#author("2020-09-04T21:47:15+09:00","","")
#author("2024-09-23T16:53:36+09:00","","")
#mathjax
*「よくわかる量子力学」(東京図書)サポート掲示板 [#c0a3fd5b]

[[よくわかる量子力学サポートページに戻る>http://irobutsu.a.la9.jp/mybook/ykwkrQM/]]



-[[mathjax>http://www.mathjax.org/]]を使って、TeX形式で数式を打てるようにしてあります。$または$$(もちろんほんとは全角じゃなく半角の「ドル」です)で囲んで入力してください。
-spam避けに、httpを含む文章と、英字のみの文章は登録できなくしてあります。



#article
**エルミート多項式について [#jabcbba7]
>[[物理独学生]] (2020-09-04 (金) 21:21:59)~
**束縛と散乱 [#ce7d3722]
>[[井上 恭輔]] (2024-09-20 (金) 11:02:33)~
~
P230で\[H_n\](ξ)の最高次\[\xi^n\]の係数が\[2^n\]になると書いてあるのですがこの根拠は何なのでしょうか。基本的な質問ではあると思うのですがよろしくお願いします。~
「よくわかる量子力学」ページ197に「束縛状態とは、名前のとおり、粒子がポテンシャルに束縛されて「遠く」に行けない状態である。波動関数$\psi(x)$が$x\to\pm\infty$で$0$になるような場合と考えてもよい。」とあります。これをそのまま受け取ると(自由粒子問題での)ガウス波束の定める状態は束縛状態であることになってしまいます。~

//
- mathjaxに慣れておらず読みにくくなってしまいました。すいません。 -- [[物理独学生]] &new{2020-09-04 (金) 21:26:00};
- 書き直します。 -- [[物理独学生]] &new{2020-09-04 (金) 21:29:30};
- うまく数式の位置をずらせなかったので、すみmせんが、このままでよろしくお願いします。 -- [[物理独学生]] &new{2020-09-04 (金) 21:44:21};
- 「なる」とは書いていません。「している」です。つまりそうなるようにしただけなので根拠はありません。 -- [[前野]] &new{2020-09-04 (金) 21:46:43};
- そういうふうにした理由は、あとでまとめる形に合わせたからです。慣習であるといってもいいです。 -- [[前野]] &new{2020-09-04 (金) 21:47:15};
- 修正案その1。ためしに、「位置期待値が時刻$\to\infty$で遠方に行く」を散乱の定義にするのはどうでしょうか。いえ、波数(の役目をするパラメータ)が$0$のガウス波束のように位置期待値が一定で位置標準偏差が時とともに減ることも散乱に含めようと思います。そこで、どれだけ大きい半径有限の範囲(区間)$D$をとっても$\lim_{t\to\infty}\int_D\mathrm{d}x\,\lvert\psi(x,t)\rvert^2=0$となることを散乱とするのはどうでしょうか。束縛は、ある程度大きい範囲$D$をとると$\int_D\mathrm{d}x\,\lvert\psi(x,t)\rvert^2$が$t$によらずずっと$1$に近い(井戸からの染み出しが小さい)こととするのはどうでしょうか。 -- [[井上 恭輔]] &new{2024-09-20 (金) 11:03:02};
- 修正案その2。「$H$の固有関数のうち遠方で落ちるもの(絶対値2乗積分が正で有限の値)やその重ね合わせであらわされる状態が束縛状態」、「$H$の固有関数のうち遠方で落ちない(絶対値2乗積分が$\infty$)ものたちを積分の意味で重ね合わせて、絶対値2乗積分が正で有限の値となった関数であらわされる状態が散乱状態」はどうでしょうか。教科書の定義では「固有関数」、「重ね合わせ」という言葉が抜けていたということでしょうか。 -- [[井上 恭輔]] &new{2024-09-20 (金) 11:03:22};
- 「遠くに行けない」ということで表現できているつもりだったのですが、確かに後ろの「$x\to\pm\infty$で0になるような場合」だけを見ると「一瞬そうだがその後広がる場合」が排除できてないかもしれませんね。「0である状態が続くような場合」と簡単な修正をしておこうと思います。 -- [[前野]] &new{2024-09-23 (月) 16:53:36};

#comment

**無題 [#z55565f7]
>[[eita]] (2020-08-31 (月) 14:51:04)~
**演習問題2-4 ヒント・解答についてのご質問 [#ufeebac7]
>[[ℏ]] (2024-09-07 (土) 20:55:46)~
~
p99に複素成分の波は初期状態の中に「波がどちら向きに進行しているか」という情報が入っているとの記述がありますが、それがなぜか分かりません。$-ωt$が後に付くか、$ωt$が後に付くかでどちらに進行するか変わってくるのではないでしょうか?~
p2wにある(E.2)式で、x=1/r とおいた時に(±の添え字省略)、なぜ積分範囲のr は 1/x ではなく x が正しいのですか?~
 また、 x=1/r としたときに、p13wにある(F.13)式の最後の等号はなぜ成立するのですか?~
~
 よろしくお願いします。~

//
- シュレーディンガー方程式の解の話をしているので、後ろにつくのは常に$e^{-i\omega t}$の形です。$e^{i\omega t}$は解になりません。$\omega$は通常正です。 -- [[前野]] &new{2020-08-31 (月) 16:55:25};
- rの積分ではなくxの積分にしたので、その積分範囲が表しているのは、xです。1/xにしたらむしろ間違いです。 -- [[前野]] &new{2024-09-07 (土) 21:53:32};
- (F.13)の最後の等号は、$x_-={1\over r_-}$と$x_+={1\over r_+}$を代入して整理すれば出てきます。 -- [[前野]] &new{2024-09-07 (土) 21:54:32};
- 自分の間違いを理解することができました。ありがとうございます。 -- [[ℏ]] &new{2024-09-08 (日) 02:28:23};

#comment

**無題 [#h1574513]
>[[元物理学者]] (2020-08-31 (月) 11:42:42)~
**演習問題11-1 解答 (F.73)式について [#v68651df]
>[[じょせふ]] (2024-08-28 (水) 18:50:26)~
~
量子力学では運動量がp=h/λであらわされますけど左辺はベクトル量で右辺はスカラーになっていて不自然に感じます。こういうことはよくあることなのでしょうか。よろしくお願いします。~
演習問題11-1の解答において、\(\psi_0\),\(\psi_1\)の時間項を考慮すると、(F.73)式は\(\int dx\psi_1^*a^\dagger\psi_0=e^{i\omega t}\) とならないでしょうか?~

//
- $p={h\over\lambda}$のときの$p$は「運動量の大きさ」でスカラーです。ベクトルとしての運動量なら$\vec p=\hbar\vec k$($\vec k$は波数ベクトル)となります。 -- [[前野]] &new{2020-08-31 (月) 16:53:29};
- わかりやすい説明ありがとうございました。助かりました。 -- [[元物理学者]] &new{2020-08-31 (月) 18:26:56};
- わかりやすい説明ありがとうございました。助かりました。 -- [[元物理学者]] &new{2020-08-31 (月) 18:26:58};
- よくわかる量子力学で物質波はスカラー波であり向きはないと書いてあります。こうすると波数kの向きがなくなり結果的にpの向きも分からなくなるように思えてしまい     ます。どういうことなのでしょうか初歩的 な質問だとは思いますがよろしくお願いします。 -- [[物理独学生]] &new{2020-09-01 (火) 11:37:40};
- 波には「進行方向」と「振動方向」があり、この二つの方向は独立です(同じ向きなら縦波、垂直なら横波)。スカラー波というのは縦波でも横波でもなく、その「振動方向」が空間のどっち向きでもない、という意味であり、「進行方向」がないわけではありません。 -- [[前野]] &new{2020-09-01 (火) 19:49:23};
- 波数ベクトルの向きは進行方向です。 -- [[前野]] &new{2020-09-01 (火) 19:51:22};
- よく分かりました。ありがとうございました。 -- [[物理独学生]] &new{2020-09-01 (火) 20:42:04};
- よく分かりました。ありがとうございました。 -- [[物理独学生]] &new{2020-09-01 (火) 20:42:04};
- 演習問題11-1の解答において、$\psi_0$,$\psi_1$の時間項の違いを考慮すると、(F.73)式は$\int dx\psi_1^*a^\dagger\psi_0=e^{i\omega t}$ とならないでしょうか? -- [[じょせふ]] &new{2024-08-28 (水) 19:17:10};
- 時間依存性も考えたらそうなります。ここでは時間依存性を見てない計算をしてます。 -- [[前野]] &new{2024-08-28 (水) 22:02:31};
- ご返答ありがとうございます。11.2.2節の(11.68)式では時間項を考慮して古典力学的運動に対応した状態を考えていると思いますが、これと演習問題11-1において時間依存性を見ずに重ね合わせた$\Psi$とは別物ということでしょうか? -- [[じょせふ]] &new{2024-08-29 (木) 15:56:17};
- 別というか、演習問題の解答の方では(そう書いておくべきでしたが)時間依存の部分を省略しているということです。 -- [[前野]] &new{2024-08-30 (金) 10:38:53};
- 理解いたしました。ご解答ありがとうございます。 -- [[じょせふ]] &new{2024-08-30 (金) 16:45:22};

