よくわかる電磁気学サポート掲示板の、2011年までの話題です。
199-201頁の微分記号について †
ys? (2011-12-13 (火) 13:20:39)
8.1.2節で多用されている「ベクトルにかかる微分記号」の意味についておたずねします。まず(8.12)式ですが、全体がベクトル量ですので、右辺のベクトル(e何某)にかかった微分記号は、いずれもスカラーをつくっていると理解されます。第1項のそれはdivと思われますが、よろしいでしょうか?一方、第2項のそれは、具体的にどんな量を表していると理解すればよいのでしょうか?微分する相手がベクトルではgradのわけないし、divとすると右辺=0になってしまうし。。。ここが不明なので、(8.14)で省略された表面項も、どんなベクトル量をどう表現したものなのか、具体的につかめずじまいです。どうかよろしくご教示ください。
- 困った時は具体的に書きだすとよいです。第2項の$\vec j(\vec x')\cdot\vec \nabla$は(公式をどう使ったかを思い出してもらえばよいのですが)、$\vec j(\vec x')$というベクトルと、$\vec\nabla$というベクトルの「内積」ですから、具体的に成分で書けば、$j_x(\vec x'){\partial \over \partial x}+j_y(\vec x'){\partial\over\partial y}+j_z{\partial\over\partial z}$という量(全体としてスカラー)になっています。 この微分演算子が、後ろにあるベクトルの$x,y,z$成分それぞれにかかります。-- 前野?
- この後で行う計算は、${\partial \over\partial x}\to-{\partial\over \partial x'}$のような置換え(y,z成分も)をおこなってから部分積分するので、${\partial j_x(\vec x')\over\partial x'}+{\partial j_y(\vec x')\over\partial y'}+{\partial j_z(\vec x')\over\partial z'}$になります。 -- 前野?
- なんと!あきれるほど誤解しておりました。恥ずかしいけどよかったです。ありがとうございました。 -- ys?
p197の下の図 †
maku? (2011-12-01 (木) 12:49:03)
はじめまして。
第二版を読んでいるのですが、p197の下の図の右端の長さを表しているzとz'が逆なのではないかと思いました。
サポート掲示板の下の方で10/19に前野先生が出している図と第二版p197の図でzとz'が逆になっています。
「出版後に発見された内容のミス」にも記載されていませんでした。
- ああ、確かに図の右端にあるz,z'と、ベクトルを$\vec x=r\vec{\bf e}_r+z\vec{\bf e}_z$と表記しているのが互いに矛盾していますね。右端に書いてあるzとz'は逆です。訂正今からいれます。 -- 前野?
無題 †
(2011-11-25 (金) 16:00:14)
演習問題8-3の解答(ヒントの方)に扇形の面積(1/2)r^2dθとかいてますが
最後の行でr^2dθと考えてよい。と書いているのですが1/2はどこにいったのですか?
- $\mathrm d\vec x'\times(\vec x-\vec x')$の大きさ(平行四辺形の面積)は扇形(近似的には三角形)の面積の2倍になるので、2をかけることで${1\over2}$は消えます。 -- 前野?
ナブラの説明 †
nous3110? (2011-11-12 (土) 16:09:22)
こんにちは。はじめまして。
p. 70のナブラの注に「ギリシャ語」とありますが、ヘブライ語かなにかだつたのでは?
あと、小生へヴィサイドが好きなので、索引に名前を入れていただきたいな、と思います(p. 11, p. 278, p. 282)。へヴィサイドの伝記2冊持つてます。読んでないけど。
p185の(7.4)と(7.5)について †
hammond? (2011-11-06 (日) 12:26:55)
はじめまして。脱字ではないかと思われる部分を発見したので報告させていただきます。
p185の(7.4)と(7.5)の両式とも右辺の分子がmΔθとなっていますが、Iが抜けているのでは無いでしょうか?
- ほんとだ。抜けてます。お知らせいただきありがとうございましたm(_ _)m。 -- 前野?
p271の(11・23)の式変形について †
さけ? (2011-11-02 (水) 21:31:24)
∇がxによる微分なのでjと順番を変えてもいいことと外積の反対称性を用いたとありますが、途中経過がわかりません…。教えていただけないでしょうか?
