ベクレルってなあに?(その6)
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その5で出した質問の答えはもちろん、「NO!」です。
粒子の数が減れば(一個一個の粒子が放射線を出す確率は変わらなくても)、今考えている物体の中から放射線が出てくる確率は減ります(さっきも、100個の時は1ベクレルでも、1個減って99個になったら0.99ベクレル、という話をしたばかりでしたね)。
1秒で1個減って99個になるなら、2秒で98個になるか、というと(確率が支配する現象なので、)そうはいきません。1秒で元の(99/100)になると考えると、2秒では
(99/100)2=0.9801
となります(98より、ちょっと多い)。3秒だと、
(99/100)3=0.970299
(99/100)4=0.96059601
(99/100)5≒0.95099005
と変化していきます。そして50秒では、
(99/100)50≒0.6050060671
となります。まだ60個ぐらいありそうです。実は
(99/100)69≒0.4998370299
なので、だいたい69秒で半分になります。
計算機をつけておきましょう。数値を変化させると下にある文章が自動で変化します。
崩壊確率と時間から、残っている数を計算する
残っているのは、60.50060671375361個
計算式は N×(1-a)t です。
こうして「だいたい半分になるのはどれくらいの時間か?」は放射線がどれくらいの比率で出てくるかの目安になります。この数字を「半減期」と言います。
半減期は放射性物質の種類によって決まる性質です。物質量の多さとは関係ありません。一定の確率で崩壊していくので、最初が多かろうが少なかろうが、「半分になるまでの時間」は同じなのです。
1秒で崩壊する確率をAとすると1秒ごとに全体の(1-A)倍が生き残ります。半減期が t 秒とすれば、
(1-A)t=0.5
という式が成立します。以下の□の中の数字(1秒の間に崩壊する確率)を変えるとそれに応じた半減期の値がわかります。
1秒の間に崩壊する確率がの時、
半減期は68.96756393652842秒です。
これは、1.1494593989421404分です。
ここでの計算式は log(0.5)/log(1-A) です。
逆に、半減期から1秒の間に崩壊する確率を計算することもできます。
半減期が年日時間分秒(=1秒)の時、
1秒の間に崩壊する確率は0.5です。
計算式はA=(1/2)(1/T)です。
では、次に半減期の方を指定してアニメーションしてみましょう。
0秒経過
粒子数:個
半減期:秒
最初の状態では、粒子数は100個で、半減期は10秒になっていますが、この数値は変更することができます。
例によって、個数を変えたり半減期を変えたりして、崩壊の様子を観察してください。
半減期を変えて動かしてみて、
半減期が短い→放射性物質は早くなくなる→その分、最初に出てくる放射線が激しい
半減期が長い→放射性物質がなかなかなくならない→その分、出てくる放射線は激しくない
を確認しましょう。
二つの物体をおいて比較をしたいな、と思ったらその7へどうぞ。