#comment

**運動量表示(続) [#ke3accfd]
>[[Yoshitake]] (2020-07-03 (金) 10:23:55)~
**P353 D.38式 [#ta568270]
>[[picky]] (2024-06-23 (日) 11:56:05)~
~
すみません、もう一点追加で質問させてください。~
p82ではアインシュタインとドブロイの関係式から、波動関数をxで微分して$-i\hbar$をかけると運動量が出てくると考えて~
$p\psi = -i\hbar \frac{\partial}{\partial x}\psi$と置き換えていると思うのですが、これと、下の$\hat{p}|x\rangle = i\hbar \frac{\partial}{\partial x}|x\rangle$の関係はどのようになっているのでしょうか?一見すると符号が逆になっていると思うのですが。~
P353のD.38式の第4項の分子は符号を挟んで左右逆ですか?~

//
- 符号は逆にはなってません。本にも書いてありますが、$\psi(x)=\left<x\big|\psi\right>$で、$\hat p$を微分に置き換えたときの微分は、$\left<x\right|$に掛かります。 -- [[前野]] &new{2020-07-03 (金) 18:32:13};
- ありがとうございます。すっきりしました。$\hat{p}\psi(x) = \hat{p}\langle x|\psi\rangle = \langle x|\hat{p}^\dagger|\psi\rangle = \langle x|\hat{p}|\psi\rangle = -i\hbar \frac{\partial}{\partial x}|\psi\rangle$ということですね。 -- [[Yoshitake]] &new{2020-07-03 (金) 21:51:10};
- もう一つ、$\hat{p}|x\rangle = i\hbar \frac{\partial}{\partial x}|x\rangle$の関係式は位置が定まった状態ベクトル$|x\rangle$ではない、一般の状態ベクトル$|\psi\rangle$では成り立たない、ということで正しいでしょうか?つまり、$\hat{p}|\psi\rangle = i\hbar \frac{\partial}{\partial x}|\psi\rangle$は一般には正しくないということでよろしいでしょうか? -- [[Yoshitake]] &new{2020-07-03 (金) 21:55:24};
- それですっきりしちゃだめです。 $\hat p\psi(x)$も、$\hat p\left<x\big|\psi\right>$も、おかしい式です。演算子はブラかケットに掛かるもので、ブラケットの外には掛かりません。 -- [[前野]] &new{2020-07-03 (金) 23:52:18};
- $\left|\psi\right>$というのは列ベクトルのようなもの(ブラの方は行ベクトルのようなもの)で、演算子は行列のようなものです。ブラとケットで内積を取ったあとで演算子を掛けるのは、変な計算だし、当然$\hat p\left<x\big|\psi\right>=\left<x\big|\hat p\big|\psi\right>$は成り立ちません。 -- [[前野]] &new{2020-07-03 (金) 23:58:18};
- $\hat p\left|\psi\right>=i\hbar{\partial\over\partial x}\left|\psi\right>$は、「一般的には」どころか、「どっからどうみても正しくない式」です。そもそも$\left|\psi\right>$は$x$の関数じゃないのに、$x$で微分している意味がわかりませんし(無理やり微分するとしたら0かな?) -- [[前野]] &new{2020-07-03 (金) 23:54:01};
- もちろん、$\hat p\left|\psi\right>$は0でない一つの状態ベクトルです。ブラとケットがベクトルで、間に入る$\hat p$が演算子であるという意味がわかってないのではないかと思われます。 -- [[前野]] &new{2020-07-03 (金) 23:55:27};
- すみません、基本的なことが分かっていなかったです。 -- [[Yoshitake]] &new{2020-07-04 (土) 02:29:24};
- 元々の質問ですが、結局、p158の$\langle x|\hat{p} = -i\hbar \frac{\partial}{\partial x}\langle x|$の両辺に$|\psi\rangle$をかけて、これが特に$\hat{p}$の固有関数になっている場合に、p82の$p\psi(x) = -i\hbar \frac{\partial}{\partial x}\psi(x)$が出てくる、ということなんですね(?)。 -- [[Yoshitake]] &new{2020-07-04 (土) 02:55:32};
- ↑「固有関数」ではなくて「固有ケット」の間違いです -- [[Yoshitake]] &new{2020-07-04 (土) 02:56:44};
- もう一つ別のことをお聞きしたいのですが、p117で$\left(\frac{\partial}{\partial x}\right)^\dagger = -\frac{\partial}{\partial x}$となっていますよね。それで、p158の式(7.74)式$\langle x|\hat{p} = -i\hbar \frac{\partial}{\partial x}\langle x|$の両辺の$\dagger$をとると、左辺は$\hat{p} |x\rangle$となるのは良いのですが、右辺は、$i$と$\frac{\partial}{\partial x}$の符号がひっくり返って$-i\hbar \frac{\partial}{\partial x}|x\rangle$になってしまうのではないかと思ってしまったのですが、どこがおかしいのでしょうか?(何度もすみません・・・) -- [[Yoshitake]] &new{2020-07-04 (土) 03:04:10};
- 「これが特に$\hat p$の固有ケットになっている場合に」→固有ケット(になっている必要はありません。$\psi$がどんな状態でも、$x$表示では$\hat p$は$-i\hbar{\partial \over \partial x}$です。-- [[前野]] &new{2020-07-04 (土) 08:53:20};
- p117は「$\psi^*(x)=\left<\psi\big|x\right>$と$\psi(x)=\left<x\big|\psi\right>$を掛けて$x$積分」の間に${\partial \over \partial x}$を挟むという計算において、この微分がどっちに掛かるかによってどう変わるかという話をしてます。  -- [[前野]] &new{2020-07-04 (土) 08:58:57};
- それに対して${\partial\over\partial x}\left|x\right>$の共役が${\partial \over\partial x}\left|x\right>$だというときは、$x$の関数である$\left|x\right>$を微分してます。 -- [[前野]] &new{2020-07-04 (土) 09:00:22};
- 微分の定義に戻って考えると、${1\over \Delta x}\left(\left|x+\Delta x\right>-\left|x\right>\right)$というベクトルの共役を取っているだけです。結果は${1\over \Delta x}\left(\left<x+\Delta x\right|-\left<x\right|\right)$ -- [[前野]] &new{2020-07-04 (土) 09:02:21};
- p117でマイナスがついた理由は「部分積分をするから」です。ここでは部分積分の出番はありません。 -- [[前野]] &new{2020-07-04 (土) 09:02:59};
- もう一つ別のことをお聞きしたいのですが、p117で$\left(\frac{\partial}{\partial x}\right)^\dagger = -\frac{\partial}{\partial x}$となっていますよね。それで、p158の式(7.74)式$\langle x|\hat{p} = -i\hbar \frac{\partial}{\partial x}\langle x|$の両辺の$\dagger$をとると、左辺は$\hat{p} |x\rangle$となるのは良いのですが、右辺は、$i$と$\frac{\partial}{\partial x}$の符号がひっくり返って$-i\hbar \frac{\partial}{\partial x}|x\rangle$になってしまうのではないかと思ってしまったのですが、どこがおかしいのでしょうか?(何度もすみません・・・) -- [[Yoshitake]] &new{2020-07-04 (土) 10:05:08};
- ↑すみません、間違いです -- [[Yoshitake]] &new{2020-07-04 (土) 10:05:53};
- 「固有ケットになっている場合に」と書いたのは、$\langle x|\hat{p} = -i\hbar \frac{\partial}{\partial x}\langle x|$の両辺に$|\psi\rangle$をかけて、$\langle x|\hat{p}|\psi\rangle = -i\hbar \frac{\partial}{\partial x}\psi(x)|$となり、左辺は$|\psi\rangle$が$\hat{p}$の固有関数になっている場合に限り$\langle x|\hat{p}|\psi\rangle=\langle x|p\psi\rangle = p\psi(x)$になってp82の式に一致する(p82では$\psi(x)$は$\mr{e}^{2\pi i \left(x/\lambda - \nu t\right)}$で$p=h/\lambda$です)、と思ったからです。 -- [[Yoshitake]] &new{2020-07-04 (土) 10:19:41};
- $\frac{\partial}{\partial x}$の共役についてはおかげさまで理解できました。ありがとうございます。 -- [[Yoshitake]] &new{2020-07-04 (土) 10:29:40};
- $\left<x\right|\hat p=-i\hbar{\partial\over \partial x}\left<x\right|$という式は、後ろに何も来なくても(あるいは$\left|x'\right>$が来ようが$\left|p\right>$が来ようが$\left|\psi\right>$が来ようが)関係なく成り立つ式です。固有関数に限る必要はありません。 -- [[前野]] &new{2020-07-04 (土) 18:15:13};
- はい、理解できました。ありがとうございました。 -- [[Yoshitake]] &new{2020-07-04 (土) 23:55:44};
- はい、理解できました。ありがとうございました。 -- [[Yoshitake]] &new{2020-07-24 (金) 11:56:22};
- あ、本当ですね、間違ってました。 -- [[前野]] &new{2024-06-23 (日) 12:44:05};