あと、rotを取っているベクトル場がjによって作られるベクトルポテンシャルとありますが、これはなぜなのでしょうか?よろしくお願いします。
- $\int_{I_2回路} \mathrm d\vec S\cdot \left( {\mu_0\over 4\pi}\int \mathrm d^3\vec x' \vec j_1(\vec x')\times \left(-\vec\nabla\left({1\over |\vec x-\vec x'|}\right)\right) \right)$という式から始まりますが、$\vec j(\vec x')$は$\vec x'$の関数なので、$\vec x$の微分とは関係ないので、
$$-\int_{I_2回路} \mathrm d\vec S\cdot \left( {\mu_0\over 4\pi}\int \mathrm d^3\vec x'\left(-\vec\nabla\times\left({ \vec j_1(\vec x')\over |\vec x-\vec x'|}\right)\right) \right)$$
としてもかまいません。ただし、もともとは$\vec j$と$\vec\nabla$の(この順番の)外積だったのが、今作った式では$\vec\nabla$と$\vec j$の外積になっているので、マイナス符号が必要です。
次に$\int \mathrm d^3\vec x'$という積分も、$\vec \nabla$という$\vec x$の微分と順番を交換していいので、積分を括弧の成っかに入れます。
この式がベクトルポテンシャルになることは、p233の(9.28)式と見比べてください(ここに→p233と入れ忘れてますね)。
- よくわかる電磁気学を数週間前ですが、読破しました。現在2週目を読んでおります。学部時代良くわからなかった電磁気学がきりが晴れるようによくわかったこの本と出会えたことを感謝しております。質問にも丁寧に答えてくださってありがとうございます。また分からないところはどんどん質問していきたいと思いますのでよろしくお願いします。 -- さけ?
- 読破おめでとうございます(変かな?)。いろいろと御指摘や感想をいただけて、こちらも感謝しております。質問などはまたご遠慮なくどうぞ。 -- 前野?
P131演習3-2の解答 †
774? (2011-11-02 (水) 10:06:10)
演習の3-2の(c)ですが解答には電場のZ成分が-2kとなってますが偏微分の順序が逆で2kの間違いじゃないでしょうか
- あ、ほんとだ。すごい間抜けな間違いですね。直しておきます。 -- 前野?
修正部分の進言 †
浜崎晃(読者:大阪在住)? (2011-10-25 (火) 11:13:08)
第3刷のページ29の6行目です。r=√(x^2+y^2)は、yをzに修正すべきものではないでしょうか。
- いえ、これはこれでいいのです。ここで計算しているのは「z軸からの距離」で、つまり(x,y,z)からz軸に下ろした垂線の長さです。垂線の足は(0,0,z)ですから、距離は$\sqrt{x^2+y^2}$となります。 -- 前野?
無題 †
まさ? (2011-10-23 (日) 22:51:46)
細かいことになりますがご報告です。
付録D 章末演習問題のヒント 2ページ目
★演習問題2-4のヒント
分子がρxになってますがこれρyですよね?
- 第2項というか、y成分ですね。もちろんここはρyです、すみません。後でpdfは差し替えます。 -- 前野?
P152の強誘電体の電束密度 †
(2011-10-16 (日) 09:57:22)
P152の強誘電体内部の電界Eと電束密度Dの方向が全く逆を向いているというイメージがわかないのですが、どのように考えれば良いでしょうか?真電荷がないので、divD=0が成立するところまでは理解できるのですが、電束線が1周するというところからつまずいています。よろしくお願いします。
- div D=0は納得してらっしゃるんでしたら「電束線が始まりも終わりもない」ということはいいですね。強誘電体の外ではEとDは(定数倍以外の)本質的な差はないのでどっちも「一方の極から出てもう一方の極に入る」という状況になってます。その状態で誘電体の中のDを考えると、中でつながって一周する形になる、ということになります。 -- 前野?
- 電場Eの方は、「電気力線は正電荷から出て負電荷に入る」ということから考えます。この場合、ほとんどの場所では電荷はありません(分極はしているけど一様に分極している時は、正電荷と負電荷の密度は一定なので)。電荷が存在するのは、強誘電体の端(極の部分)だけで、一方の極では分極により正電荷が、もう一方の極では負電荷が飛び出しています。「電荷が電場を作る」という考え方をすれば、誘電体中の電場Eは正電荷の集まった極から負電荷の集まった極へと向かう方向にできます。これはさっき考えたDの「ぐるっと一周」している状況と比べ、誘電体外部では同じ、内部では逆向き、という結果になるわけです。図を見て考えてください。 -- 前野?
