ベクレルってなあに?(その8)
その7に戻る
ここまで、「ベクレル」「半減期」などの言葉の意味を説明してきました。
粒子数:物質に含まれる原子/分子などの数。物質そのものの量を表す。
半減期:その放射性物質がどの程度の確率で放射線を出すかで決まる。
というわけですが、「ベクレル」という単位で表される量(放射能の強さ)は、この二つの両方で決まります。
今度は、半減期とベクレルを指定して(指定に応じて粒子数が変わる)アニメーションを見てみましょう。
0秒経過
放射能の強さ:ベクレル
半減期:秒
最初の状態では、10ベクレルで半減期は10秒になっていますが、この数値は変更することができます。
例によって、いろいろ数値を変えたりして、崩壊の様子を観察してください。
ここまで100個とか1000個とか(原子の世界では)小さな数字を扱い、半減期もずいぶん短い時間にして見せてきました。たとえば137CSの半減期は30.1年。そんな長い時間待つわけにもいかないので、短い半減期の崩壊のアニメーションを見せています。
半減期が長いということは「ゆっくり崩壊する」ということです。ゆっくり崩壊しているのに1ベクレルということは、量が多い、ということになります。ではどれくらいでしょう。まず、30.1年は秒にすると約950000000秒です。この時の1ベクレルの粒子の数は約1370000000個(13億7千万個)です。例によって下に簡易計算機をつけておきます。
半減期が年日時間分秒(=949863475秒)の時、
1ベクレルの粒子数は1370363324個です。
というわけで、このアニメーションを見る時は、現実とは全然違うスケールのものを見ていることに注意してください。アニメーションでは「1ベクレルの放射性物質」が粒子1000個ぐらいで表現されているわけですが、実際には137CSの1ベクレルは約14億個もあるわけです。でもそんなの絵で見せるのは難しい…でも少しは感じていただきたいので、「14億個ってどれくらい?」を感じるためのアニメーションを見たいかたは、その9と進んで下さい。