#comment

**運動量表示 [#m08d1472]
>[[Yoshitake]] (2020-07-03 (金) 10:00:16)~
**p.159 <x+a|のテイラー展開について [#x00d8619]
>[[機械屋]] (2024-03-14 (木) 20:19:41)~
~
p159 p-表示の【補足】のところで~
演算子$\hat{p}$をx-表示すると~
$\hat{p}|x\rangle = i\hbar \frac{\partial}{\partial x}|x\rangle$~
あるいは~
$\langle x|\hat{p} = -i\hbar \frac{\partial}{\partial x}|x\rangle$~
と書けるということですが、そうすると、教科書などによく書いてある、~
「運動量演算子の座標表示は$\hat{p} = -i\hbar \frac{\partial}{\partial x}$である」といった文言は、厳密には意味がはっきりしていなくて(期待値などの計算をするうえでは単に$\hat{p}\rightarrow -i\hbar \frac{\partial}{\partial x}$に置き換えればよい、くらいの意味しかなくて)、より正確には「運動量演算子の座標表示は、$|x\rangle$に左から作用するとき$\hat{p}=i\hbar \frac{\partial}{\partial x}$であり、$\langle x|$に右から作用するとき$\hat{p} = -i\hbar \frac{\partial}{\partial x}|x\rangle$である」とするのが正しい、という理解でよいでしょうか?~
同じことをくどくど繰り返してしまっているようですが、これまで特に考えもせず$\hat{p}\rightarrow -i\hbar \frac{\partial}{\partial x}$に置き換えていたために、運動量表示のところで頭が混乱してしまい、質問させていただきました。~
7.76式までは理解できたのですが、テイラー展開との結びつきがわかりませんでした。~
どこ周りでどのような導出なのでしょうか。~
お手数ですがご教示よろしくお願い致します。~

//
- 本に書いてあるとおりで、$\hat p$が$\left<x\right|$に掛かるなら$-\mathrm i\hbar{\partial \over\partial x}$、$\left|x\right>$に掛かるなら$\mathrm i\hbar{\partial \over\partial x}$です。多くの本で$-\mathrm i\hbar{\partial\over\partial x}$だけが書いてあるのは、掛かる相手が$\left<x\big|\psi\right>=\psi(x)$だからです。 -- [[前野]] &new{2020-07-03 (金) 18:28:38};
- 掛かる相手がいつでも$\psi(x)$で、「掛かる」というのが$\left<x\big|\hat p\big|\psi\right>$という結果なのなら、安心して$\hat p\to -\mathrm i\hbar{\partial\over\partial x}$と置き換えて構いません。 -- [[前野]] &new{2020-07-03 (金) 18:30:40};
- テイラー展開$f(x+a)=\sum_{n=0}^\infty {a^n\over n!}{d^n\over dx^n}f(x)$と同じ式です。 -- [[前野]] &new{2024-03-14 (木) 23:18:50};
- aに関するテイラー展開でa=0周りの展開だったのですね。ありがとうございました。 -- [[機械屋]] &new{2024-03-14 (木) 23:47:15};

#comment



**式(12.89)について [#k72adccb]
>[[RJ]] (2023-12-14 (木) 02:21:36)~
~
p.276の~
右辺2行目で $L_{-} = -i\hbar e^{- i\phi} \left( {\partial \over\partial \theta} - i \cot \theta {\partial\over \partial \phi}\right)$…と記載されていますが、虚数iはφの微分で出てくるものの、θの微分では出てこいないので、iの係数は不要ではないでしょうか?また、1行目の頭の虚数iも不要ではないでしょうか?~

//
- 確かにこの3箇所のiは不要ですね。 -- [[前野]] &new{2023-12-14 (木) 08:40:38};

#comment

**無題 [#z82066c0]
>[[Yoshitake]] (2020-07-02 (木) 09:02:55)~
**P349 [#j147459c]
>[[匿名]] (2023-04-19 (水) 17:38:07)~
~
P229-230 エルミート多項式の計算のところで~
p229で導いた漸化式~
$a_{n-2} = -\frac{n(n-1)}{4}a_n$~
を使って$H_4$を計算しようとすると、~
まず$a_4 = 2^4=16$とすると、$a_2 = -\frac{4(4-1)}{4}16 = -48$となり、次に$a_0 = -\frac{2(2-1)}{4}(-48) = 24$~
となってしまいます。本文中では$a_0=12$となっていて、他の文献を見ても$a_0=12$となっているのですが、どこがおかしいのでしょうか?~
P349のD2式2段目において、$(A\psi)^*$部分のアスタリスクを外すと3段目のように$a(\psi^*)$となり、aにアスタリスクが付かないのはどうしてでしょうか?~
よろしくお願いします。~

//
- ああ、これは確かに我ながら説明が悪いですね。(11.20)で$n-2$次までを書いてますが、たとえば$n-4$次を書くと$(n-2)(n-3)a_{n-2}\xi^{n-4}-2(n-4)a_{n-4}\xi^{n-4}+2\lambda a_{n-4}\xi^{n-4}=0$となります。 -- [[前野]] &new{2020-07-03 (金) 00:28:42};
- 最後の$\lambda$は$n$になるので、$(n-2)(n-3)a_{n-2}\xi^{n-4}-2(n-4)a_{n-4}\xi^{n-4}+2n a_{n-4}\xi^{n-4}=0$です。 -- [[前野]] &new{2020-07-03 (金) 00:30:26};
- つまり、最後の$n$だけは次数を下げていくときに一緒に下がっていかないわけです。 -- [[前野]] &new{2020-07-03 (金) 00:32:32};
- もともと$\lambda$だった$n$は最初の微分方程式についていた「定数」ですが、それ以外の$n$は$\xi$の次数から来てます(出自が違うわけです)。 -- [[前野]] &new{2020-07-03 (金) 00:34:05};
- なるほど、計算が合いました。ご丁寧にありがとうございます。 -- [[Yoshitake]] &new{2020-07-03 (金) 09:34:27};
- D2式ではなくD22式です。訂正します。 --  &new{2023-04-19 (水) 17:38:48};
- 問題文にも書いてありますが、aは実数です。エルミートな演算子の固有値は実数になります。 -- [[前野]] &new{2023-04-20 (木) 07:45:28};
- Aがエルミートであることを見落としていました。ありがとうございます。 --  &new{2023-04-20 (木) 10:20:42};