- 数式では$\vec D=\varepsilon_0 \vec E+\vec P$です。強誘電体の場合、まずは分極$\vec P$があり、それによって極に発生した電荷によって$\vec E$ができますが、$\vec P$は負電荷から正電荷へ向かう方向、$\vec E$は正電荷から負電荷へ向かう方向なので、この二つのベクトルは逆向きです。$\vec D=\varepsilon_0\vec E+\vec P$ですが、$\vec P$が$\varepsilon_0\vec E$より強いので、足し算の結果$\vec D$は$\vec P$に近い方向を向きます。 -- 前野?
- ご丁寧な解説ありがとうございます。クリアになりました! --
P223の磁場と平行の力 †
(2011-10-15 (土) 11:57:52)
P223の螺旋運動の箇所の、磁場と平行方向の力はどうして発生するのでしょうか?
磁場と垂直な方向に力が発生するのはもちろん分かるのですが、螺旋を描きながら、磁場と平行の上向きに荷電粒子が力を受けるのが分かりません。
よろしくお願いします。
- もちろん、磁場の方向には力は働きません。螺旋運動の時の加速度の方向は常に磁場に垂直です。ですから磁場が一定でどこでも同じ方向を向いているならば、磁場と平行な方向の運動量は変化しません。地球磁場のような磁場の場合は、「極に近づくほど強くなる」ので、磁場の向きは場所によって若干違います(広がる方向になっている)。この場合、磁場と垂直な力は「極から離れる方向」を向くことになります。 -- 前野?
- ありがとうございます。では、P223の文章中にある「磁場の方向に並進していくような螺旋運動をすることになる」とありますが、これはどうして磁界方向に荷電粒子が進んで行くのでしょうか? --
- それは初速度を持っているから、そして加速度はないか小さいかなので、そのまま並進運動を続けるということになります。 -- 前野?
- ありがとうございます。初速度が磁界の方向と逆であれば、磁界と逆方向に進む螺旋運動が発生するのでしょうか?よろしくお願いします。 --
- もちろんそうです。 -- 前野?
P197の(8.7) †
ぱんなこった? (2011-10-14 (金) 21:17:13)
xとx´の関連性がつかめません。I 方向(上向き)の点線の矢印は何を意味しているのでしょうか?
zとz´が逆のような気もします。
演習問題8-4の置き換えについて †
さけ? (2011-10-10 (月) 15:25:46)
無限和を積分に置き換えたときに、nが前に出てきていますけど、これがわかりませんでした…。すごく初歩的な質問ですいません…。あと、解答では積分を図形的に解いていましたが、これって数式的に解く方法はないのでしょうか? なんだかこういう質問をしていると己の不勉強が身に染みます…。
- これは$\sum\ell\to\int {\mathrm d}x$という置き換えをしています。気持ちは「$\ell$が微小部分の長さで、それが$\mathrm dx$に置き換わる」ということです。ところが今はその$\ell$が式の中にありません。そこで、$\ell={1\over n}$というのを使います。つまり、$n\ell=1$をかけて、$\sum=n\sum \ell$とします(1をかけただけ)。こうしておいて積分への置き換えをします。 -- 前野?
- 数式で解く方法は、数学公式集でもひっぱってきて、$\int {1\over a-\cos\theta}{\mathrm d\theta}={2\over a^2-1}\arctan\left({a+1\over\sqrt{a^2-1}}\tan{\theta\over2}\right)$なんてのを見つけてくればできます。あるいは複素積分を使う方法もあります(どっちもけっこう面倒ですが、がんばればできる)。
ちなみに複素積分でやる時は、$z={\mathrm e}^{\mathrm i\theta}$として、$\mathrm d z=\mathrm i {\mathrm e}^{\mathrm i\theta}\mathrm d\theta,\cos\theta={z+{1\over z}\over 2}$として、$\int {\mathrm d z\over \mathrm i{\mathrm e}^{\mathrm i\theta}}{1\over a -{z+{1\over z}\over 2}}=-\mathrm i\int {\mathrm dz\over z^2 +1 -2a z}$となります。$z$は単位円上を一周するので、後は留数定理を使います。
表面項がゼロ †
(2011-10-08 (土) 16:30:07)
P122-P123の表面項がゼロになる理由がいまいち納得できません。
また、ここの積分範囲をどうして+無限から−無限の範囲で考えるのでしょうか?
何か納得できるようにイメージできないでしょうか?
よろしくお願いします。
- 表面項が0になるのは、「無限遠にいけば$\vec E$が十分速く0に近づくから」ということです。「十分速く」という意味は、表面積は$r^2$に比例して大きくなるので、$\vec E$と$V$の積がこれより速く減衰するという意味ですが、通常は電場は${1\over r^2}$に比例して、電位は${1\over r}$に比例して減衰します。 -- 前野?
