まず最初に、「屈折の法則(スネルの式)」を実感しよう。

 屈折の法則(スネルの式)は、

という式である。ここでθは上に示した角度で「入射角」と呼び、θ'も同じく図に示した角度で「屈折角」と呼ぶ。動いている緑の線は、波の「山」を表す線(波面)である。

屈折角θ’=14.4775…  速度v=0.3333…m/s

上のスライダで波長λ、周期T、入射角θと屈折率nを変えることができる(屈折角θ'はこの二つに応じて変わる)。特に入射角と屈折率をいろいろと変化させて様子を見よう。

 nが1だと曲がらない。

 nが1より大きいと、大きいほどよく曲がる。

 nが1より小さいと、小さいほどよく曲がる。

ということがわかったであろうか?

 上の図の中央に描かれた円は単位円(半径1)なので、aと書いた長さがちょうどsinθbと書いた長さがちょうどsinθ'である。この二つの比が屈折率nである(図を見て、動かしながら確認しよう)。

 屈折率とはいったいどのような物理量で、どうしてこういう法則が成り立つのだろうか?---上の図でnを変化させた時に変わるものを見ていくと、左の図に示した、上と下での波長(λとλ')の比であることがわかる(これも図を動かしながら確認しよう)。

つまり、屈折率とは、境界を超える前の波の波長λ
境界を超えた後の波の波長λ'
で計算される量なのである。

 ここで念のため注意しておくが、屈折すると波長が変わるのではない。

 波長が変わることが屈折の原因なのである。

 このことの説明の方法はいろいろあるが、まずは上の図をじっくり見て、

上と下で波長が違いつつ、かつ山の線(波面)がちゃんとつながるようになるためには、波の進行方向(波面の進む向き)が変わらなくてはいけない。

ということを実感して欲しいとおもう。