#comment

**無題 [#fe515487]
>[[Yamamoto]] (2020-06-28 (日) 11:18:43)~
**波動関数 [#t7dedfee]
>[[坊ちゃん]] (2023-04-01 (土) 10:20:23)~
~
付録F 21w~
F.35とF.36式の間~
の積分式にdxが抜けている様です~
波動関数はハミルトニアンに対する固有関数である、という認識は間違いでしょうか?~
~
このように認識していたため、p122の問い6-2で、Hと書かずに一般化してAと書かれた意味が分かりませんでした。ψやφが波動関数であるからAはハミルトニアンではないかと思ってしまいました。~
~
お忙しい中恐縮ですが、ご教授願えますと幸いです。よろしくお願いいたします。~

//
- 抜けてます、すみません。訂正しておきます。 -- [[前野]] &new{2020-06-28 (日) 16:51:03};
- 間違いです。ハミルトニアンの固有関数を使って波動関数を求めることがよくあるのでそういう勘違いをしている人がいるようですが、一般の波動関数はいろんなハミルトニアンの固有関数の重ね合わせでいいので、波動関数=固有関数ではまったくありません。 -- [[前野]] &new{2023-04-01 (土) 16:43:49};
- ご返答いただきありがとうございます。 -- [[坊ちゃん]] &new{2023-04-01 (土) 21:20:12};
- ハミルトニアンの固有関数の重ね合わせで波動関数ψ、φが得られるとき、p122の問い6-2での演算子Aがハミルトニアンでないということがあり得るのでしょうか? --  &new{2023-04-01 (土) 21:25:41};
- Aは一般的な演算子なんですから、ハミルトニアンでないことなんていくらでもありえます。 -- [[前野]] &new{2023-04-01 (土) 21:28:37};
- ここまで、質問させていただいてもうひとつ疑問が生まれました。波動関数は一つの系に対して一つに決まるものではないのでしょうか? -- [[坊ちゃん]] &new{2023-04-01 (土) 21:29:46};
- 一つに決まるってどういう意味ですか? あと「一つの系」ってのはどういう意味ですか? ハミルトニアンが一つ決まっても波動関数はもちろんひとつには決まりません。 -- [[前野]] &new{2023-04-01 (土) 21:43:21};
- 「一つのハミルトニアンが与えられれば波動関数が一意的に得られる」という意味で、「波動関数が一つの系に対して一つに決まる」と言いました。期待値を求めるときには波動関数を用いるので、波動関数が複数あったら期待値も複数出てきてしまうことにはならないのでしょうか? -- [[坊ちゃん]] &new{2023-04-01 (土) 21:57:51};
- 「一つのハミルトニアンが与えられれば波動関数が一意的に得られる」なんてことは全くありません。ハミルトニアンを決めただけでは系の状態は一つに決まりません。それは量子力学じゃなくて古典力学でも同じです。同様にハミルトニアンを決めたって期待値は決まりません。同じハミルトニアンを持っている系でも、いろんなエネルギー期待値はありえます。これも古典力学でも同じことです。 -- [[前野]] &new{2023-04-01 (土) 22:37:33};
- 理解できました。お忙しい中、丁寧に説明していただき誠にありがとうございました。 -- [[坊ちゃん]] &new{2023-04-01 (土) 22:46:06};

#comment

**間違い箇所? [#q35cfd7b]
>[[Yamamoto]] (2020-06-26 (金) 22:23:05)~
**p95 [#y813b485]
>[[マータン]] (2023-03-24 (金) 20:22:24)~
~
よくわかる量子力学第8刷~
P353 D.35式~
eの肩~
i → -i~
ではないでしょうか?~
測定器が測定した時点で波動関数が収縮していたとするなら、崩壊時期はその時点で決まっているという事でしょうか。どうか宜しくお願いいたします。~

//
- すいません、たしかにここは$-i$です。 -- [[前野]] &new{2020-06-28 (日) 16:48:13};
- 今サポートページ見たらこの間違い、発見されていたのに訂正漏れだったようです。次で訂正してもらいます。 -- [[前野]] &new{2020-06-28 (日) 16:50:15};
- 「崩壊時期」って崩壊が起こった時間、という意味ですか? それならある程度は決まったと言っていいと思います(ぴったりは確定しないでしょうけど)。 -- [[前野]] &new{2023-03-24 (金) 21:08:02};
- 測定器が作動した時点で波動関数は収縮して、いつ崩壊するか決まるという理解で合ってますでしょうか。どうか宜しくお願いします。 -- [[マータン]] &new{2023-05-04 (木) 11:51:39};
- ちょっと、どこにマータンさんの疑問があるのかがわからないのですが、測定器が作動した時点で収縮した結果は「もう崩壊している」か「まだ崩壊してないか」なので、「いつ崩壊するか」というのが未来の話を含むのなら、それは決まってません。「いつ崩壊したのか」ということならば、「崩壊してた」と観測されたならある程度の幅を持って決まった、というのは上に書いた通りです。 -- [[前野]] &new{2023-05-04 (木) 11:57:15};

#comment

**練習問題12-12の解答について [#m08ed235]
>[[山下 実]] (2020-06-25 (木) 18:40:19)~
**p158の 7.73の導出 [#u710a1f8]
>[[A]] (2023-03-23 (木) 17:35:08)~
~
p364及びp365の符号について~
p364の最後の行$$-2/ξ**2(1/ξ-d/dξ)$$~
p365 2行目 $$2ξ(d2/dξ2+1)-2α(1/ξ-d/dξ)$$~
6行目 $$2/ξ*l(l+1)-2α(1/ξ-d/dξ)=2α*d/dξ+2(l(l+1)-α)1/ξ$$
ではないでしょうか。
   ~
7.73式は7.72式の公式を使って変形していると思うのですが、そのまま当てはめると∂/∂xではなくd/d(x-x')がでてきてしまいその先が分かりません。どのように計算すれば良いか教えてください。よろしくお願いします。~

//
- p364の最後の行は、手持ちのファイルでは${2\over\xi^2}\left(-{1\over\xi}+{\mathrm d\over\mathrm d\xi}\right)$となってます。ですから御指摘の式でOKです。 -- [[前野]] &new{2020-06-25 (木) 19:37:13};
- p365の2行目も、手元のファイルでは$2\xi\left({\mathrm d^2\over\mathrm d\xi^2}+1\right)+2\alpha\left(-{1\over\xi}+{\mathrm d\over\mathrm d\xi}\right)$ですので、御指摘の式と同じです。 -- [[前野]] &new{2020-06-25 (木) 19:41:58};
- 最後の式もあってます。 -- [[前野]] &new{2020-06-25 (木) 19:42:50};
- サポートページにある修正リストの方を参照してください。 -- [[前野]] &new{2020-06-25 (木) 19:43:46};
- この場合変数はxしかないのだから偏微分と常微分の違いはありません。 -- [[前野]] &new{2023-03-23 (木) 17:47:14};
- x'は変数では無いということでしょうか?公式の引数xと、x-x'を対応させるところまでは問題ありませんか? -- [[A]] &new{2023-03-23 (木) 18:53:30};
- ああ、x' を心配してたのですか。今の場合、デルタ関数$\delta(x-x')$は$x-x'$の関数なので、${\partial \over \partial x}$という偏微分は、$x-x'$を変数と見て${\partial \over \partial (x-x')}$と同じです。ですからそれは公式の${\mathrm d\over\mathrm dx}\delta(x)$の$x$が$x-x'$に変わったものと同じです。 -- [[前野]] &new{2023-03-23 (木) 19:00:04};
- 納得できました。ありがとうございます! -- [[A]] &new{2023-03-23 (木) 19:18:29};