- どうして全範囲で積分するかですが、有限の範囲を積分した場合はもちろん「その積分範囲に含まれているエネルギー」を計算したことになります(そういう量を計算したいのなら、もちろんそうしなくてはいけない)。今は全エネルギーを計算したいので「全部」積分します。 -- 前野?
P.282の2行目 †
通りすがり? (2011-10-05 (水) 22:19:42)
B=μ0(H+M)ですよね。
div A=0 †
さけさんのコピー? (2011-10-05 (水) 16:20:36)
divA=0という式なのですが、湧きだしがゼロ、ということなのですよね?けど、原点に電場がある場合湧きだしはゼロになりますが、電気力線は湧き出していますよね…。divB=0という式を眺めていてその意味を考えたときはたとこういう疑問がわいたのですが、よろしくお願いします。
- 原点に電荷がある時の湧き出し0は、${\rm div}\left({Q\over 4\pi r}\vec{\bf e}_r\right)=0$ということですよね。この式で$\theta,\phi$による微分の部分は消えるので、$r$微分の部分を取り出すと${1\over r^2}{\partial \over \partial r}\left(r^2{\partial \over\partial r }\left({1\over r}\right)\right)$となります(定数は省略)。これは確かに0になる、と思いたくなりますが、よく考えると、$r=0$(原点)の部分では${\partial\over\partial r}\left({1\over r}\right)$という微分が定義できません。つまり原点においては${\rm div}\vec E$が定義できない量になってしまっています。むりやり数値をあてるとしたら、そこで∞になってしまっていることになります。つまり、ほとんどいたるところで${\rm div}\vec E$は0だが、原点においてのみ発散(デルタ関数ですね)している、という計算になってます。 -- 前野?
- わかりました!!原点においてのみδ関数で発散しているっていうことだったんですね。すっきりです。ありがとうございます。 -- さけ?
(4・26) †
さけ? (2011-10-02 (日) 21:39:28)
4・26式でフックの法則に従っていたとすると、とありますが、いきなりなぜこれが出てきたのでしょう?
- これはまさに「とする」です。一番簡単な状況でだけ考えるということです。このあたりの話は実は真面目に一般的に考えるのはかなり大変なのです。というわけで、簡単な場合のみを考えるという「ずる」をしてます。 -- 前野?
- わかりました!!ありがとうございます。 -- さけ?
- 新規にトピックを作る欄が消えてしまっているのでここに書きます。divA=0という式なのですが、湧きだしがゼロ、ということなのですよね?けど、原点に電場がある場合湧きだしはゼロになりますが、電気力線は湧き出していますよね…。divB=0という式を眺めていてその意味を考えたときはたとこういう疑問がわいたのですが、よろしくお願いします。 -- さけ?
P.234の式(9.31) †
通りすがり? (2011-10-02 (日) 14:21:16)
間違っています。ご確認ください。
- 確かに、最初の分母に余計な$\varepsilon_0$がいますね。次の版で直します。ご指摘ありがとうございました。 -- 前野?
- 分子に、電流のIが抜けています。 -- 通りすがり?
- P.241の(10.6)符号が違います。余談ですが、こんな本があれば留年しなくて済みました。力学・熱統計・相対論も刊行願います。 -- 取りすがり?
- ああ、ほんとだIも抜けている。これも直さないと。 -- 前野?
- p241の(10.6)は、
$$
\begin{array}{rl} mr \left(\omega^2\mp {e\over m}\omega B\right)- {e^2\over 4\pi\varepsilon_0 r^2}&=0\\mr \left(\omega\mp {eB\over 2m}\right)^2-r{e^2B^2\over 4m}-{e^2\over 4\pi\varepsilon_0 r^2}&=0 \\ \left(\omega\mp {eB\over 2m}\right)^2=& {e^2B^2\over 4m^2}+ {e^2\over 4\pi\varepsilon_0 mr^3}\omega\\ \end{array}
$$
としないとだめですね。間違いがなくならないなぁ(;_;) -- 前野?
演習問題の解答について †
akira? (2011-09-30 (金) 16:01:36)
演習問題1-3の解答の1行目にq=q(1-cosθ)/εとありますが、
正しくはq=(1-cosθ)/2εではないでしょうか。
私の勘違いでしたら、すみません。
- あ、ほんとだ。間違ってます。分母に2が必要です。近日中に、直します。 -- 前野?
