今日の授業
最初に前回見せられなかった蛍光灯の光をレンズで集める実験を(凸レンズを回して)やってみたあと、今年の12月26日に部分日食があるので、日食の観測についてのページ
日食2009
を紹介した。
今日は波、主に光の干渉について。
下のシミュレーションをやりながら、波が重なって強め合う/弱め合うとはどういうことかを説明した。
波の重ね合わせ
二重スリット
実際の干渉の例として、回折格子を使ってレーザーの光の干渉を見せた。
最後に
来週試験で終わりということで、この授業のまとめを。
この授業は、物理もしくは中学理科の教員となる人に向けて、「どのように物理を教えるか?」という点に注意しながら物理の概念の復習を行った。
特に「初学者はどういう点を間違うか」の部分を強調したのだが、残念なことには、この授業の受講生(いつか教員になる人を含む)も見事に「初学者がやりそうな間違い」をやらかしていた。
このままでは「間違いの再生産」になってしまうので、ちゃんと修正していって欲しい。
さらにもう一つ強調しておきたいのは、本来理科教員が伝えるべきなのはここで間違い(誤概念)が発生したような概念を正しく伝えることであって、「テストの問題が解けるようになる」というのは二の次(というより、概念理解の結果としてそうなるべき)だということである。
将来あなたの教える生徒が「ドリルでやったことがある問題は解けても、大事な物理概念はまるっきり頭に入っていない」ということがないように、正しく「理科(物理)を教える」ことができる教員となれるように、がんばって欲しい、という願いを伝えて、この授業を終わる。
受講者の感想・コメント
青字は受講者からの声、赤字は前野よりの返答です。
主なもの、代表的なもののみについて記し、回答しています。
10年前の日食の日、テンション上がりすぎて日食グラスも使わず裸眼で観察してました。
それは危ないので、次のときは正しく安全な観察を。
スリットを通して蛍光灯を見たとき、めっちゃ気分が悪くなりました。
スリットじゃなくて回折格子ね。気分悪くしちゃってごめんなさい。
波はアプリで動画で見たほうがわかりやすい。
そうですね、動きって大事です。
回折をもっと詳しく説明が聞きたかった。
あのあたりは難しい(説明すると長くなる)ところなんですよねぇ。
単位が欲しいです。
テストがんばってください。
2つのスピーカーを使って、波の強め合い、弱め合いを実験すれば光よりわかりやすいと思います。
なるほどそうですね。ただ、音には音の実験の難しさがいろいろあるのですよ。
教員にもしなったら、自分なりにどんな授業を展開していけばよいか目処がたったのでよかった。
それはすばらしい。がんばってくださいね。
高校生の頃からの名残で、点数を取る勉強ばかりしてきましたが、これからは内容を理解するための勉強をしようと思います。授業おもしろかったです。
おもしろかったのなら何より。ぜひ、内容を理解して、生徒にも内容を理解させていく、教員を目指してください。
すべての授業が終わって、「波」よりも「力学」が難しかった。誤概念をもっていため、難しく感じたと思うけれど、それでも力学は難しかった。
そうなんです、力学は実は難しいのです。
たぶん教師にはならないけど、理科と授業のおもしろさが知れてよかった。一番前に座って得した気分になったのははじめてかも。
「理科が楽しい」ということは、とても大事なことだと思います。
今まで、物理は計算をするのがほとんどだったので、この授業で学んだ物理の本質を生徒にも伝えていき、理科(物理)が楽しいことを伝えていきたいです。
ぜひ、そういう教員になれるよう、がんばってください。