東京図書「よくわかる量子力学」サポートページ
このページは、「よくわかる量子力学」(前野昌弘著/東京図書)のサポートページです。
不明な点がありましたら、maeno@sci.u-ryukyu.ac.jpにメールするか、またはサポート掲示板に書き込んでください(サポート掲示板に書き込むとメールが届くようになっています)。
◆更新記録
2012.5.1 演習問題のヒントと解答を改訂しました。演習問題3-7のヒント及び解答で、dをd/2に直す必要があります。
2012.1.31 演習問題のヒントと解答を改訂しました。演習問題11-1の解答で、pの期待値の方が書かれていませんでした。ちなみに答えは$\left\langle p\right\rangle=\mathrm i\sqrt{\hbar m\omega\over 2}(C_1^*C_0-C_0^*C_1)$でした。
2012.1.7 演習問題のヒントと解答を改訂しました。演習問題9-1の解答で、エネルギー最低を求めるためにn=1を選ぶ、ということの説明が抜けていました。
2011.8.3 演習問題のヒントと解答を改訂しました。p17のグラフが誤っていました。
2011.6.23 演習問題のヒントと解答を改訂しました。 |

・「はじめに」より抜粋
量子力学は難しい。自分が学生の時にも思ったが、教える側に回った後も、つくづくそう思う。
その難しさは大きく分けて二つある。一つは「シュレーディンガー方程式という偏微分方程式を、変数分離したり級数展開したりして解く」「波動関数をフーリエ変換してエネルギー固有状態に分解する」など、いわゆる数学的なテクニックの難しさ(数学の壁)である。もう一つは「そもそも波動関数って何なのよ!」「なんで物理量が演算子になってしまうんだよ!」など、量子力学の概念そのものの難しさ(概念の壁)である。量子力学を勉強する人の前には、この二つの壁が立ちはだかる。特に「概念の壁」は高く、厚い。人間はどうしても、物理現象を古典力学的にとらえようとしてしまう。古典力学は人間の直感に合うからである。しかし、この宇宙で起こる物理現象を理解するには、古典力学的常識を捨てて、量子力学的世界の概念を獲得することがどうしても必要なのだ。これはかなり難しいことだ。達成できれば、世界の見え方が変わってしまうほどの衝撃を受けるだろう。自分の信じていた直感がこの世界のどこでも通用するわけではない、ということを思い知ることになるのだから。
量子力学には、それだけの威力がある。だからこそ面白いのだとも言える。
それほどまでにも難しい量子力学を学ぶにはどういう道を選べばいいだろう?―壁を回避するのか、それとも壁を乗り越えていくのか?―回避するのも一つの手であるかもしれないが、そこを挑戦し乗り越えてこそ、量子力学を勉強する楽しみがあるのではないだろうか?
本書は量子力学の壁にあえて正面からぶつかっていく気概を持つ学習者たちを支援するために書いた。
「数学の壁」を越えることができるように、計算の途中もできる限り省略せず、必要なテクニックは「○○を見よ」ではなく、その場で解説するように努めた。また、一つのことを計算する方法が複数個ある場合は、可能な限り全てを示した後でそれぞれの考え方の違いを解説した。また、計算方法も「なぜこういう計算をするのか?」という点を説明して「こう計算すれば答が出るらしいが、なぜだかわからない」という欲求不満がたまらないようにと配慮した。
「概念の壁」を越えることができるように、「この世で起こることには量子力学的に考えないと理解できないことがたくさんあること」と、「一見常識に反する量子力学がどのようにこの世界を記述しているのか」を説明することに努力を費やした。その過程の中で読者諸氏の「古典力学的常識」を破壊して、「量子力学こそがこの宇宙の法則である」ということをわかってもらいたいと思っている。物理における数式は「計算したら終わり」ではなく、その中身を吟味して使っていく過程も大事である。その過程が「概念の壁」を越える助けになると信じて、その部分もできる限り詳しく書いたつもりである。
・演習問題のヒントと解答
ページ数が多すぎたため、章末演習問題のヒントと解答はPDFにて配布することにしています。ここからダウンロードできます。
「よくわかる量子力学」の図に使われているシミュレーションプログラム(Javaアプレットによるもの、FLASHによるものがあります)を掲載しています。アニメーションして動くグラフや図を見ることで、量子力学の理解は飛躍的に進みます。是非活用してください(もちろん「よくわかる量子力学」を持っていなくても、これらのプログラムを使って学習することは可能です)。
JavaやFLASHについては、プログラムをインストールする必要があるかもしれません。
wikiです。どういうふうに使うかは「模索中」ですが、気がついたこと、感想などお寄せ下されば。
・ネット書店の売り場へのリンク
★のついているネット書店には、ユーザーによるレビューがあります。
・書評などへのリンク
・出版後に発見された内容のミスについて
以下に、発見されたミスを記載していきたいと思います。
(青字の部分は、第2刷で訂正済みです)
- p29の5行めに$\vec g=\vec E\times\vec B$とありますが$\vec g=\varepsilon_0\vec E\times\vec B$と訂正してください。