電束密度の導出について †
さけ? (2011-09-26 (月) 09:50:46)
真電荷がぽっと出てきていますが、この導出過程では、真電荷によって分極している状態で計算していると考えていいのでしょうか?
それとも場所によって違う分極を持っていると仮定して、計算していくと(4・14)のような式が出てきて、もし真電荷があると(4・15)のようになるから、結果として(4・16)が出てくるということでいいのでしょうか?
なんだかここらへんで頭がこんがらがってしまいました。
あと、電束密度って一体何者なんでしょう?
電場や電位はするっと納得できたんですが、電束密度は一体何者なのかいまいち本質的な理解が出来ていません。
色々質問して申し訳ありませんがよろしくお願いします。
- ここでの計算は全部、静電場なので、「(真電荷の影響によって)分極が起って平衡状態に落ち着いた後」を計算していると思ってください。つまり真電荷もいれば分極もある、という状況を考えていて、「平衡状態になっている分極の状態を観察すると$\vec P$が観測された。ということはこの場所には$-{\rm div}\vec P$の分極による電荷密度がある。もともと真電荷があるからこれを足して…」という計算をしています。「電束密度って何なんでしょう?」ということですが、歴史的な話は抜きにして現代人がどう解釈すればいいかというと、「${\rm div}(\varepsilon_0 \vec E+\vec P)=\rho$という形に式がまとまったから、()の中をまとめて一つの量$\vec D$と書いてしまえ」という、はなはだ人工的な(人間の都合で)現れた量だと思っていいんではないかと思います。 -- 前野?
- わかりました。真電荷によって分極して平衡状態になっていると考えればいいんですね。すっきりしました。電束密度はすごい人工的な量なんですね…。わかりました。そういうもんだと思ってこれから扱うことにします。 -- さけ?
無視する次数が、分子と分母で違う? †
(2011-09-15 (木) 14:37:32)
練習問題 問い1-5の解説についてです。
ルートの展開公式(テーラー展開ですか?)を使うと
分子は(r/z)^2+・・・
分母は1+(r/z)^2+・・・
最終的に、解説では、zが大きいところでは
分子については、4次以上は無視しており、
分母については、2次以上を無視していました。
このように、「分子で無視する次数」と「分母で無視する次数」が違っていてもいいのですか?
- はい、かまいません。どこまでを無視するかは「最低次に比べての次数の差」で決まると思ってください。つまり、最低次の項が「もっとも重要な項」であって、そこから次数が上がるごとに重要度が下がっていくわけです。分子は最低次が二次であり、それよりも次数が2高い四次を無視してます。分母は最低次が「1」ですから0次で、それよりも2だけ次数が高い二次を無視します。気になるんでしたら、$\left({r\over z}\right)^2 {1+\cdots \over 1+\left({r\over z}\right)^2 +\cdots}$と変形して、最初の$\left({r\over z}\right)^2 $を横にどけておいて考えれば、同じ次数を無視していることになります。 -- 前野?
- ご返信ありがとうございました。分子分母を(r/z)^2で割ると、非常にすっきりしました。 -- ファイル?
- 申し遅れました。この質問を投稿したファイルというものです。匿名のまま質問してしまい、ご迷惑をおかけしましてすみませんでした。 -- ファイル?
p129の式(3.105) †
さけ? (2011-09-07 (水) 20:17:07)
なんですが、これ一番左の式のSって必要なんですか???
- すいません、たしかに一番左の式のSは要りませんね。 -- 前野?
p128の電場の応力 †
さけ? (2011-09-07 (水) 16:30:14)
式(3.103)なんですがどうしてこうなるのかわかりません…。導出過程を教えていただけないでしょうか?
- これはですね。まず「$\mathrm d\vec S$がどっちを向いていようが、$-{\varepsilon_0\over 2}|\vec E|^2$だったとしたらどうなる??とまず考えるわけです。そうすると第2項の$-{\varepsilon_0\over2}|\vec E|^2\mathrm d\vec S$だけが出ます(この式なら、$\mathrm d\vec S$がどっちを向いていようが、そっち向きに単位面積あたり$-{\varepsilon_0\over2}|\vec E|^2$になる)。実際はそうじゃなくて、$\vec E$と平行な方向は$+{\varepsilon_0\over2}|\vec E|^2$になるんだから、$\vec E$方向にだけ単位面積あたり$\varepsilon_0|\vec E|^2$を足す、と考えると$-{1\over2}+1={1\over2}$で、その方向は単位面積あたり${\varepsilon_0\over2}|\vec E|^2$になる。$\vec E$方向を向いていて、大きさが$\varepsilon_0|\vec E|^2|\mathrm d \vec S|$になるようなベクトルを作ると、第一項になるので、これを付け加えておけばよい、ということになります(やっぱりこれは導出書いておくべきだったかなぁ)。{ -- 前野?
