ヒッグス場も立派な「場」で、モデルとしては今日見せたバネのつながりで考えられるものです。ということは、この「場」に十分なエネルギーを与えれば、場を振動させ、その振動が伝わっていく様子を確認することができるはずです。その「ヒッグス場」の振動こそ、「ヒッグス粒子」です。
まず、ヒッグス粒子は質量がとてもおおきい。だいたい、陽子の130倍ぐらいの質量があるようです。大きい質量の粒子を作るには、それだけエネルギーが必要です。ただし、ヒッグスを見つける難しさはそれだけではありません。
ヒッグス場と相互作用することによって質量が生まれる、という話をしましたが、当然「相互作用をよくする粒子は重くなる」ということになります。ヒッグス粒子を作る(ヒッグス場を作る)ためには、ヒッグスとよく相互作用する(つまり、重い!!)粒子を使わなくてはいけません。加速器で重い粒子をたくさん作って、さらにそれをぶっつけあって「ヒッグス場を揺らす」ことが必要だったので、たいへんな実験だったのです。
なお、厳密には今わかっているのは「ヒッグス粒子だと思われる新粒子が見つかった」という段階で、これがヒッグス粒子が持っていて欲しい性質をちゃんと(全部)持っているかどうかは、今後の実験・研究次第です。
Q:CERNでは人工的に作っているんですか?
A:はい。人工的に、がんばってエネルギーつぎ込んで作らないと、ヒッグス粒子作れません。