- p51の図の中で、$\theta_1$と$\theta_2$が入れ替わっています。また、この図が小さすぎて見にくい、という意見をいただきました。重要部分の拡大を含めた図を下に示します。
- p62の3.3節の冒頭の「粒子を」は「物質波を」に、2行目の「粒子は」も「物質波は」に訂正(この段階では物質波の話をしているのであって、粒子の話にはまだなっていない)。
- 同じくp62の下から3行目の「存在確率が0になる」は「には存在しない」と訂正。
- p77の演習問題3-5冒頭の「nn」は削除。
- p83の下から7行目あたりから現れる「一階」「二階」という言葉は全て「時間に関して一階」「時間に関して二階」と修正。
- p93の図の4行下の「いろんな波動関数の中から一つの状態が選ばれる」は「いろんな波動関数で表される状態の中から一つの状態が選ばれる」と修正。
- p118の下から5行め、「二つの演算子$\hat A,\hat B$が交換するなら」という文章は、「二つのエルミートな演算子$\hat A,\hat B$が交換するなら」と訂正してください。
- p119の「微分と交換関係」の(3)の右の式は${\partial B^n\over\partial x}=n{\partial B\over\partial x}B^{n-1}$です(右辺に$n$が必要)。
- p121の下から4行め、$\int \psi^*(x,t)\phi(x,t){\mathrm d}x=0$とあるのは、$\int \psi^*(x,t)\psi(x,t){\mathrm d}x=0$の間違いです。
- p122の(6.16)の3行下からの2行、「以上から、実数の観測値を持つ物理量に対応する演算子はエルミートでなくてはならない」は削除です(次の節に入るべき説明が紛れ込んでいました)。
- p122の問い6-2で、式の上の「異なる固有値」の後に「(どちらも実数であることに注意)」を挿入して下さい。
- p124の(6.19)式の右辺にマイナスが必要です。
- p129の下から7行目冒頭の$\Delta E \Delta t>h$は、
と訂正してください。
- p144の(7.23)の左辺に積分${\mathrm d}x$が抜けている。
- p147の(7.30)の下の「$f(x)$の中の$a_m$」は「$f(x)$の中の$a_n$」と訂正してください。
- p148の(7.34)の$(\psi^*_1,\psi^*_2,\psi^*_3,\cdots)$のコンマは不要で、$(\psi^*_1~ \psi^*_2~ \psi^*_3~ \cdots)$と訂正してください。
- p152の(7.44)の最後の式に積分${\mathrm d}x$が抜けています。
- 同じくp152の(7.47)の最初の式にも積分${\mathrm d}x$が必要です。
- p160の(7.84)のexpの肩の符号が逆で、$p-p'$を$p'-p$に置き換えてください。(7.85)も同様です。
- p166の問い8-1の冒頭「確率密度$\psi^*\psi$が」は削除して、この文章の最後に($\psi$は実数とする)を追加してください。
- p169の(8.14)の下の行の「ブラ・ケット表示で」の方にある*は不要です。
- p169の註†12で(a,bはもちろんのこと)とあるのは(a,cはもちろんのこと)の間違いです。
- p183の(9.21)式の右辺の分母の$\alpha \pi$を$\sqrt{\alpha \pi}$に訂正してください。
- p197の10.1節のタイトルは「一次元ポテンシャル問題での便利な定理」です(「一」が抜けてました)。これに連動して、目次や頁の頭も間違っています。
- p201の最初の行の「Pの値」の前に、「$\psi(-x)=P\psi(x)$とした時、」を挿入してください。
- p211の(10.30)より4行下の「その値はAよりも小さい」は「$B{\rm e}^{\kappa x}$の値が$A{\rm e}^{-\kappa x}$よりも圧倒的に大きくなることはない」と訂正してください。
- p212の4行め、「陽子は衝突できない」の次に(演習問題9-4,9-5を参照)を付け加えてください。
- その直後パラグラフの最後の「小さく、全体の波の形にあまり大きな影響を与えていない」は「比較的小さい」と訂正してください。
- p232の脚注†5が消えてしまっていますが、「交換関係を使った量子力学の計算では、このような手法を駆使して解くのがよい。」というのが入ります。
- p234の脚注†8の最初の式、$a+a^\dagger$は$(a+a^\dagger)^2$の誤りです。
- p240の(11.59)式の真ん中を$\left((a^\dagger)^2\big|0\big>\right)^\dagger(a^\dagger)^2\big|0\big>$と訂正してください。†と自乗が抜けてます。
- p250の(12.9)の下の「である。」の後に「なお、$\vec{\bf e}_r,\vec{\bf e}_\theta,\vec{\bf e}_\phi$は原点では定義できないこと、また$z$軸上では$\vec{\bf e}_\theta,\vec{\bf e}_\phi$は定義できないことに注意しよう。」を挿入してください(補足です)。