- 実際はそうじゃなくて、$\vec E$と平行な方向は$+{\varepsilon_0\over2}|\vec E|^2$になるんだから、$\vec E$方向にだけ単位面積あたり$\varepsilon_0|\vec E|^2$を足す、と考えると$-{1\over2}+1={1\over2}$で、その方向は単位面積あたり${\varepsilon_0\over2}|\vec E|^2$になる。の部分なんですが、「$\vec E$方向にだけ単位面積あたり$\varepsilon_0|\vec E|^2$を足す」ことによって、電場と平行な成分が出てくるからこのように考える、ということでいいんでしょうか? -- さけ?
- はい、そういうことです。説明わかりにくくてごめんなさい。 -- 前野?
- これですっきりしました。ありがとうございます。 -- さけ?
p.43 1.8章末演習問題 1-1(2)について †
ファイル? (2011-09-04 (日) 22:52:49)
全体の電場Eとx軸のなす角γがα+β/2になる説明が良く分かりませんでした。解答には、「『cosθe-sinθeという長さ1で、x軸と角度θをなすベクトルを、角度αからβまで変化させながら足していけ、』という計算であるから」と書いてあるのですが、それがなぜ、「γ=α+β/2」となるのかがすっきりしませんでした。
どう考えればすっきりと理解できるのでしょうか。お返事お待ちしております。
- 対称性の問題だと考えてください。長さが等しいベクトルを角度αから角度βまで変化させながら足していくので「${\alpha+\beta\over2}$より大きい角度」と「${\alpha +\beta\over2}$より小さい角度」が均等に、対称的に積分の中に現れるので、積分(つまり全部足した)結果はちょうど真ん中の${\alpha+\beta\over2}$を向く、ということです。 -- 前野?
- ご回答ありがとうございました。おかげで納得できました。なるほど。対称性は理解するのに便利ですね。 -- ファイル?
もう一つ質問です †
さけ? (2011-09-03 (土) 22:53:50)
p118のところで微分は∇(p・x)=pとなっていますが、これは積の微分法のように∇がpベクトルとxベクトルそれぞれにかかった和として考えて、∇p=0だから結果はpと考えていいんでしょうか?
また、もしそうだとしたら、∇は内積にかかる場合、積の微分法のように考えていい理由ってなんでしょうか?
連投で質問すみません。
よろしくお願いします。
- 慣れた人ならその計算でOKですが、それに疑問を感じるんでしたら、$\vec p\cdot\vec x=p_x x+p_yy+p_zz$と考えて、これをxで微分したら答えは$p_x$($p_x$はもちろん定数ですから微分されません)、yで微分したら答えは$p_y$、zで微分したら答えは$p_z$、と3つの微分を丁寧にやった結果だと思ってください。$\vec\nabla=\vec{\bf e}_x{\partial \over \partial x}+\cdots$なので、その計算を丁寧にやれば$(p_x,p_y,p_z)$というベクトルが答えになるわけです。 -- 前野?
- ありがとうございます。なかなかベクトル解析の計算には慣れてなくて四苦八苦してしまいますw -- さけ?
p118の電気双極子のもつエネルギーの表し方について †
さけ? (2011-09-03 (土) 22:46:21)
すいませんTeXが使えないので、分かりづらいかもしれません。
式(3・82)で電位が「電気双極子モーメントと位置ベクトルの内積」を4πε|x|^3で割ったものになっていますが、(3・79)式を見てみると、内積ではなく単なる積になっています。内積をスカラー表示したときのcosθはどこへいったんでしょうか?(3・79)式はモーメントとベクトルの向きがそろっているからθ=0であると考えて、一般の場合は内積を使って表すと考えればいいんでしょうか??
よろしくお願いします。
- (3.79)式では、双極子モーメントがz軸方向を向くという特殊な場合を扱っているので、単にzが掛け算されてます。というわけで、一般の場合とは違うという、その通りです。 -- 前野?
- コメントありがとうございます。スッキリしました -- さけ?
- ちなみに電気双極子モーメントは実験的にはどうやって観測するんでしょうか?またどのような物理現象を考えるときに電気双極子モーメントは重要になってきますか?? -- さけ?
- ちなみに電気双極子モーメントは実験的にはどうやって観測するんでしょうか?またどのような物理現象を考えるときに電気双極子モーメントは重要になってきますか?? -- さけ?
