積分ってなあに?(その1)




 積分は「微分の逆の計算である」という紹介のされかたをすることが多い。確かにそうなのだが、ここでは物理での積分の利用方法に沿った形で積分を導入しよう。

 物理における積分という操作の本質は、

ある物理量の変化量から、その物理量が「今」どれだけあるかを考える。

ということにある。微分が「二つの関連した物理量の変化の割合」であったことの“逆”となるわけである。

 変化の割合が一定であるような物理量ならば、最初の値(初期値)と単位時間あたりの増加量を知っていれば、現在の値も簡単に計算できる。たとえば、


「水がたまっていなかった水槽に、1秒あたりvリットルの水を流し込んだら、t秒後には何リットルの水がたまっているか?」


という問題の答は、たまっている水の量をV(t)とすると

V(t)=vt

と表せる。その計算を図で表現したのが次のアニメーションである(実際問題のところ、この程度のことはグラフで表す必要なんてないのだが、後でやる計算との対比のためである)




v=0.3


 絵の右にあるのが浴槽で、上にある蛇口から水が注ぎ込まれている。右の方にあるレバーをひねることで水が出ると思って欲しい(レバーは赤い印のところで水が止まり、時計回りに回すことで出る水の量が増えていく)。

 グラフの横軸は時間であり、縦軸はvすなわち「1秒あたりに流し込んでいる水の量」である。(1秒あたりに流し込んでいる量)×(秒数)で「流れ込んできた水の量」が計算できるが、それはちょうどグラフの水色の長方形の面積になっている。
 つまり、溜まっている水の量が、グラフの面積(水色に塗ったところy)で表現されているのがわかるかと思う。

 図の下にあるボタンで、v(水の流量)を変えることができるので、いろいろ変えながら「単位時間あたり一定の水が流れ込んでいる時の浴槽の状態」を眺めてみてください。飽きてきたらへどうぞ。

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