今日は三角関数の微分の続き。
ここまででわかったことは、${\theta}$が小さい(0に近い)時は、
が使えることである。残りの部分が${\cal O}({\theta}^2)$ではなく${\cal O}({\theta}^3)$なのは、$\sin$が奇関数であること(つまり、$\sin (-{\theta})=-\sin {\theta}$であること)を知っているので、${\cal O}({\theta}^2)$はないからである。
では、$\cos{\theta}$の${\theta}$が小さいときの極限はどうなるだろう。$\cos0=1$であり、かつ$\cos$は偶関数($\cos (-{\theta})=\cos {\theta}$)だから、$\cos {\theta}=1+{\cal O}({\theta}^2)$であることがまずわかる。そこで、 \begin{equation} \cos {\theta}=1+a{\theta}^2+{\cal O}({\theta}^4) \end{equation} (残りの式が${\cal O}({\theta}^3)$ではなく${\cal O}({\theta}^4)$なのも、$\cos$が偶関数だから)として定数$a$を求めてみる。$\sin ^2{\theta}+\cos ^2{\theta}=1$に代入すると、 \begin{equation} \begin{array}{rl} \bigl( \underbrace{{\theta}+{\cal O}({{\theta}^3})}_{\sin {\theta}} \bigr)^2 +\bigl( \underbrace{1+a{\theta}^2+{\cal O}({{\theta}^4})}_{\cos {\theta}} \bigr)^2 =&1\\[5mm] {\theta}^2 + {\cal O}({\theta}^4)+1+2a{\theta}^2 + {\cal O}({\theta}^4)=&1 \end{array} \end{equation}
となる${\theta}\times{\cal O}({\theta}^3)={\cal O}({\theta}^4)$のような計算をしている。が、右辺は1だから$a=-{1\over 2}$になって左辺の${\theta}^2$の係数が消えなくてはならず、
がわかる。同様に、
もわかる($\sin$の時の${\cal O}({\theta}^3)$は負だが、$\tan$の時の${\cal O}({\theta}^3)$は正である)。
これらは今後もよく使う関係式である「覚えよう」とは言わない。何度も使うから覚えてしまうはずだ。これを「何度も使わない」としたら、勉強が足りない。。これを使って、三角関数の導関数を考えよう。