積分ってなあに?(その6)


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 と言われても「ギザギザの階段でN→∞にしても、ほんとうにグラフの面積と同じだろうか? 三角形ならうまくいくけど、いつでもうまくいくんだろうか?」と心配になる人もいるかもしれない。

 そうなることをきっちり証明するには、ちゃんとした極限を取って考える必要がある。ここでは証明はしないのだが、「こういう感じで考えればいい」という雰囲気だけ(グラフで)表現しておく。




a=0.3

N=5


 上の図のように、やはり階段状ではあるが、実際の量を上回るような階段状の操作を考える。
(その4)で考えた階段では、実際よりは水量が少なくなる状況であったことと比べてみよう。N→∞の極限でこの二つが一致することを示せばよい(この場合、それは大丈夫だということは図でもわかるし、式でも示せる)。
 極限が一致しないような場合は積分が定義できないが、そんな無茶苦茶な関数は物理ではまず出てこない。
 この両極限がちゃんと一致してくれるということは、ここまでの計算で高次の微小量を無視できた(具体的には、NΔtと(N-1)Δtを同じとして扱った)理由でもある。つまり、高次の微小量の部分の計算はこの極限で消滅するので、計算する必要がなかったのである。

 というわけで、今度こそほんとにおしまい。
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