタイムパラドックス関係の話はずっと続くんでしょうな。

第12話「Silent Enemy」
 エンタープライズは宇宙で出会った謎の宇宙船に友好的にコンタクトしようと試みるが、相手は無視したかと思ったら撃ってきたり、エンタープライズに乗り込んで乗組員の身体をスキャンして帰ったり。反撃しようにも武器が少ない、ということでアーチャー船長は地球に帰って武装強化しようとする。いけいけどんどんの船長とはしては珍しく弱気になっているところ、機関主任のチップと武器担当のリード大尉は1門しかないフェーザー砲を3門に増設。さらに掟破りのオーバーロードまでかけて敵を撃退。艦長が弱気になっても俺たちゃ大丈夫、という乗組員の心意気の話だが、この無礼で不気味な敵(バルカン人も何者かわからんらしい)、ほんとのこと言えばさっさと逃げた方がいいような(^^;)。
 さてこの話と平行してリード大尉の誕生パーティにびっくりさせようと、アーチャー船長の命令を受けたホシがリード大尉の好物を探そうと家族や知人に聞くが誰も知らない。困り果てているホシにドクターが、パイナップルに含まれている物質のアレルギーを消す薬を摂っているから、きっとパイナップルが好きなんだ、と推測してあげる。結果大当たりだったのだが、この話、なんでここに挿入されているんだろう。てっきり、これにヒントを得て敵の弱点を見つけるとかそういう流れになるのかと思ってたら、単に平行して進むだけだった。
 乗組員は仲良しだよ、というだけのエピソードだったのか??

第13話「Dear Doctor」
 デノビラ人の船医フロックスが主役。エンタープライズはある惑星に流行った病気を治そうとする。その惑星にはバラキア人とメンク人という別種のヒューマノイドが共存している。バラキアの方が上位で、メンクは技術的にも少し遅れ、居住区に閉じ込められた状態にある。病気になっているのはバラキア人で、この病気は遺伝的なもので、バラキアは種的に終わりが近づいているらしい。フロックスは治療法を見つけるが、それを教えることはバラキアからメンクへという進化の流れを人工的に止めることになる、とアーチャー船長にこれを隠すように進言する。アーチャーは悩みつつも『大昔の地球で、誰かがネアンデルタール人を助けたらどうなると思います?』という言葉に説得され、対症療法の薬の作り方を教えるにとどめる。
 けっこう重い話だ。『進化の流れ』なんて説明はむしろ邪魔っけだと思った。要は対立する発展途上国の二種族の争いに先進国が介入すべきや否や、という話なわけだ。アメリカ的ヒューマニズムでは『困っている人は助けろ。それでその国の歴史がどうなっても、それはそのあとのこと』となるのかと思っていたが、アーチャー船長のこれまでの行動からすると意外なことに、感情には走らず、表面的な意味では悪者になることを選んだ。これは難しい決断だと思う。バラキアとメンク、どっちの味方しても文句言われそうなもんだもんな。ただ、宇宙社会での常識では「進化に介入するなかれ」ということになっているわけで、船長は結局はそっちの常識に従ったということか。
 しかし途中、バラキア語が通じないことから『二つの種族がいるのか』と気がつくのだが、地球上にだって英語の通じない人はたくさんいるんだから、言葉の通じないだけのことでそんなに驚くことはなかろう、と思ったな(;^^)。

第14話「Sleeping Dogs」
 前回の重い話に比べるとさくさくと軽い話だったな。

 遭難して惑星大気圏に落ちそうになっている船をシャトルで助けにいったらそれがクリンゴン船で、病気のせいで乗員がみな倒れていた。しかし生き残っていた一人のクリンゴン女に、シャトルを奪取されてしまう。救助班のトゥポル、マルカム、ホシはクリンゴン船に残される。アーチャー船長は逃げたクリンゴン女をつかまえて病気を治したのち、船を直す方法を聞こうとするが、クリンゴン女は病気も地球人のせいだと思って協力しない。おどしたりなだめたりでなんとか協力させる。3人が落ちないように下向けに光子魚雷を撃ったりしてがんばっているうちにアーチャー船長とクリンゴン女がシャトルで合流、なんとか脱出成功。

