1変数の微分方程式---序論

微分方程式とは何か

「微分方程式(differential equation)」とは、関数とその微分によって表現された式である。まず微分方程式の一般的な形と性質について整理し、その後にこれを解く方法を考えていこう。

微分方程式は、独立変数x、従属変数yと、その微分ddxy,d2dx2y,の間にある

Φ(x,y,ddxy,d2dx2y,)=0

のような形で書ける関係式(Φは任意の関数)であり、この式を満たすyxという関係を(y=f(x)などのような形で)求める、というのがその目的である。グラフで考えると一階微分ddxyは傾きを、二階微分d2dx2yは曲がり具合を表現している。つまり微分方程式は「ある場所(x,y)での局所的(local)情報」の間の関係式である。一方関数y=f(x)を与えるということは、二つの変数の間の関係を大域的(global)に与えるということになる。微分方程式を解くというのは局所的情報から大域的情報を導くことであるとも言える(逆に微分は、大域的情報から局所的情報を得る)。