#comment

**演習問題11-2回答について [#j516251f]
>[[山下 実]] (2020-06-18 (木) 12:10:25)~
**演習問題3-1の解答について [#j343b563]
>[[マータン]] (2023-03-22 (水) 13:35:20)~
~
神戸大学経済学部卒業で、67歳になりますが、退職後趣味で物理を勉強しています。~
むつかしいですが丁寧に計算式を記載していただいているので理解しやすいです。~
「係数を比較すると」の後の数式左辺でtのn乗及びn!は不要ではないでしょうか。~
位相速度が光速を超えると思いますが、許される理由が分かりません。どうか宜しくお願いします。~

//
- すいません、たしかにこの2つは不要です。 -- [[前野]] &new{2020-06-19 (金) 03:24:17};
- ヒントなどに書いてあるとおり、情報伝達速度は群速度の方で、そっちが光速を超えてなければ何も問題ないです。相対論で光速を超えてはいけないというのは情報の伝達速度です。 -- [[前野]] &new{2023-03-22 (水) 14:01:46};
- ありがとうございました。因みに位相速度が光速を超えるというのはどの様な解釈になりますでしょうか。 -- [[マータン]] &new{2023-03-22 (水) 14:28:59};
- 解釈と言われても何を答えればよいのやら? そもそも波動関数の位相にも物理的意味はないし、位相速度に物理的意味はないんです。 -- [[前野]] &new{2023-03-22 (水) 17:19:45};
- 波動関数の位相速度には意味が無いとの認識がありませんでした。納得出来ました。ありがとうございました。 -- [[マータン]] &new{2023-03-23 (木) 14:59:07};

#comment

**式(6.23)について [#qc20e5ba]
>[[草間崇夫]] (2020-05-16 (土) 17:21:28)~
**$\def\ket#1{\left|#1\right>}\def\coloneqq{:=}\mathrm{i}\hbar$ が現れる理由について [#mfd4162d]
>[[R8xt*$P!y9BC6DvP]] (2023-01-29 (日) 05:00:27)~
~
積分範囲が一周期と考えると∫ψm・ψn dx=Lとなり最後の行には周期Lが掛かると思うのですが。どうか宜しくお願いします。~
古典力学において運動量は空間並進の生成子であり、ハミルトニアンは時間並進の生成子でしたので、それによる類推からも運動量演算子は空間微分に、ハミルトニアンは時間微分に対応すると理解できるのではないかと思います。~
~
例えば、微小量 $\epsilon$ だけ $x$ 方向に空間並進させる演算子を $\hat{T}_x(\epsilon) \ \left( \hat{T}_x(\epsilon) \ket{x} = \ket{x+\epsilon} \right)$ とすると、これを $\epsilon$ の級数に展開して得られる $\hat{T}_x(\epsilon) = 1 + \frac{1}{\mathrm{i}\hbar} \hat{p}_x \epsilon + \cdots$ に現れる演算子 $\hat{p}_x = \mathrm{i}\hbar \frac{\partial}{\partial x}$(ケットベクトルに作用するときの表式)が得られると理解しています。~
~
しかし、そもそも生成子の定義で $\frac{1}{\mathrm{i}\hbar}$ がくくりだされていることが不自然に思えてしまいます。この係数はいったいどこから来たのでしょうか。~
~
他にも正準量子化 $\left\{ A, B \right\} \to \frac{1}{\mathrm{i}\hbar} \left[ \hat{A}, \hat{B} \right]$ は「古典力学におけるポアソン括弧を量子力学における交換関係に移行する」などと説明されますが、何の説明も無しに唐突に $\frac{1}{\mathrm{i}\hbar}$ が付け加えられている印象があります。~
~
シュレディンガー方程式も $\frac{\partial}{\partial t} \ket{\psi} = \hat{H} \ket{\psi}$ であれば綺麗なのにと主観的には思いますが、実際には $\mathrm{i}\hbar \frac{\partial}{\partial t} \ket{\psi} = \hat{H} \ket{\psi}$ となっています。~
~
もちろん数式を追っていけば運動量演算子やハミルトニアンの期待値が運動量やエネルギーに対応することはわかりますし、$\mathrm{i}\hbar$ が各所に現れている状態で理論が整合していることも理解できますのでそれで納得してくれと言われればそれまでなのですが、$\mathrm{i}\hbar$ にはどのような意味があるか気になってしまいます。~
~
もし $\hat{p}'_x \coloneqq \frac{1}{\mathrm{i}\hbar} \hat{p}_x, \hat{H}' \coloneqq \frac{1}{\mathrm{i}\hbar} \hat{H}$ などとしておけば $\left\{ x, p'_x \right\} = 1 \to \left[ \hat{x}, \hat{p}'_x \right] = \hat{1}, \frac{\partial}{\partial t} \ket{\psi} = \hat{H}' \ket{\psi}$ などが成り立つので「このように書いておけば理論から $\mathrm{i}\hbar$ を消せるけれど、古典力学で通常使われている運動量やエネルギーと対応させるために $\mathrm{i}\hbar$ をわざわざ書く表式を採用しているのかな」とも少し考えましたが、自由粒子のハミルトニアン $\hat{H} = \frac{1}{2m} \hat{p}^2$ がこれでは $\hat{H}' = \frac{\mathrm{i}\hbar}{2m} \left(\hat{p}'\right)^2$ のようになるので結局 $\mathrm{i}\hbar$ が出現しており、この定数はこういった小手先の変更で消えるものではないもっと本質的なものなのだと感じられます。~
~
思考を垂れ流すようなまとまりのない質問で申し訳ありませんが、コメントをいただけると大変助かります。よろしくお願いします。~

//
- この$\psi$は$\int\psi^*_m  \psi_n \mathrm dx=\delta_{mn}$と規格化されていると思ってください。 -- [[前野]] &new{2020-05-16 (土) 17:31:07};
- ありがとうございました。 -- [[草間崇夫]] &new{2020-05-16 (土) 20:23:42};
- すみません。ket や coloneqq などの非対応のコマンドを使ってしまいましたが、|・⟩ や := に読み替えて解釈してください。 -- [[R8xt*$P!y9BC6DvP]] &new{2023-01-29 (日) 05:02:41};
- まず、$\hbar$がないと次元が合いませんから、そんな式は不合理です。そもそも$\hbar$(あるいは$h$)が導入されたのはプランクの$E=h\nu$やドブロイの$p={h\over\lambda}$があって、それが実験的に正しいとわかっていたからで、根拠なしに出てきた係数ではないです。このあたりは本にもじっくり書いたつもりです。 -- [[前野]] &new{2023-01-29 (日) 09:44:09};
- 非対応コマンドについては修正しました。 -- [[前野]] &new{2023-01-29 (日) 09:44:29};

#comment

**問6-1 (4)について [#td6d8ad1]
>[[イチロー]] (2023-01-28 (土) 17:04:11)~
~
基礎的なことかと思いますが、解答の(D.20)のテーラー展開がよく分かりません。なぜx=0として後ろにB^x-1をかけたのでしょうか。このようなテーラー展開はあまり見慣れないです。~
また、問題の方だとfダッシュ(B)が前からかけられており、解答だと後ろから掛けられていますが、それらは同じなのですか?~

