ベクレルってなあに?(その2)


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 ではここで、違う種類の二つの放射性物質が放射線を出している様子を見てみましょう。しかし、この二つはどちらも「1ベクレル」の放射性物質なのです。

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【左側の物体】



【右側の物体】


(↑「左」「右」と書いていますが、ごれを読んでいる機械の状態によっては、上下に表示されているかもしれません。その場合は「左右」を「上下」に置き換えて読んでください)

 左側のは粒子が100個、右側のは粒子が1000個あります。それなのにどちらも1ベクレルなのはどうしてかというと、どちらも、1秒あたりに出てくる放射線の数は「1」だからです。
 ただし、時間が経つと数は減っていきます。じっくり見ていると、左側の方が速くなくなっているように感じるのではないかと思います。
 これは

・「1個減る」と左側は全体の約100分の1がなくなるが、右側では約1000分の1しかなくならない(つまりは、比率の問題!)。

という理由です。

 数が全然違うのになぜ1秒に崩壊する数が同じなのかというと、単純に言えば「右の物体を構成している粒子()の方が崩壊するのが遅い(一個あたりの崩壊する確率が小さい)」ということです。


数が全然違うのに、同じ1ベクレルなんて、測り方がおかしいんじゃない?

という疑問を持つ方もいらっしゃるでしょうか?
 放射性物質の「量」を考える時、「何kgあるか」「何トンあるか」という質量の問題も重要ですが、「いったいどれだけ放射線出すの?」という点の方が重要になる場合もあります。

 放射性物質の種類の違いにより、どれだけ放射線が出てくるかも違うので、質量(キログラムとか)は横においておいて、いろんな物質・物体の中の、「放射線どれだけ出しているのか」という点に注目して放射性物質を測るための単位、それがベクレルです。


 次のその3で、もっと数が多い(けれど1ベクレル)場合のアニメーションを見せましょう。