群速度と位相速度を目で見る

 下のプログラムがうまく動かない、という人はSUNのjavaの広場のページにいってjavaをダウンロードしてインストールしてみてください。動きが止まってしまった場合、windowをいったん閉じてからまた開くと動き出す場合があるようです。

 このグラフは、

() sin(6x-36t)で表される波1(速度6)
(黒) sin(5x-25t)で表される波2(速度5)
() これらの合成波
() 合成波の振幅を表す線

をアニメーションで示したもの。波長と振動数の関係はド・ブロイの物質波に近い形になっている。
 緑の線の進む速さが「波の塊の進む速度」、すなわち群速度であり、赤の波の「山」もしくは「谷」の進む速度が位相速度である。
 青の山と黒の山がうまく重なったところが緑の波の山になるのだが、その速度は(このアプレットで表現している波の場合)青い波の速度や黒い波の速度より速い。

 一般にsin(kx-ωt)のような波の場合、位相速度はω/kで、群速度はΔω/Δkで計算される。今の場合、黒い波は速度5、青い波は速度6であり、その合成波は位相速度は黒と青の平均であるところの5.5であり、群速度は(36-25)/(6-5)で11となる。

 群速度(緑の線の速度)が位相速度(赤の波の頭が進む速度)より約2倍速いということが見て取れる。小さい波の頭は前に進んでいるが、大きな波(緑の線)に追い越されていくことがよく見るとわかる。

 下のスクロールバーを左にするほど、アニメーションの速度が速くなる。見やすい速度に調整してみて欲しい。また「群速度と同じ速度で動きながら見る」とあるチェックボックスをチェックすると、群速度と同じ速度で動きながら(つまり、群速度が0に見えるような状態で)見た場合、波がどのように見えるかを示す。ごちゃごちゃして見にくい場合は、チェックボックスでみたい波だけをチェックするようにする。

 ほんとはkやらωやらをいろいろ変えて見れると面白いのかもしれない。またそのうちに改良します。

 ソースコードvpvg3.java

 

位相速度と群速度についてのより詳しい説明は初等量子力学の講義録の第11回へ