自然科学のための数学I/II(2014年度)

 2014年度の琉球大学理学部共通の講義「自然科学のための数学I」(前期)および「自然科学のための数学II」(後期)の講義録です。1回の講義ごとにその日の内容をまとめて夜に更新します。

 このページでは板書のまとめと授業で使用したプログラムを掲載します。

 赤字で書かれているのは授業中などに追加したコメントなどです。青字は学生からの質問など。その日の授業の最後には感想や質問を書いてもらいますが、その内容およびそれに対する解答を各日の講義録の最後につけます。

「自然科学のための数学I」の講義を始めるにあたって

御願いしたいこと

 まず、集中して聞いてください。授業中は目と耳と頭を私と私のしゃべっている内容に向けていただくよう、お願いします。教科書は指定せず、プリントにしていますが、そのため板書すべき量はかなり少ないはずです。時々、「ノートを取るのに忙しくて話を聞いてなかった」という本末転倒なことを言う人がいますが、授業を聞かないのなら教室にいる意味はありません。

 なお、他の先生は怒るのかもしれませんが、私は黒板をカメラで撮る人がいても怒りません。字を書くのが遅いので写真を撮りたい、という人はどうぞメモ替りに携帯で(可能ならシャッター音を消して)写真を撮って下さい(ただし、写真撮って安心して、写真見直すこともしないんじゃ、駄目ですよ)。

ただし、授業中に携帯でメールしたりなど他所事をする行為については激怒します。つまりは授業中は私が話していること、つまりは授業内容に集中してください、ということです。集中を邪魔するような行為はしないでください。

時々「トイレに行っていいですか?」とわざわざ聞く人がいますが、どうぞ御勝手に。わざわざ聞かれる方が授業が中断して迷惑です。

もっとも大事なお願い。

 わからないところがあったら遠慮なく質問してください。
 「こんなことを質問してもいいのだろうか」と悩む必要はありません。学問の世界での偉さの順番は

するどい質問をする人ばかな質問をする人>>>>>>>質問をしない人

です。質問をしない人は「質問できないということは、話をちゃんと聞いてないのだろう」と判断されます。せめて首をかしげる程度でもいいですからリアクションを返してください。「前に(あるいは他の授業で)聞いたはずだが忘れてしまった」という場合でも遠慮は要りません。この授業の目的はあなたたちが「数学を使いこなせる自然科学者」になることです。

 幸いなことに、大学の先生の多く(私も)は、質問されるのが大好きです。

 ただし、覚悟しておいてほしいのですが、数学は難しい学問です。これまでになかった新しい概念、新しい計算テクニックが出てきます。わからないところを残したままにしておくとどんどんわからなくなります(これはどんな学問でも同じことですが)。わからないところは早めにつぶしてください。

学問は、「新しい概念を学ぶ」という形で勉強が進んでいきます。ただ「式を覚えてあてはめればよい」という勉強をしては、絶対ダメです。

評価

 学期の最後に100点満点の期末試験を行います。60点以下は不可。

感想・コメントノート

 毎回授業の最後に、授業の感想・コメントを書いてもらいます。これは出席を兼ねています。なお、ここに質問を書いてもかまいませんが、できる限り授業中に質問するようにしてください。特に「ここがわからないとこの先もわからなくなる」ような点の質問は、最後に書いてもらっても手遅れです(下手すると、次の週に質問の答が返ってきても、質問の内容を自分で忘れている人もいます)。重要な質問はすぐにしましょう。

 書いてもらった内容および質問に関しては、次の授業でコメントして返します。一部は授業の最初で触れることもあります。また、この感想、質問などは以下で記すWebページあるいは将来出すかもしれない本等の媒体で公表されることがあります(書いた人の名前は載せません)。世界じゅうから見ることができるページに載る可能性があるわけですから、その点は御注意&御了承願います。