とまぁこういう話なのだが、話の軸は助けにきてやっているのにやたらと攻撃的で始末におえないクリンゴンをどうやって協力させるかということと、土壇場に来たら普段おとなしいホシが一番思い切りがよかった(下向けに撃つ光子魚雷の本数をめいっぱい多く撃てと言う)、ということ。途中、『光子の魚雷だぁ?そんなの聞いたことないぞ』なんていう場面があって、TOSより古いテクノロジーだということが再確認できる。最後に功労者3人は滅菌ルームに入ってくつろいでいるんだが、滅菌ルームってサウナみたいに気持ちよいらしく、誰も出たがらない(^^;。ところでタイトルからするとクリンゴンは犬扱いなんやね。

第15話「Shadows of P'Jem」
 7話の続編。7話でアーチャー船長はバルカン寺院が実はアンドリア人をスパイするための施設だということを暴いてしまったわけだが、トゥポルもそれに荷担したということでバルカン議会の不興を買い、本国に帰されることに。アーチャー船長は最後の思い出にと一緒にある惑星に降下するが、その星のゲリラ(反バルカン勢力)につかまってしまう。ゲリラたちは船長らを人質に武器を寄越せと言ってくるが、ちょうどバルカン人がやってきて、「テロリストとは取引せん」と言う。これじゃ船長が危険だ、ということでトリップとマルコムが地上に降りた・・はいいがすぐに捕まる。おいおい敵がいるとわかっているところに注意していってあっさり捕まってどーすると思ったら捕まえた相手はあの時のアンドリア人。アーチャー船長に借りを返したいから助けてくれると言う。アンドリア人とそーっと忍び込んで助けようと思ったらバルカン人の方は強行突入してきてしっちゃかめっちゃか。どさくさでトゥポルはバルカンのえらいさんをかばって負傷。このおかげでずっとエンタープライズにいていいことになりました。
 それにしても、二人でしばられてつかまっていたアーチャー船長とトゥポルがどうしてたかというと、縄を解こうといろいろやっている間に身体を密着させて上になったり下になったり(^^;)。あげくにトゥポルのオッパイプレス食らうアーチャー船長。妙にえろい話でしたな。

第16話「Shuttlepod One」
 別任務でポッドに乗って出たトリップとマルコムはエンタープライズとの会合場所で宇宙船の残骸を発見。てっきりエンタープライズが墜落したと思った二人は悲観し、無駄だと知りつつワープできないシャトルで隣の星系に向かう。酸素は10日しかもたない。しかし実はエンタープライズは一部損傷したものの無事だったのだが。すっかり悲観して家族やつきあった女性向けのメッセージを録画し始めるマルコムと、楽観的というよりは虚勢を張ってなんとかして助かろうとするトリップ。最後は残り10時間の酸素を二人で使うより一人20時間持たせよう、なんて『冷たい方程式』しかかったりしつつ、危ないところで助かる。
 話自体はたいしたことない。悲観的マルコムをしかりつけるトリップの反応をコメディとして見ればいいのだな。それとマルコムが夢の中で、トゥポルに『あなたは英雄だわ』ってな感じでのしかかってこられたりする。そーかマルコム、君トゥポルが好きだったのか。しかも酔っぱらって『尻の形がいいんだよなぁ』とか口走るし(;^^)。
 ところでエンタープライズとシャトルの損傷の原因はマイクロ特異点だそうで、要はこのあたりにはマイクロブラックホールが飛び回っているんですな。あぶねー話だ。

★第17話「Fusion」
 バルカンの民間船とランデブー。乗っていたバルカン人たちはバルカン人らしくなく、感情を持っている、バルカンでも変人と思われている連中。そのうち一人がトゥポルに感情持てとそそのかし、さらに精神融合(この時代では廃れてたのね)をしたりするが、トゥポルがすっかり調子を崩して病気になってしまったのを見て船長が『出てけ』と追い出すという、ただそんだけの話。しかし実際トゥポルも瞑想一日さぼっただけで淫夢見たりするあたり、かなり通常のバルカン人とはかけ離れているよなぁ。地球人と一緒に暮らしすぎたな。
 それにしてもマルカム、バルカン人とトリップがバルカン人の性生活について話していると見るやすかさず寄ってきて話に参加しようとするとは、トゥポルとごにょごにょするという希望をまだ持っていると見えるな。それにしても『エンタープライズ』はエロい話多いな。

★第18話「Rogue Planet」
 恒星が近くにない放浪惑星を発見したエンタープライズ。そこでは別の星からきた異星人が狩りをしていた。狩りの獲物は可変種(元の形は巨大なめくじ)でいろんなものに化ける。アーチャー船長相手には美女に化けて「私たちを助けて」と訴える。トゥポルいわく「船長、相手が美女じゃなかったら必死で探しますか?」ということなのでこの戦略は正しい。って皮肉きつすぎ>トゥポル
 で、船長はその要請に答えて、狩人たちが使っているセンサーを無効にする方法を可変種たちに教えてこの星を去る。美女に「忘れないよ」とささやきながら。視聴者もみんなが聞きたいところだ。「船長、もし巨大なめくじのままだったら助けましたか?」

