ネタバレを含むので未見の方は御注意を。
★リローデッド
それにしてもネオとトリニティー、おまえらセックスのことばっか考えすぎ。
いやまぁそれはともかく、派手派手な画面を楽しんでみる分にはおもろい映画です。ちょっと格闘がダンスっぽすぎ(ジャッキー・チェン風にしすぎ?)たけども。
こむづかしく考えん方がええんかもね。まぁでもどうせなら蘊蓄も傾けましょか、というところで。
前作の「マトリックス」を見て、不満がいくつかあった。大きくわけると
の3つ。そもそもコンピュータの中に作られた「マトリックス」の中の世界だから非現実的なことが起こっても喜んでみていられるが、「主人公のネオは救世主でした」なんてのを最後に持ってこられては、「SFの落ちとしては、これはなかろ」みたいに思ってたわけだ。
そういう不満を解消しようとしてか、それとも最初からここまで考えていたのか、その辺はしらんが、「リローデッド」ではえらい強引な解釈がされていて、「救世主」というのはつまりマトリックスというコンピュータプログラムの中にどうしても出現してしまう異常部分(アノマリー)なのだそうな。マトリックスを作ったマシーンたちは、出現したアノマリーを一点(ネオ)にぎゅーっと凝縮させて、ぽんと切り捨てるようにしてマトリックスの浄化をしてた、ということなんかな。予言者はその浄化システムの一部だった、ということで、むしろ人類の敵でした、ということになる。これで(1)(2)は解消されたけど、(3)の不満がもっと大きくなったぞ。手間暇かけすぎでまわりくどいっちゅーねん>マトリックスの設計者
それにしてもコンピュータプログラムのアノマリーだというのなら、そのアノマリーがなんだっていつもキアヌ・リーブスの顔した奴に出現するんだろう? 最後に先代の救世主、先々代の救世主の映像が出てきたがみんな同じ顔だった。
人間の発生(遺伝子とか)までプログラムのうちなんかな。
話は予言者に言われてキー・メーカー(ラスボスのいる部屋に入るための鍵を作ってくれるおっちゃん)を捜し、そのキー・メーカーに言われた通りラスボスの部屋に行くと、ラスボスが「救世主ってのはわしらのプログラムミスなんや。もう6回も掃除したんやで」とか教えてくれた後、「ほらほらトリニティーが危ないぞ。助けにいかないと死んじゃうぞ。でも助けにいったら人類は終わりだもんね」とか抜かし、ネオはトリニティー恋しで助けにいっちゃって、ということになるんだが、これもなんでわざわざ情報与えた後で助けにいかせるのかもようわからんわな。回りくどいことやりすぎやっちゅーねん。
途中でもしかして「マトリックスは仮想世界に気づいて抜け出してくる強い人類を育てるためのシステムである」とかいうありきたりな話になるんじゃなかろうな、と思って見てたんだが、とりあえずその落ちはなかった。
もっとも最後でネオがマトリックス世界を抜けた後で超能力っぽいのを使ってたところを見ると、もう一つのありきたりな結末である「仮想世界を抜け出したつもりでいたけど、それは単に次の階梯の仮想世界でした」ってのが来る可能性もあるなぁ。
まぁ、次の「マトリックス・レヴォリューションズ」を待ちましょか。いい方に予想を裏切って欲しいもんだが。
ネタバレを含むので未見の方は御注意を。
収まるところにいまいち収まらない感じで終わったなぁ。結局なんだな。システムに沸いたウィルス(ネオ)を駆除するためのツール(スミス)が強力になりすぎて現実世界まで侵食するほどになっちゃったから、逆にウィルス(ネオ)の助けを借りて、今度は駆除ツール(スミス)を駆除した。その代わりにウィルスの頼みも聞いてやった、と。まるで
「ハブを駆除しようとマングースを野に放したらマングースの被害の方がでかくなったから、ハブの親玉にマングース駆除をお願いして、かわりにハブとの間に休戦協定結びました。以後、人間とハブは楽しく暮らすことになったのです。めでたしめでたし」
というふうな話なわけですな。
マングース(スミス)、立つ瀬がないやん(;_;)。
という話だとすると、ネオがみんなを救うことができたのは結局スミスが暴走して駆除される対象になったから、というわけで、状況がうまく転がったおかげですなぁ。ある意味、たまたまそこにいたイォークのおかげで帝国に勝てたルーク・スカイウォーカーみたいな情けなさがあります。
ところで、映画終盤、倒しても倒しても、まるでドラゴンボールの登場人物なみに何度も何度も立ち上がるのに閉口したスミスが、「今度こそ勝った」と思ったらまたネオの気配。「おいおいまさかそりゃないだろ」とスミスがつぶやいたところ、あれは笑うところでいいんですよね(^_^;)?
わし、笑ったらまわりみんな静かなんでびびりました(;_;)。
ちなみにその少し前のビル街で空飛びながら戦っているシーンでは、心の中で
「巨大化してビル壊しながら戦え、ネオとスミス! ここまで来たらその程度のことでは観客は怒らんぞ!」
と叫んでました。いやほんとにやったらここもやっぱり爆笑するところになってましたが。
それにしてもやっぱりというかなんというか、ネオやスミスの超能力がなんで現実世界にまで染み出してきたのか、という説明は曖昧なままだったな。それとも「ソース」というのが現実世界で、あの映画の中の「現実」もなんかのプログラムと解釈すべきなのか。まぁ映画的法螺として甘く見ておくとするか。
映画全体としてはちょっとかったるかった。ザイオンの戦争シーンが長々続いたが、ちょっと前なら「おお、すごい特撮だ」とか言いながら見てもらえたのかもしれんけど、今となってはビジュアル的にもそれほど目新しくないし。
ミフネ船長はかっこよかったけどねぇ(^_^;)。