ヒッグス粒子ってなあに?---場≒素粒子はどれだけあるか?
「場」はどれだけあるか?
人類が一番最初に発見した「場」は電磁場でした。電磁場は「量子化」すると「光子」という粒子です。
電子や陽子・中性子(←我々が目にする物質のほとんどはこの3つでできている)も「場」です。実は陽子・中性子はそれ自体が素粒子ではなくて、3つの「クォーク」と呼ばれる素粒子でできていることが知られています。クォークは6種類あると言われていて、名前は「アップ」「ダウン」「チャーム」「ストレンジ」「トップ」「ボトム」です。
さらに、電子に似ているけど約200倍重い「ミュー粒子」と、さらにその17倍ぐらい重い「タウ粒子」が発見されています。そして「ニュートリノ」と呼ばれる非常に軽い素粒子が3種類ありますが、これは「電子」「ミュー粒子」「タウ粒子」のそれぞれと関係があるので、「電子ニュートリノ」「ミューニュートリノ」「タウニュートリノ」と呼ばれています。
「物質」粒子の表
u(アップ) | c(チャーム) | t(トップ) |
d(ダウン) | s(ストレンジ) | b(ボトム) |
e(電子) | μ(ミュー粒子) | τ(タウ粒子) |
νe(電子ニュートリノ) | νμ(ミューニュートリノ) | ντ(タウニュートリノ) |
これら「物質」粒子の他に、光子(電磁場)のように力を伝える役割をする粒子がいます。これは
「ゲージ」粒子の表
光子 | 電磁力を媒介 |
W粒子 | 弱い力を媒介 |
Z粒子 | 弱い力を媒介 |
グルーオン | 強い力を媒介 |
重力子? | 重力を媒介 |
が知られています(力にはそれぞれ対応する「場」があるわけですが、その意味は下で)。
最後の重力子については、「重力子」を記述するための「重力の量子力学バージョン」はまだできていません(現代物理に残る大きな謎の一つ)。
当然起こるべき素朴な疑問
そんなバカな、真空は何もないところのはずだ!
と、叫びたくなる気持ちはよくわかります。
真空に“何か”があるのなら、触れないの?
と、疑問に持つ気持ちもわかります。
そこで「触る」ってなんなのかをもう一度考えてみましょう。