ベクレルってなあに?(その9)
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137Csの1ベクレル分である、約14億個=1.4×109個というのがどれほどの大きな数なのか、をアニメーションで見ます。
↓の箱(14×10×10の部屋に分かれている)が1ベクレルの 137Csだと思って下さい。分子一個はどれくらいなのか、(ボタンを押して)ズームして確かめてみてください。
←どちらかのボタンを押してズームしてください→
←どちらかのボタンを押してズームアウトしてください→
ここに14億個の分子があります。
は全体を7×2=1.4×10に分割したものです。
スピードが遅い場合は、以下のチェックを付けたり外したりして調整してください。
塗りつぶし無しの描画
最後に見えてくる◯が137Csの1個の原子です。「1ベクレル」は「1秒に1個崩壊する」量なので、これだけたくさんの137Csの原子を集めてくると、1秒に1個ぐらい崩壊(放射線が出る)ということになります。「これだけ数があるのに1秒に1個ずつ壊れていくんじゃ、そりゃ半分になるには30年ぐらいかかるなぁ」と感じてください。
これを見ると、「すごい数だなぁ」と思うかもしれません。しかし、
137Csの137というのは実は
約600000000000000000000000個(6×1023個)あつめると約137グラムになる。
という数字なのです。この約600000000000000000000000個(6×1023個)を「アボガドロ数」と言います。このすごい数を少しでも実感したい、という方は「アボガドロ数を実感する」を見て、「上には上があるのだなあぁ」と感じて下さい。
このアボガドロ数という巨大な数に比べれば、約14億個はかなり小さい数だということになります。
アボガドロ数(くどいようですが、約600000000000000000000000個=6×1023個)という巨大な数だけ集めて、やっと137グラム、ということは、1ベクレルの137Csは、
137×13700000000÷600000000000000000000000≒3.1×10-13=0.00000000000031 グラム
でしかないのでした。原子レベルの話をするとこのあたりのスケールの違いに苦労します。
・グラムで測るとこんなに少ししかない。
・個数で数えるとこんなに多い。
というあたりが、放射線を考えるような原子・分子の世界を考える時の難しさです。
このアニメーションは目に見えずとらえにくい原子の世界を、少しでも見える世界に近づけようとして作成しました。お役に立てば幸いです。