*プランク定数h、=h/2πなど、必要な物理定数は解答に使用してよい。
*計算の過程も解答用紙に書くこと(公式覚えてきて書いただけでは点はやれないし、途中が書いてないと部分点もあげられない)。
*以下の問いのうち、4問を選択して答えよ。5問以上答えた場合は点数の高い方から4問分を集計して得点とする。
問い1
量子力学を勉強中の下級生にこう質問されたら、あなたはどう答えるか。ほんとに下級生に教えるつもりで丁寧に書くこと。
問い2
右図のようなグラフで表される波動関数がある(虚数部はないとする)。
問い3
A,Bをtを含まないエルミートな演算子とする。
演算子Aがエルミートであるとは、任意の波動関数ψ,φに対し、
∫ ψ^* Aφ dx = ∫ (Aψ)^* φ dx
が成立することである。
問い4
左のグラフで表したポテンシャルの中で、波動関数ψ(x)が左下のグラフで表せるような定常状態ができあがっている。ψ(x)は実数であり、虚数部はないとする。
問い5
右のグラフに書かれたようなポテンシャル
V(x)=
∞(x<0)
= 0
(0≦x<L)
= V_0(L≦x)
のもとでシュレーディンガー方程式
を解く。0≦ x < Lにおける波動関数をψ_1(x)、L≦ xにおける波動関数をψ_2(x)としよう。V_0>E>0が成立しているものとする。
(1) x=0におけるψ_1(x)の境界条件はどのようなものか。
(2) x=Lにおける接続条件はどのようなものか。
(3) x=0の境界条件を考慮しつつ、ψ_1(x)を求めよ。波動関数の規格化はしなくてよい。
(4)
無限遠(x=∞)の境界条件を考慮しつつ、ψ_2(x)を求めよ。波動関数の規格化はしなくてよい。
(5)
接続条件から、V_0,E,L,,mの間に成立すべき条件を求めよ。
問い6
球面調和関数Y_l^m(θ,φ)は、ルジャンドル陪多項式P_l^m(x)
を使って
Y_l^m(θ,φ)=N P_l^m(cosθ)e^imφ
と表すことができる(Nは規格化定数)。このY_l^m(θ,φ)は
||^2 =-^2((sinθ) +)
と
L_z=-i
の両方の固有関数になっている。
(1) L_zの固有値はいくらか。
(2) ||^2の固有値は^2l(l+1)である。
P_l^m(cosθ)のみたすべき微分方程式はどのようなものか。 θを変数として書け。
(3)
x=cosθとして変数変換して、P_l^m(x)のみたすべき微分方 程式をxを変数として書け。
(4)
∫_-1^1
P_l^0(x)P_l'^0(x) dxまたは
P_l^0(cosθ)P_l'^0(cosθ)sinθ dθ
という積分はl≠l'の時0と なる。そのことを、上で作った微分方程式をつかって証明せよ。
問い7
3次元の角運動量演算子L_x,L_y,L_zは
[L_x,L_y]=i L_z, [L_y,L_z]=i L_x, [L_z,L_x]=i L_y
という交換関係を満足する。
問い8
3次元の円筒座標(r,θ,z)を考える。直交座標(x,y,z)との関係は
x=r cosθ, y=r sinθ, z=z
である(z座標に関しては同じ)。
図のように、それぞれr方向とθ方向を向いた単位ベクトルを,と書き、x方向、y方向の単位ベクトルをそれぞれ,と書く。
(1) ,を,を使って表せ。
(2) =++の、円筒座標での表現を求めよ。
(3) ラプラシアン演算子Δ=・は直交座標では++で ある。円筒座標での表現を求めよ。
(4)
z方向に重力mgが働いているとして、質量mの粒子の波動関数ψ(r,θ,z)が満足するシュレーディンガー方程式を円筒座標で書け。
(5)
ψ(r,θ,z)=R(r)θ(θ)Z(z)として、変数分離された方程式を作れ。
(6)
適当な変数を用いてR(r)の方程式とZ(z)の方程式を無次元化した方程式を作れ。
追試験は2月10日の10:20〜11:50