ホームページ

 講義の内容およびその時出た主要な質問などに対する解答および書いてもらった感想・コメントシートへの回答は、この頁にまとめます(授業の日の深夜までに更新されます)。

 主な感想・コメントへの回答は次の時間の最初でも行いますが、全部に対して答える時間はないかもしれません。早く答えが知りたいという人はこのページを見てください。

 また、授業で使ったプログラムを家でも実行してみたいという人は、このページの中で実行できるようにしておくので、心ゆくまでやってみてください。

勉強していてわからないところがあったら、理307号室まで来るか、

maeno@sci.u-ryukyu.ac.jp

までメールで質問してください。携帯のメールではないのですぐに返事はかえってこないかもしれませんが、必ず返信します。また、携帯のメールと違って夜中でも着信音は鳴らないので「今メールしていいだろうか」と心配する必要はありません。

講義録

2014.4.17 第1講
*第0章 はじめに---本講義で伝えたいこと
**0.1 我々は自然をどう記述するのか
***0.1.1 数学は自然科学のためにある
**0.2 本講義 で扱うことの「予告編」
***0.2.1 微分方程式を解く
2014.4.24 第2講
*第1章 関数
**1.1 関数とは
**1.2 簡単な関数
2014.5.1 第3講
**1.3 三角関数
2014.5.8 第4講
**1.4 関数について、いくつかの注意
**1.5 指数関数
2014.5.15 第5講
**1.5 指数関数(続き)
**1.6 対数関数
*第2章 1変数の微分
**2.1 グラフの傾きを知る方法
2014.5.29 第6講
**2.2 微分という演算
2014.6.5 第7講
**2.3 微分の性質と簡単な関数の微分
**2.4 三角関数の微分
2014.6.12 第8講
**2.4 三角関数の微分(続き)
2014.6.19 第9講
**2.5 指数関数・対数関数の微分
**2.6 高階微分
2014.6.26 第10講
**2.7 微分に関するいくつかの注意
**2.8 陰関数の微分
**2.9 微分と極大・極小
2014.7.3 第11講
*第3章 テイラー展開
2014.7.10 第12講
*第4章 1変数の積分
**4.1 積分とは何か
**4.2 無限小部分の和としての積分
2014.7.17 第13講
**4.3 微積分学の基本定理と不定積分
**4.4 その他、いろんな関数の積分
**4.5 部分積分
2014.7.24 第14講
**4.6 置換積分
**4.8 積分計算の例
2014.7.31 第15講
2014.8.7に期末試験を行いました。
A4一枚表裏を使った紙1枚を持込可とします。紙の中身は自分で自由に書いてください(友人との共同制作も可)。
2014.10.2 第16講
前期の復習
2014.10.9 第17講
*第5章 1変数の微分方程式
**5.1 微分方程式とは
**5.2 簡単な微分方程式から
2014.10.23 第18講
**5.3 微分方程式に含まれるパラメータの数
**5.4 変数分離できる微分方程式
2014.10.30 第19講
**5.4 変数分離できる微分方程式(続き)
*第6章 線型微分方程式
2014.11.6 第20講
**6.2 定数係数の線型微分方程式
2014.11.13 第21講
**6.3 定数係数の二階線型方程式の例
2014.11.20 第22講
**6.4 一般的な一階線型微分方程式
2014.12.4 第23講
**6.5 二階線型微分方程式の定数変化法
*第7章 常微分方程式で求められる現象の例
**7.1 パラボラアンテナ
2014.12.11 第24講
**7.2 懸垂線
**7.3 肉食動物と草食動物の連立微分方程式
2014.12.18 第25講
*第8章 全微分
**8.1 全微分形
**8.2 偏微分の定義と記号
2014.12.25 第26講
**8.3 積分可能条件
2015.1.8 第27講
**8.4 積分因子
第9章 多変数関数
2015.1.15 第28講
**9.2 多変数関数の方向微分と極大・極小
2015.1.22 第29講
**9.3 空間座標と偏微分
**9.3 変数を変更した時の偏微分の変化
**9.5 偏微分の注意点
2015.1.22 第30講
第10章 偏微分方程式
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