原発事故の報道の中で「半減期」という言葉がよく聞かれるようになりました。 言葉で説明されても「結局何なの?」という感想を持つ人も多いようです。こういう時こそ、動く図を使って説明してみるのもいいだろう、と思ってちょっと作ってみました。 |
核種 |
半減期 |
ヨウ素131 |
8日 |
テルル132 |
3.2日 |
ストロンチウム90 |
28.8年 |
セシウム137 |
30年 |
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FAQその2「次に崩壊する原子は予想つかないんですか?」
つきません。これは上に書いた通り、「原子には年齢という個性がない」ので「今にも崩壊しそう」とか「まだまだ大丈夫」と判断できるような違いも持っていないのです。 崩壊は、確率的に(というよりも確率的にだけ!)決まります。 |
FAQその3「で、いったいいつになったら0になるんですか??」
と、聞きたくなる気持ちはわかるんですが、それは簡単にはわからないのです。 上で説明したように半減期ごとに(確率的に)半分になっていきますが、最初が100個なら半減期で50個、半減期×2で25個、と割り算していくと、半減期×7で0.78125個になります。 ということは、(たぶん確率的に)半減期×7ぐらいで0になるはずです(実際、上のプログラムでもそのあたりで0になるはず)。 しかし、最初が1000個だったら、だいたい半減期×10ぐらいで0になるでしょう。つまり、最初の量がどれくらいかで「0になる時間」は違います。そして、実際に0になる時間は(上の二つのFAQでも説明したように)確率的にしかわかりません。 ちなみに、今ここに131gのヨウ素131があったとすると、その原子の数は 600000000000000000000000個
ぐらいです。これはだいたい半減期×79という時間で0になります(意外と速い?)。 なお、実際に0にならなくても、出てくる放射線の量がどんどん弱くなっていきます(半減期×10で元の1000分の1ぐらいになってしまう)。 |