- 実際には1分子だけで電気双極子が浮いているということはあまりないので、たとえば水の中では電場が真空中より弱まる(水の分極により逆電場ができるから)というふうに物理現象には効いてきますね。電磁波のように時間的変化する電場をかけた時に分極がどのように変化するかでどの程度の電気双極子モーメントを持っているかを見積もることができるはずです。 -- 前野?
p112とp113のδ関数について †
さけ? (2011-09-01 (木) 22:04:57)
p112の式(3.67)の左辺なんですが、これって積分するとどうなるんでしょうか??
あと、p113で式(3.72)の積分結果が1であることは、ガウスの発散定理を使って…とありますが計算方法が分かりません。
ここの部分を解説よろしくお願いします。
- 積分の結果はもちろん、${Q\over\varepsilon_0}$になります。なぜそうなるかというと、$f(\vec x)$という関数にラプラシアンをかけたもの$\triangle f(\vec x)$は、${\rm div}\left({\rm grad} f(\vec x)\right)$と考えることができます。そして、ガウスの発散定理により、任意のベクトル場$\vec A(\vec x)$、任意の体積$V$に対して$\int_V {\rm div}\vec A \mathrm d V=\int_{\partial V}\vec A\cdot \mathrm d\vec S$と、$\vec A$の表面積分になります。今の場合、$f(\vec x)=-{Q\over 4\pi\varepsilon_0 r}$なので、 これのgradは$\vec E=-{\rm grad}V = {Q\over 4\pi\varepsilon_0 r^2}\vec{\bf e}_r$になります。ということは求めるべき積分は、
$$
\int_{\partial V} {Q\over 4\pi\varepsilon_0 r^2}\vec{\bf e}_r\cdot \mathrm d \vec S
$$
です。ここで積分する面$\partial V$を半径$r$の球の表面(中心に電荷がいる)にすると、$\mathrm d\vec S$は、向きが$\vec {\bf e}_r$と同じで、大きさが$r^2\sin\theta \mathrm d\theta \mathrm d\phi$になり、積分は
$$
\int\int {Q\over 4\pi\varepsilon_0 r^2}r^2\sin\theta \mathrm d\theta \mathrm d\phi
$$
となって、後は$\theta$を0〜π、$\phi$を0〜2πで積分すればOKです。要は電気力線の本数数える時と同じ積分です。
- ありがとうございます。すっきりしました!! -- さけ?
電場車について †
(2010-10-05 (火) 19:32:12)
99ページの電場車について教えて下さい。「静電場では電場車は回転しない」は、六つの面の真ん中に電荷を取り付けた小さな立方体が、静電場ではxyzのどの軸に関しても回りださないと理解しました。しかし電気力線が便宜的なもので、実際の静電気力が距離の二乗に比例して減衰していくものならば、Δx、Δy、Δz離れた位置ではベクトルの大きさが変わって電場車が回転を始めてしまうのではないかと疑問を持ってしまいました。なお、電気力線が実在するもので、電荷が一個しかない状況を思い描けば、電気力線は放射状に広がる一定のベクトルで、そのとき「電場車は回転しない」→「静電気力は保存力だ」とイメージできます。また「rot=0と言う事は流れに渦があるかどうかを示すものではない」と言う説明も152ページまでは良かったのですが、電束線はループする辺りから、やはりrotは渦の強さを測る演算なのではないかと思い始めてしまいました。足りない考え方はどのように補えば良いでしょうか?
- 前半については、本書の説明の中では、Δx,Δy、Δzが微小であると考えてください。現実的な電場車は少しだけ回ることもあります(下の図のように、位置によっては少しだけ回転しますが、すぐに止まります)が、それは計算の中で無視している(Δx)^2などの項が無視できなくなってしまうような時です。なお、たとえΔxが大きくても、電荷が点ではなく車全体に一様に分布していれば、全く回りません。なお、電束線はループすることもありますが、それは電束密度Dのうち、分極Pの部分によることです。それに、常にループするわけではなくて、ループしない(しかしrotは0ではない)状況はあります。 -- 前野昌弘?
