ベクレルってなあに?(その1)

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 1ベクレルの放射性物質とは「1秒間に1個の放射線を出す物質」を意味します。これが「ベクレル」の定義です。

 下のが「最初1ベクレルの放射性物質があった場合」のイメージアニメーションです。

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 上には、100個の「放射性物質の原子」があります。実際には原子は1個1個目に見えるものではなく、100個集まってももちろん、目に見えるほどの大きさにはなりませんが、ここでは説明の都合上、100個の粒子で一つの物体ができているものとします。
 赤いが放射性物質で、それが放射線を出すと緑のに変わります。現実の物質では一個の放射性物質粒子が放射線を出して変化して、またもう一回出してさらに変化して、という場合も有り得ます。ここでは簡単のために一回しか出さないことにしています。

 放射性物質が放射線を出して他の物質に変わること()を「崩壊」と言います。

 ここで大事なのは、放射性物質が「いつ放射線を出すか」は確率的現象だということです。一定時間経てばある確率で起こっていることは確かですが、一個の放射性物質の原子を持ってきて「これ、いつ崩壊しますか?」と聞かれてもわかりません。ただ「1秒後に(あるいは1分後に、はたまたあるいは1年後に)崩壊している確率は何%です」としか言えません(これは原子というものの不思議な性質です)。
 さて、「1秒の間に放射線を出す確率」が1%すなわち100分の1であるような原子が、100個あったとします。1秒たてば、たぶん100個のうち1個が放射線を出しているでしょう。これは確率の問題なので、ある時は1秒待っても1個も放射線が出ないかもしれません。あるいは1秒に2個も3個も出ることもあるかもしれません。

 とまぁ、いろんな可能性はあるだろうけど、あくまでも平均的に考えると、

(放射線がこれだけ出るだろうとういう予想の数)=(1個が放射線を出す確率)×(放射線を出す粒子の数)


という式が成立するだろう、と考えます。この式を使って計算される量が「ベクレル」だと思ってください。
 つまり、「1秒に1個ぐらい放射線を出すだろう」と考えられる時、その放射性物質の量を「1ベクレル」と呼びます。上の場合は、確率100分の1で100個だから、1という計算です。

 上で「最初1ベクレル」と書いたのは、時間が経つとベクレルの数は下がっていくからです。1個粒子が減って99個になれば、

(1/100)×99=0.99

で、0.99ベクレルになってしまうわけです。もっとも、これは「100個」なんていう非現実的に少ない数で説明しているからで、よく出てくるような放射性物質の場合、1ベクレルの放射性物質が、1秒ごときで1%も減ったりはしません。ただ「1ベクレル」と言われたからといって規則正しく1秒に1個ずつ出てくるわけではなく、ある程度のばらつきは常に存在します。

 「ベクレル」という単位を決める時には「1秒で何個放射線が出てくるか」で決めているのですが、「1ベクレル」というのは放射線の方を表す単位ではなく、放射線を出す方である放射線物質(つまり、)の量を表す単位です。同じ「1ベクレル」でも放射性物質の種類が違えば、その質量(何グラムとか)は変わってきます。
 どんなふうに変わるのか、それはその2で説明します。