図形で考える変分:長方形の等周問題

 この文書は「よくわかる解析力学」【東京図書】の2.1.2節(22ページ)の変分の問題を動く図を使って説明したものです。

変分とは

 ある量Aを変化させた時、その量に依存して決まる別の量F(A) がどのように変化するか(こ れを「F(A) の変分を取る」と表現する)

を計算することである。まず、

長方形の辺の長さの和が一定の時、もっとも面積の大きくなるのはどのような形のときか?

という問題を考えてみよう。このような「周囲が一定の図形」を考える問題は「等周問題」と呼ばれる。

 辺の長さの和を$L$とする。長方形の横の長さを$x$、縦の長さを$y$とすると、面積は$S=xy$である。$2x+2y=L$が成り立つから、$y={L\over 2}-x$となり、
\begin{equation}
S=x\left({L\over 2}-x\right)
\end{equation}

である。この関数のグラフは次の図のようになり、最大値は$x={L\over 4}$の時だということがわかる。

 
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 図の下についてるスライダで$x$の値を変えることができる。図では$L=16$にしているので、$x$をいろいろ変えながら確かに$x=4$の時面積が最大になることを確認しよう。

 下の「$\Delta x=0.5$変化した図」のところを押すと、$x$が0.5違っている場合の図を同時に描いてくれるので、比較してみよう。

 プログラムについて御質問、御要望、バグ報告などございましたら、前野[いろもの物理学者]昌弘へメールくださるか、または、twitterにてirobutsuまでメンションしてください。

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