気体をシリンダーに閉じ込めてピストンを押し引きした時の変化をグラフとともに見せるプログラムである。
ここでグラフにしている圧力Pとは、「気体全体の圧力」ではない(今考えている操作の途中では気体の圧力・温度は一様ではない)。グラフの縦軸であるPは、「ピストンに掛かる圧力」であり、いわば「ピストンに接している部分の気体の圧力」である。ピストンに接していない部分の気体の圧力は、もちろんこれとは違う。準静的ならば全体の状態が一様だから気体全体の圧力とピストンに接している部分の圧力は同じになる(ただし、このプログラムでは準静的な操作は起こせない)。
下の図の青い線は、気体全体が常に等温を保った場合のP-Vの線である。等温操作でも断熱操作でも、実際の変化はこのようには起きない。
上の「初期状態に戻す。」ボタンを押すとP-Vグラフの軌跡もクリアされるので、いろんな状況での変化の様子を描いてみよう。
ここのグラフのPは上にもピストンに接している部分の圧力であり、圧力が一様でない状態を経過している。一方、ここ以降に出てくるP-VグラフのP平衡状態に達して気体が一様になった後でのPである。よって以降のグラフに点を打つときはすべて平衡状態を表現しているし、線をひくときはすべて(平衡状態のまま変化していく)準静的操作を意味していることに注意。