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- ありがとうございました。テイラー展開も重要なようなので、申し訳ありませんが、前から疑問に思っていた事を質問させてください。それは偏微分の二階導関数のことです。「多変数のテイラー展開で∂f/∂x∂yの偏微分の順番はどちらが先でも構わない」を図形的に(視覚的に)理解する方法はないでしょうか?多変数関数をxで偏微分を2回したらx方向の曲がり具合が分かるだろうと思います。yも同様に考えています。しかしxで偏微分した後にyで偏微分するというのは、私にはx方向の傾斜を測った結果について更にy方向の傾斜を調べる、と言う風にしか理解できません。それは3次元の曲面をxで微分したら少し緩い曲面が生まれて、その曲面をyで微分して新たに曲面が生まれる、「その作業をyから始めてもxから始めても同じ曲面が出力される」の様にも考えると、本当なのだろうかと思ってしまいます。 --
- 微分の交換ですが、偏微分の定義にもどって考えると(∂/∂x)(∂/∂y)fはf(x+Δx,y+Δy)-f(x+Δx,y)-f(x,y+Δy)+f(x,y)をΔxΔyで割ったもの、ということになるので、これをx←→yと取り替えても同じ、というのはむしろ当たり前の話になっちゃいますね。イメージとしては、(x,y,f)という3次元空間に面があると思って、微分を、gradの説明に使った「矢印の先での値から矢印の根元での値を引く」という考え方をするとだいたいいいのかな。
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↑の図が「y微分したものをx微分する」というイメージ図で、引き算の引き算をやると、4つのものを足したり引いたりする計算になる、という図です。「x微分したものをy微分する」も同様の図が書けて、結果は同じになるのがわかるのではないかと思います。-- 前野昌弘?
極座標と直交座標 †
(2010-09-14 (火) 18:53:52)
300ページにある、極座標を直交座標で表す式がわかりません。76ページにある立体的な図を見ながら、Exが斜辺で∠Rでない内角の一つがΦになるような直角三角形がどうしても想像できません。多分これが想像できればsinθcosΦExというベクトルが想像できて、第二項・第三項のベクトルを足してErを頭の中で組み立てる事ができるだろうと思います。何か良いアイデアはないでしょうか?それとも何か根本的に間違って考えているのでしょうか?
立体角をつかって †
風車? (2010-07-17 (土) 09:56:48)
42ページの下から5行目の「この円錐の底面に含まれている電気量は、距離の自乗に比例する」という所がよくわかりません。底面積が距離の自乗に比例するので電気量が比例するということだとはおもうのですが、底面積が距離の自乗に比例するということが、すっきりとわかりません。
- 図で、考えている点から←へ伸びる円錐と→へ伸びる円錐は、頂点の角度が同じなので、相似になっています。相似なので、高さが「底面の半径」に比例します。底面積は半径の自乗に比例するので、高さが図にあるようにa:bという比だと底面積の比はa^2:b^2になるというわけです。 -- 前野[いろもの物理学者]昌弘?
この本を読んだ後は †
カカオ? (2010-06-19 (土) 12:31:56)
この本を一通り読んだ後は、どのような問題集につなげるのがいいでしょうか。
私としては院試レベルまで持っていきたいと考えています。
- 電磁気の演習書というと、私が昔やったのは「詳解電磁気学演習」ですが、これを全部やるのはたいへんなので、選んでできるところを、という感じでしょうか。 -- 前野[いろもの物理学者]昌弘?
- 電磁気の問題集はどれでもそんなに大きな差はないと思うので、本屋で見て、解答例なんかが(自分にとって)読みやすい、と思うものを選べばいいのではないかと。 -- 前野[いろもの物理学者]昌弘?
いよいよ明日発売。 †
前野[いろもの物理学者]昌弘? (2010-04-08 (木) 19:58:23)
amazon、bk1でも注文できるようになった様子。ただしbk1だと発送まで7-21日(;_;)。
- amazonのランキング、4800位ってのはいい、と思っていい数字なんだろか。 -- 前野[いろもの物理学者]昌弘?
- amazonのランキングについての考察ページを教えてもらった。 http://ow.ly/1wuuB 面白い。 -- 前野[いろもの物理学者]昌弘?
- 現在amazonでは発送まで1〜2ヶ月になっちゃってますね… -- 前野[いろもの物理学者]昌弘?
- いつぞやの10を作るの増田です。立川のオリオン書店で平台に山積みになっていたので、試しに買ってみました。 -- 増田?
- 増田さん、どうも(ご発言見落としてましたすみませんm(__)m)。お買い上げありがとうございました。感想ありましたらよろしく。 -- 前野[いろもの物理学者]昌弘?
サポート掲示板作ってみた。 †
前野[いろもの物理学者]昌弘? (2010-04-07 (水) 12:47:22)
とりあえず作ってみました。どんな風に使うことになるかはまだ模索中。