//
- すみません、訂正です。x=0としてB^(n)を後ろからかけたのでした。 -- [[イチロー]] &new{2023-01-28 (土) 17:05:32};
- 演算子と演算子なら順番が変わると意味が違いますが、演算子と数なので順番はどっちでも同じです。 -- [[前野]] &new{2023-01-28 (土) 18:22:51};
- f'(B)も[A,B]も演算子だと思っていたのですが、違うのですか? あと、上に書いたテーラー展開についても解説していただいてよろしいでしょうか。 -- [[イチロー]] &new{2023-01-29 (日) 12:35:08};
- $f(\hat B)$は演算子ですが、それを展開して$a_0+a_1\hat B+a_2(\hat B)^2+\cdots$のようにしたときの$a_0,a_1,a_2,\cdots$に対応する部分が${1\over n!}{d^n f(x)\over dx^n}\big|_{x=0}$です。こちらは数です。 -- [[前野]] &new{2023-01-29 (日) 13:06:07};
- これは普通のテイラー展開とやっていることは一緒です。$f(\hat B)$を$f(x)=a_0+a_1x+a_2x^2+a_3 x^3+\cdots$に$x=\hat B$を代入したものだと考えます。$a_n$を求めたければどうするか?といえば、「両辺を$n$階微分したあとで$x=0$とおいて両辺を比較する」という操作をします(これがそもそものテイラー展開の定義みたいなもの)。 -- [[前野]] &new{2023-01-29 (日) 13:09:11};
- $n$階微分することで右辺は$n! a_n + (n+1)! a_{n+1} x + \cdots$となりますが、$x=0$にすれば最初の項以外は消えます。 -- [[前野]] &new{2023-01-29 (日) 13:10:44};
- お返事ありがとうございます。D-20式に関しては納得できました。まだD-21式がよくわかりません。1月29日の前野先生の一個目の返信についてです。確かにa0,a1...に対応する部分は数だと思います。でもBハット^n-1は演算子ですよね?だったら後ろfダッシュ(Bハット)は演算子となり、前から掛かるか後ろから掛かるかで変わるんじゃないのですか? -- [[イチロー]] &new{2023-02-01 (水) 22:27:19};
- 訂正:だったら、fダッシュ(Bハット)は演算子となり、前から掛かるか後ろから掛かるかで変わるのではありませんか? -- [[イチロー]] &new{2023-02-01 (水) 22:29:22};
- 問題の設定として「$[\hat A,\hat B]$が$\hat B$と交換する場合」を考えているので、(D.21)でも順番は関係ありません。こうでない場合は、大変複雑になります。 -- [[前野]] &new{2023-02-01 (水) 23:15:20};

#comment

**間違い箇所? [#f91e1821]
>[[Yamamoto]] (2020-05-06 (水) 22:33:06)~
**p89 波動関数の絶対値の2乗にはちゃんと物理的意味がある について [#r4df5338]
>[[こめお]] (2023-01-28 (土) 12:13:53)~
~
よくわかる量子力学第8刷 下記箇所に間違いがあるのではないかと思います~
P319 A.7式の第二項~
P329 A-41式の符号~
p89の下から9行目から11行目で、粒子1個の場合でも波動関数の絶対値の2乗には物理的意味がある証拠として、「実際なら1個の粒子を見つけようとすると、どこか一点に見つかる」とありますが、なぜこれがその証拠となるのか、理解できません。~
お忙しいところ恐縮ですが、解説お願いいたします。~

//
- p319については、$\partial_x V$は${\partial V\over\partial x}$の省略記法なのですが、ここだけ省略する意味もあまりないので、次の版から${\partial V\over\partial x}$に直したいと思います。 -- [[前野]] &new{2020-05-07 (木) 07:18:12};
- p329は、(A.41)ではなく、その2行上の$\left(-{\partial^2  H(x,p)\over \partial p^2}\delta p\delta t , \delta p+{\partial^2  H(x,p)\over \partial p\partial x}\delta p\delta t \right)$が正しくは$\left({\partial^2  H(x,p)\over \partial p^2}\delta p\delta t , \delta p-{\partial^2  H(x,p)\over \partial p\partial x}\delta p\delta t \right)$でした。 -- [[前野]] &new{2020-05-07 (木) 07:21:24};
- その次の文章の「そして〜」以下まで含めて「物理的意味がある」と読んでください。「たくさん粒子がある場合の密度を表しているのだ(よって粒子が一個のときは意味がない)」という考えに対する反対として「1個の粒子であってもその粒子が見つかる確率を表しているんだから意味はちゃんとある」と反論してます。 -- [[前野]] &new{2023-01-28 (土) 18:26:30};
- 納得できました。お忙しいところありがとうございました。 -- [[こめお]] &new{2023-01-29 (日) 12:39:40};

#comment

**P334(B.3)について [#u54c626e]
> (2020-04-07 (火) 00:09:59)~
**p99 波の向きについて [#qd0c5c49]
>[[クリロナ]] (2022-12-21 (水) 17:38:30)~
~
P334(B.3)のフーリエ変換の説明において、計算過程で登場した定積分がディラックのデルタとなっていて2Lを乗じ忘れているように思えました。既にご存知である、もしくは私の間違いでしたらすみません~
p99の波動関数が複素数で表されるとなぜ波の向きが分かるのか、理解できません。p99の下の真ん中の図は、t=0のときexp(-ikx)となる波動関数の話をしているのですよね?その場合、なぜ矢印の向きに波が進んでると言えるのでしょうか?~

//
- すみません、クロネッカーのデルタでした --  &new{2020-04-07 (火) 00:15:50};
- ああ、ほんとだすみません。横になった}の下のは、$=2L\delta_{mn}$です。 -- [[前野]] &new{2020-04-07 (火) 16:38:36};
- 時間発展の方はexp(-iωt)になるので、掛算するとexp(-i(ωt+kx))になります。この式を見て「位相が同じ値を取る場所は、tが増えるとxが減る」ということを読み取ると「時間が立つとxが負の方向に進む」と判断できます。exp(ikx)の方はexp(-i(ωt-kx))になるのでxの正の方向に進むと判断できます。 -- [[前野]] &new{2022-12-21 (水) 18:16:04};
- 要は、(x-vt)の形にx,tが入っているとその波は正の方向に進み、(x+vt)の形にx,tが入っているとその波は負の方向に進むということです。exp(±ikx)の部分だけでなく、後ろにexp(-iωt)もあるということを見て判断してください。 -- [[前野]] &new{2022-12-21 (水) 18:17:31};
- よく分かりました。ありがとうございました! -- [[クリロナ]] &new{2022-12-21 (水) 18:31:05};

#comment

**P170 問い8-2について [#u98c15c8]
>[[大学生]] (2020-03-13 (金) 21:48:24)~
**一次元調和振動子の級数展開による解法について [#e06934c3]
>[[R8xt*$P!y9BC6DvP]] (2022-12-06 (火) 22:55:54)~
~
P170の練習問題(問い8-2)について質問です。~
ヒントにpψ=ikxψとありますが、これはどこからくるものなのですか?~
級数展開による解法で用いた仮定(解は $\Psi(\xi) = H(\xi) \, \mathrm{e}^{-\xi^2/2}$ の形で書かれるだろう、$H(\xi)$ は整級数で書かれるだろう、など)は、その仮定に至る経緯はある程度説明されています(その説明はとても助かります)が、結局のところはそう仮定したら要件を満たす解の列 $\left\{ H_n(\xi) \right\}_{n \ge 0}$ が得られて、それが直交完全性を成すからこの仮定でよかったのだろう、という話に尽きると割り切って考えても大丈夫でしょうか。~