★第19話「Acquisition」
 DS9とかに出てるフェレンギ人が、エンタープライズの乗員を眠らせてから接舷して侵入。船内のものをかっぱらおうとするが、たまたま滅菌ルームに入っていたトリップは一人だけ無事。フェレンギ人は船長を起こして「金ないか?ないなら女連れていって奴隷商人に売るぞ」と聞く。そんなものはないが「ある」と言って時間かせぎする船長。船長が一番下っぱを懐柔しようとする一方、トリップは連中の持っていた薬を盗んでトゥポルだけ起こす。船長とトリップが芝居を打ってトリップが金を渡すとみせかけてフェレンギを分断して、トゥポルが「スポックつかみ」とか使ってやっつけました。めでたしめでたし。

 まぁなんちゅうかとりたてて見所のない話ですが。寝ている間に「バルカンなんてつまんない種族だ」と言われたトゥポルがすねてみせているところぐらいでしょか(^_^;)。
 あとで知ったが、フェレンギの一人を演じてたのはボイジャーのニーリックスをやってた役者さんだそうな。あんなメークされたら気がつかんっちゅーねん。

★第20話「Oasis」
 宇宙商人から生命反応がないのに乗組員がいたという幽霊船の話を聞いたアーチャー船長はその船を見に行く。果たして乗組員がいて、生命反応がなかったのはシールドしてたからだと説明される。船が壊れて3年も立ち往生していると聞いて修理を手伝うことを申し出るアーチャー船長。修理している間に実は船が壊れたのは22年前であることや、とてもこの人数の乗組員を養うだけの食料はないことがわかる。やっぱり幽霊船?と思わせて(って、スタトレ見る人間がそんなこと思うわけない)実はホログラムでした、という落ち。「困ったときはホログラム」かいっ。
 ホログラムじゃないのは若い娘(トリップが粉かける)とその父親だけで、父親の役者がDS9のオドーと同じ人だから、てっきりオドー本人がこんなところにいるんか?と思ってしまった。吹き替えの声優さんも同じ人だしな。
 若い娘に粉かけるトリップに、トゥポルが「あなたが前に妊娠した時のこと思い出しました」なんて嫌味言ってた。最近すねキャラか?

★第21話「Detained」
 船長とメイウェザーはテンダー人に捕まるが、その施設にはスリバン人も収容されていた。テンダー人はカバル(スリバン人のうち、時間冷戦をしかけている勢力)と戦争中で、そのためテンダー人の領域にいた一般スリバン人を収容所に収容してしまったという話。つまりはアメリカが二次大戦中に日系アメリカ人に対してやったことをやっているわけ。それにしても日系以外にも他民族をたくさんかかえるアメリカでようこんな番組作ったな。
 アーチャー船長は例によって正義感に燃えてスリバン人たちを強引な方法で解放してしまうんだが、この後このスリバン人たちちゃんと安住の地を見つけられるのか?
 この収容所以外にもたくさん収容所があるみたいなこと言ってたし、根本的問題の解決にはなってないよなぁ。よくこの問題を取り上げたな、と思うと同時に取り上げただけで話が腰砕けなのはちとつまらん。

★第22話「Vox Sola」
 群体生物にデッキ一つ占拠され、船長を含む乗組員何人かがその生物と同化されそうになる、という話。生物と船長たちが神経的につながったせいで乗組員同士で互いの思考がわかってしまう、というあたりはなかなかそそるシチュエーションだが、解決策の部分は、「話をしてみたら故郷に帰りたいみたいだから返してあげました」という程度で、あまりひねりがない。ついでになぜエンタープライズを占拠したのかという理由の部分もあいまいなまんま。
 コミュニケーションには高等数学が必要だ、みたいな話だったから、そっちから落ちが付くのかな、と期待したが、結局これも「ホシとトゥポルが力をあわせてがんばりました」程度のものしかなくてがっかり。