- p261の(12.47)を、$ -{\hbar^2\over 2\mu}{1\over r^2}{\partial \over \partial r}\left(r^2{\partial\over \partial r}\psi\right)+\left({1\over 2\mu r^2}\left|\vec L\right|^2+V(r)\right)\psi= E\psi$と修正してください(括弧の位置の間違い)。
- p264の(12.54)式の三行上、「やはり$\vec {\bf e}_\theta$との内積で」とあるのは、「やはり$\vec {\bf e}_\phi$との内積で」と訂正してください。
- p267の脚注25の「$L_z$の固有関数ではるが$|\vec L|^2$の固有関数ではない」を「$L_z$の固有状態ではあるが、これだけでは$|\vec L|^2$の固有状態とは限らない」と訂正。
- p268の1行めの「を満たさなくてはならない。」を「を課すことにする。すると、」に訂正。その後の「$m$は整数である。」に以下の脚注をつける。
†周期境界条件を使わなくても$m$が整数になることはわかる。問い12-7(→p279)の解答の脚注(→p363)を見よ。
- p269の(12.69)の一番前のiは不要です。
- p275の(12.88)式の横についている説明ですが、1行めの「変数分離」は削除して、2行目の「左辺にΘを集め、右辺にθを集めて、」を1行めに持ってきて下さい。2行目は「積分して、」にします。
- p276の(12.89)の右辺にマイナス符号が必要です(2行とも)。
- p276の(12.90)の下にある${\mathrm d\over \mathrm d\theta}=-{1\over\sin\theta}{\mathrm d\over \mathrm d(\cos\theta)}$は、${\mathrm d\over \mathrm d\theta}=-{\sin\theta}{\mathrm d\over \mathrm d(\cos\theta)}$に直してください。
- p279の(12.101)の左辺にある$|m|$の絶対値は不要(問題文の中に「$m>0$として」と指定してあるので)。ただし、$|m|$でも同じことではあるので間違いではない。
- p280の(12.103)の前に「式(12.85)(→p274)は」を挿入(補足です)。
- p286の(12.114)の2行目の式の最後の${Q_\ell(\xi)\over\sqrt{\xi}}$の分母の$\sqrt{\xi}$は不要です。
- p298の(13.24)の2行下の「$\rho^{-\ell-1}$では原点で発散してしまう」に、以下の脚注をつける。
†原点で発散すると何がまずいかというと、$p_r=-{\mathrm i}\hbar{1\over r}{\partial\over\partial r}r$という演算子(→p259)が($r=0$での表面項が消えなくなって)エルミートでなくなる。
- p298の(13.25)および問い13-2の式の、左辺の(r)は不要です。
- p319の(A.4)式の最後に${\mathrm d}t$を追加してください。
- p335の(B.7)の係数${1\over c\pi}$を${c\over \pi}$と訂正してください。同様に(B.8)の係数${1\over c\pi\sqrt{2}}$は${c\over\pi\sqrt{2}}$と訂正してください。
- 同じくp335の(B.9)の上の「$f_n$を求める式を$c\sqrt{L}$で割って」は「$f_n$を求める式(B.4)に${\sqrt{L}\over c}$をかけて」と訂正してください。
- (B.9)の左辺は${\sqrt{L}\over c}f_n$と訂正します。
- 同じくp335の(B.10)のすぐ下の「$c=\sqrt{2}$にすると」は「$c={1\over\sqrt{2}}$にすると」に訂正してください。
- p350の(D.25)の2行目以降の式の最初にマイナス符号をつけてください。
- p353の(D.39)の前の「規格化する」を「$\psi=Ax$($A$は定数)とおいてから規格化する」に修正。(D.39)とその次の行にある$H$を$A$にしてください(図に書き込まれた$H$とは違う量なので、文字も変えるべき)。
- p354の(D.43)の上に、「奇関数になる部分はもちろん0にして」とありますが、奇関数になる部分はないので、ここを削除。続く文章も「偶関数になるので、0から${b-a\over2}$までを、$\psi=Ax$($A$は定数)とおいてから積分し、2倍にする」としてください。さらに(D.43)と、その次の行の$H$も$A$に変えてください。
- p362の問い12-2の最後の答えの一番前のiは不要です。
- p363の問い12-7の最後に、以下の脚注をつける。
†$P_\ell^{\ell+1}\propto (1-x^2)^{\ell+1\over 2}{\mathrm d ^{2\ell+1}\over \mathrm d x^{2\ell+1}}(1-x^2)^{\ell}$であるが、これが0になるためには$\ell$が自然数でなくてはならない。$\ell$や$m $が整数である条件は、周期境界条件(→p267)を使わなくてもここからも出る。
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