//
- 計算しようとしている式は$\psi_1-ik\psi_2=0$で、$\psi_1=p\psi,\psi_2=x\psi$です。今$<x>=<p>=0$であることに注意。 -- [[前野]] &new{2020-03-14 (土) 07:19:13};
- わかりました、ありがとうございます! -- [[大学生]] &new{2020-03-14 (土) 09:36:05};
- 直交完全(規格化すればさらに正規)性がほしいのは $\{ H_n(\xi) \}$ ではなく波動関数の列 $\{ \psi_n(\xi) \}$ のほうでした(エルミート多項式自体も同様の条件を満たしますが)。 -- [[R8xt*$P!y9BC6DvP]] &new{2022-12-06 (火) 22:59:29};
- すいません、気づくのが遅くて返事遅れました。直交性を満たすのはやってみたらそうだったというよりは、エルミートな演算子の固有値が違えばその関数は直交するということは前もって知っているので、最初からの目論見どおり、という感じです。 -- [[前野]] &new{2022-12-09 (金) 23:16:56};
- いえいえ、お忙しい中質問にご回答くださいまして大変ありがたいです(といいつつ恐縮ですが、一つ下の質問にも答えていただければ幸いに存じます)。 直交性が出てくるのはエルミート演算子の性質から明らかなことで、規格化条件については係数を調節すればいいだけなので問題にはならず、さらに(固有値・固有関数を求める演算子が現実に観測できる量に対応するものであれば)出てくる固有関数系は完全系となるので、いつでも正規直交完全系が得られますね。ありがとうございます。 -- [[R8xt*$P!y9BC6DvP]] &new{2022-12-14 (水) 00:41:21};

#comment

**問い12-1 [#s749c95d]
> (2020-01-09 (木) 23:24:27)~
**古典系のハミルトニアンから量子系のハミルトニアンを与えることについて [#y4ff59ca]
>[[R8xt*$P!y9BC6DvP]] (2022-12-06 (火) 22:24:42)~
~
前野様~
お世話になっております。~
解析力学において、最も分かりやすく(?) $L = K - U$ と置いたラグランジアンをルジャンドル変換して得られるハミルトニアン $H = K + U$ はたまたま(?)系の力学的エネルギーを表しますが、「よくわかる解析力学」にも書かれているとおり、一般的にはハミルトニアンは系のエネルギーと一致しないのですよね。~
一般的なハミルトニアン $H(q, p)$ を $\hat{H}(\hat{q}, \hat{p})$ に移行することでも「普通の」ハミルトニアンと同様な量子力学の議論は可能なのでしょうか。また、正準交換関係はデカルト座標とそれに共役な運動量に限らず一般の正準変数の組に対しても成り立つのでしょうか。~
よろしくお願いいたします。~

//
- すいませんもう一つ見落としてました。デカルト座標でない場合にうまくいかない事があるということh、本にも書いてあります。 -- [[前野]] &new{2022-12-14 (水) 01:32:11};
- 例えば259ページの議論。 -- [[前野]] &new{2022-12-14 (水) 01:34:34};
- 例えば259ページの議論。 -- [[前野]] &new{2022-12-14 (水) 13:36:17};

#comment

**軽微な誤記 [#l5047446]
>[[R8xt*$P!y9BC6DvP]] (2022-12-03 (土) 13:06:02)~
~
P.263の練習問題【問12-1】について質問です。~
問12-1において、(12.50)をひっくり返してL=-p×xを計算するとすべて消えて0になってしまい、(12.50)と一致しません。~
どうすればひっくりかえした結果を(12.50)と同じ形にできるのでしょうか~
p.342 の問い 11-4 のヒントの中で $\mathrm{d}$ が $\delta$ に置き換わってしまっているとっころがあります。~

//
- p120のFAQを読んでください。ここで考えているのは演算子なので、「さらにこの後ろに任意の関数がある」と思って計算しなくてはいけません。 -- [[前野]] &new{2020-01-10 (金) 07:24:12};
- すみません、見落としておりました。ありがとうございます! -- [[問12-1]] &new{2020-01-11 (土) 22:12:17};
- すいません、たしかに間違ってますね(なんでこんなミスをしたのだろう?)。ご指摘ありがとうございます。 -- [[前野]] &new{2022-12-06 (火) 18:57:22};

#comment

**軽微な誤記 [#s2156bc7]
>[[R8xt*$P!y9BC6DvP]] (2022-11-17 (木) 15:18:57)~
~
p.183 の脚注の前の最後の一行に $\frac{\mathrm d \psi}{\mathrm d \psi}$ とありますが、この部分は $\frac{\mathrm d \psi}{\mathrm d x}$ だと思われます。~

//
- 間違ってますね。御指摘ありがとうございます。 -- [[前野]] &new{2022-11-17 (木) 17:34:09};

#comment

**運動量演算子の導出 [#pc4a9430]
>[[R8xt*$P!y9BC6DvP]] (2022-11-05 (土) 16:56:58)~
~
p.159 の補足について、前ページに記載の $\left\langle x \right| \hat p = -\mathrm i \hbar \frac{\partial}{\partial x} \left\langle x \right|$ という関係は $\left[\hat x, \hat p\right] = \mathrm i \hbar$ および状態ベクトルや演算子の定義のみから導かれ、それを用いて補足内で書かれているように式変形を行えば運動量の期待値を与える演算子が $-\mathrm i \hbar \frac{\partial}{\partial x}$ と表されることが(波動関数の具体的な形を知らずとも)分かりますから、p.82 で(天下り的に波動関数の形を与えることで)行っていた $p \to -\mathrm i \hbar \frac{\partial}{\partial x}$ の置き換えはより根源的な原理である正準交換関係から導かれるものだった(したがって、説明のために必要だったけれども原理的に言えば波動関数を指数関数の形で書かれることを仮定して運動量演算子がこうなることを説明する必要は無かった)と考えてよいでしょうか?~

//
- また、p.158 の (7.71) の第 3 式を両辺をそのまま (7.72) の関係を使って変形したのは、変数 $x’$ が $\delta (x - x’)$ という形で一箇所だけ出てくるようにしたい(そうすれば左辺の $\left\langle x | x’ \right\rangle = \delta (x - x’)$ と同じ形が作れる)ために行った、ただの数学的な技巧だと割り切って考えて大丈夫でしょうか? -- [[R8xt*$P!y9BC6DvP]] &new{2022-11-05 (土) 17:05:26};
- 日本語が不自然でした。上記のコメント中の「両辺を『そのまま』〜」の「そのまま」は不要です。 -- [[R8xt*$P!y9BC6DvP]] &new{2022-11-05 (土) 17:06:52};
- 物理で何を定義にして、何を「定義から導かれるもの」と考えるかを選ぶ自由度は常になるので、「正準交換関係から」と考えても別にいいです。その場合は「正準交換関係を満たす$\hat p$という演算子は、運動量を表す」ことをなにか他の論点から持ってくる必要があります。波動関数の形と実験的に知られる$p={h\over\lambda}$をよりどころとしないのならば。 -- [[前野]] &new{2022-11-06 (日) 21:58:07};
- 2つ目の質問。(7.72)を使ったのは$\hat p$という演算子が$\left<x\right|$と$\left|x'\right>$の間にはさまったときに何が起こるかを見たかったので、左辺を$\left<x\right|\hat p\left|x'\right>$の形にしたかったということです。その結果として$x'$がδ関数の中だけになったというのはその通りですね。 -- [[前野]] &new{2022-11-06 (日) 22:03:33};
- ありがとうございます。 -- [[R8xt*$P!y9BC6DvP]] &new{2022-11-07 (月) 08:50:11};

#comment

**記法について [#c4c03ab8]
>[[R8xt*$P!y9BC6DvP]] (2022-11-01 (火) 13:55:29)~
~
p.132 の式 6.36 は演算子を表すハットを省略せずに書くと~
~
$$ \left[ \hat x, \hat H \left( \hat x, \hat p \right) \right] = \frac{\partial \hat H}{\partial \hat p} \left[ \hat x, \hat p \right] = \mathrm{i} \hbar \, \frac{\partial \hat H}{\partial \hat p} $$~
~
となりますか?~

//
- はいそうです。 -- [[前野]] &new{2022-11-02 (水) 16:17:16};
- ありがとうございます。 -- [[R8xt*$P!y9BC6DvP]] &new{2022-11-03 (木) 07:09:29};