★第23話「Fallen Hero」
 赴任先の悪い奴らに追われているバルカン人大使のえらい人(トゥポルのかっての憧れの人)を助ける、というまぁそんだけの話。もう逃げられないという状況で「医務室で治療中」とだますというのがクライマックスだが、やっぱりいまいちひねりがたりんぞ。どうせなら即席でクローンでも作って殺させるとかしないと、悪役どもが単に治療装置を撃っただけで満足しているんでは、騙される方が間抜けに見えるだけである。アーチャー船長、はったりの張り方をカーク船長に学んだらどないだ、ってカークの方が後の時代の人なんだった(^^;)。

★第24話「Desert Crossing」
 船の修理を手伝った男に招待されて飯食いに行ったら、そいつはその星ではテロリストとして追われている男で、船長たちは「テロリストに荷担する異星人」ということで一緒に狩られるはめに。船長とトリップが砂漠横断して命からがら逃げた、というのがメインの話。21話でスリバン人を収容所から助け出したことが大袈裟に伝わって「アーチャー船長は偉大な戦士で、困った人を助けてくれる」と思われていたらしい。惑星内の紛争に首を突っ込むのはよくない、ということで、人種差別と戦っているのだ、と言う彼の立場には共感を覚えつつも、アーチャーはトゥポルに諭されるまでもなく、協力しない。やたらと他の国の紛争に首をつっこみたがるアメリカという国のやり方に皮肉を言っているような話だな。アーチャー自身も「やたらと他の星のことに手を出しているとえらいことになるな」と実感することになったエピソードなのかも。

★第25話「Two Days and Two Nights」
 2日間の上陸休暇をもらったクルーたち。ちょうどドクターも2日間の冬眠に。目標は

トリップとタッカー:女。
メイウェザー:ロッククライミング。
ホシ:語学修行。
アーチャー:とにかく休む。

 結果は

トリップとタッカー:女に化けた盗賊に捕まる。
メイウェザー:骨を折って帰還、冬眠中のドクター叩き起こして治してもらう。
ホシ:異星人男とベッドイン。
アーチャー:ちょっと女性といい雰囲気になったと思ったら、それはテンダー人(21話でスリバン人を捕虜にしてた連中)の女スパイ。

とまぁ、「ちゃんちゃかちゃんちゃ、ちゃんちゃん」な結果に終わりました、という息抜きな話。

★第26話「Shockwave」
 植民星にシャトルポッドを着陸させようと進入したら、大気にたまっていたガスに火がついで大爆発、植民者3600人が死亡した(ガスがそんな状態になっているのをほっておくなよ、危ないなぁ)。エンタープライズはこの事故の責任を取らされて地球へ帰る(しかも今後10年は地球人は宇宙に出れない)ことになるが、事故の原因に納得いかない。
 なんとか上とかけあってみよう、とトゥポルと話し合った後、アーチャー船長は、突然10か月前(この航宙の始まる前)に時間旅行させられ、そこでダニエルズ(11話で出てきたタイムパトロール?)に会う。そしてエンタープライズが起こした事故は歴史にない、スリバンが未来から介入した結果だと言う。元の時間に戻ったアーチャー船長はダニエルズから聞いたことや教えてもらった技術を使ってスリバン船を発見、彼らが事故が起こるように細工したことの証拠を押さえた。
 意気揚々とバルカン船に合流してこのことを報告しようとするエンタープライズをスリバン船が包囲し、「船長出てこい。おまえ一人が出てくれば他の船の乗員は助けてやる」と言う。エンタープライズを出ようとした船長はまた別の時間に飛ばされる。そこは廃墟になった31世紀。ダニエルズは「船長をスリバン船に乗せてはいけないと指示されてこうしたが、その指示は間違いだった」と言う。歴史が変わってしまったらしい。ダニエルズのタイムマシンも破壊されたそうで、アーチャーはもう元に戻れない。
 一方、船長が途中で消えたので、怒ったスリバンはエンタープライズを攻撃しようとする…

 ってところで、第1シーズン終了。続きは半年後ぐらいに始まる第2シーズンで(^^;)。

 最後のシーンで、アーチャーが「偶然の出来事とは思えないな」「随分前に起きたのかもしれない」という訳になってたが、なんかつながり変だな、と思って英語の方を聞いてみると「It doesn't look like just happened.」「No, it looks like happened long time ago.」と言っているようだ(わしのヒアリングはちょっと怪しい(^^;))。でもこれ、「ついさっき起こったようには見えない」「ずっと前に起こったみたいですね」じゃないのかな。その前の会話でダニエルズが「さっきまでのんびり朝飯食ってたのに、あなたを時間旅行させたらこうなった」とか言ってたから。時間旅行パラドックスものでいつも出てくる「時制の混乱」が起きているみたいだが(^^;)。

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