#comment

**ブラ・ケットと線形代数における複素ベクトル空間の標準内積について [#ncebe9d1]
>[[昔の物理学生]] (2022-10-24 (月) 10:19:06)~
~
P148のブラとケットの内積の定義(7.34)と線形代数における複素ベクトル空間の標準内積の定義を比較すると異なっています。~
複素ベクトル空間の標準内積では、~
a,bをベクトル~
ai,biをベクトルa,bの成分~
とすると、~
a・b=Σaibi*のようにベクトルbの成分が共役複素数になっています。~
(参考:大学教養線形代数、加藤文元、P243、テキスト線形代数、小寺平治、P124、など)~
これは、ブラケットは、線形代数における複素ベクトル空間の標準内積とは異なる概念である、ということを意味するのでしょうか。~
それとも、ブラケットは、内積とは異なる何かの要素を持っているということなのでしょうか。~

//
- 左右のどっちを複素共役にするかは、単に「流儀」の問題で、本質的じゃありません。 -- [[前野]] &new{2022-10-25 (火) 08:38:05};
- 物理の教科書では左に*がつく場合がほとんどです。どっちの流儀を採用しているかに気をつけておけばよくて、本質的な概念の違いはありません。 -- [[前野]] &new{2022-10-25 (火) 08:42:48};
- なるほど!「流儀」の問題ということならば納得です。有難うございました! -- [[昔の物理学生]] &new{2022-10-25 (火) 08:49:32};

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**物質波の捉え方 [#l7e3565e]
>[[大学生]] (2022-10-11 (火) 16:48:03)~
~
いま、第 3 章までを読み終わりました(以下の質問が、本書のこれ以降の内容を読み進めていけば明らかになることでしたらすみません)。~
~
まさに「概念の壁」に阻まれている状態で、物質波が何なのか分かっていません。以下のような考えを抱いてしまっていますが、これは正しくないと自分でも分かります。アドバイスを頂けたら幸いです。~
~
1. 技術の進歩によってミクロな現象を観察できるようになったところ、古典力学では説明できない現象がたくさん確認された。実験結果を整理すると、どうやら架空の「波動」を考えるとうまく説明できるようだ。~
~
2. この「波動」は直接に観測できる物理量ではないが、(例えば電磁気学でも直接に観測できる量ではない電場というものの存在を信じて $\vec{E}(\vec{x}, t)$ なるものを導入して議論をしていくように)空間中に波が存在することを空想することにする(ただし電場は試験電荷 $e$ に働くクーロン力 $\vec{F} = e \vec{E}$ を測定すればその値を調べられるのに対し、この複素数の「波」は実験を行ってもその絶対値の情報しか得られないという点において電場とは本質的に異なる)。~
~
3. 自由粒子を考えると、この粒子は古典的には等速直線運動をする。これはレーザー光が直進する(ただし遠くのスクリーンにレーザーポインターを向けると分かるようにこの光は完璧に直進するわけではなく若干ぼやける)のと同じように、実空間で $\Delta x$ の幅(≒ 粒子の広がり/大きさ)の中にある各点が波源となって一斉に球面波を出すと位相が停留する部分のみが残って平面波のように波が進行するからである。この平面波の波数が粒子の速度に対応している。ただし、レーザーポインターの光のように粒子に対応する波束も拡散していく。(しかし、p.20 の図を見るとレーザー光は単色波であっても絶対にわずかには拡散してしまうように見えますが、p.60 の図を見ると粒子に対応する波束が崩れていくのは複数の位相速度の異なる単色波が重なり合うために起きる現象だと考えられるので解釈に齟齬があります。)~
~
4. 自由粒子ではなく一般にポテンシャルの勾配がある場合も考えると、物質波にとってのポテンシャルは電磁波にとっての媒質の屈折率のようなもので、ポテンシャルによって物質波が屈折させられる現象が起きる。粒子の速度が変わる現象はこのことにより説明される。~
~
思考が電磁波の例に引き摺られすぎていていて正しくない考えに陥っているのでしょうか。正しい方向を示して頂けると幸いです。~

//
- 1.2.についてはその考えでよいです。3.については、「レーザー光単色波であっても絶対にわずかには拡散してしまうように見えます」というのは「見えます」ではなく、本当にそうです(拡散します)。レーザーだから拡散しないということはありません(遠くにいけば拡散します)。つまりは程度の問題です。 -- [[前野]] &new{2022-10-12 (水) 12:17:06};
- 粒子に対応する波束が拡散していく、というのはそのとおりです。現実においてそうでないように見えるのは、4.で述べていくポテンシャルの勾配によって閉じ込められているので拡散しきらないという場合もあるし、後で出てくる「波動関数の収縮」により収縮することがあるからだとも言えます。 -- [[前野]] &new{2022-10-12 (水) 12:19:52};

#comment

**pp.18-19 に対応する物理的な状況について [#paa789dd]
>[[R8xt*$P!y9BC6DvP]] (2022-10-05 (水) 13:13:02)~
~
p.18 にて「平面波としてやってきたので、AB 上では位相が揃ってい」た波が、p.19 では注釈 2 で説明されているように「3 次元の球面波の特徴」を用いて扱われています。ここから線分 AB 上の各点からそれぞれ球面波が出ている状況を想像しました。これに関して 4 点質問があります。~
~
1. この状況は太陽のような(といっても太陽光は単色ではないので太陽を巨大な単色の光源に置き換えて考えるものとします)遠くの光源からやってくる光を狭いスリットに通したときなどに実現すると考えてよいでしょうか。~
~
2. 小さい箱の中に光っている電球(同様に単色の光を出すと考えます)を入れ、箱にスリットを開けたときにこの状況は実現しますか?~
~
太陽光は球面波ですが、十分離れたところから発せられるために地上に届く際には平面波と近似できるので 1. は成り立つと思います。しかし同じく球面波を出す小さい箱の中の電球と箱に開けられたスリットは十分離れているとは言えないため 2. は成り立たないと考えています。~
~
3. ビーム状のレーザー光は(その断面にあたる狭い範囲の中では)平面波だと考えられますが、ここで行っている考察はそのようなレーザー光が直進性を持つことの説明にもなっていますか?~
~
具体例を 3 つ挙げましたが、要するにこの状況がどのような場合に実現するのかがよく分かっていないということです。このような状況は日常的に頻繁に実現することなのでしょうか?~
~
また、積分すると「真ん中だけが効く」ことは直感的には分かりますがうまく証明できていません。直感的に数式を処理していると間違えることもあるので論理的に説明を与えたいと考えているのですが、どのようにすればよいでしょうか(積分の結果は初等関数では表せないような気がしますが……)。~
~
よろしくお願いいたします。~

//
- 1.の状況で考えていいですが、2.の状況でもほぼ同様です(3.でも).というのは光の波長は数百ナノメートルと短いので、目でみて「細いスリット」「細いレーザー」と思っても光の波長に比べれば十分に長い(幅の間に光の波長が無数に入る)からです。波長の短さのおかげで、わりとかんたんに実現する状況になってます。 -- [[前野]] &new{2022-10-07 (金) 07:03:09};
- 真ん中だけが効くことは、真面目に積分するのは大変なので、「真ん中以外は消し合う」ことを理解してくれれば十分です。 -- [[前野]] &new{2022-10-07 (金) 07:03:50};

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**V0の値 [#fdb5a181]
>[[独学者]] (2022-08-30 (火) 11:58:25)~
~
第10章の最後の方のデルタ関数による反射の議論で少し気になったのですが、このようなモデル化をした場合、Voの値はどれくらいのオーダーと考えれば良いのでしょうか。ke^2くらいでしょうか。よろしくお願いします~

//
- どういうモデルを考えているかで違う話なので、考えているモデルに合うように決めればいいです。ここでやっているのは1次元なので、実際の物理というよりは練習問題のためのモデルです。3次元のクーロンの法則とは話がだいぶ違います。 -- [[前野]] &new{2022-09-02 (金) 08:21:23};

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