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2006.1.19

★長い間
 日記休んじゃった。なんかネタがなかったんだよな。

★今日の更新
 量子力学の講 義録、第12回。なんか今日は異常に疲れているので、学生さんからの質問・コメントのコーナーは明日追加することにする。

2006.1.20

★デスクトップのWindowsXPが起動せず
 よせばいいのにVIAのIDEのベータ・ドライバをインストールしたら、セーフモードでも起動しないはめに。
 しかも修復インストールするとディスプレイが「範囲外の信号です」とメッセージ出して真っ暗。仕方なく再インストール。録画したビデオのハードディスクが「フォーマットされてません。フォーマットしますか?」状態になって真っ青に。
 しかし、その後WindowsXPにサービスパック2をあてたらちゃんとハードディスクが見えた。
 うーむ、サービスパック2あてないと見えないディスクがあるのか???(よーわからん)

 何はともあれ、なんとか無事に動き出した。

 もっとも最近仕事もこの日記もみんなノート(P8210)でなので、そうそう不便でもないのだった(TV録画だけが問題)。

★今日はちゃんと感想へ のコメント書きました
 昨日やり残した分。

2006.1.23

★ハードディスクの謎
 「それって137GBの壁では?」というご指摘メールをいただいた。確かに使っているディスクは160GBで、ワンパーティションだった。なるほど。ところで、このディスク、時々Windowsが見失うことがあるのだが、なんかその辺りのおかしなことが起こっているのだろうか。
 謎なのは、さっき容量を調べてみたら140GBぐらい(使用領域+空き領域のこと)と出ていた。160GBのはずなのにおかしい、と思って「いっそformatしなおすか」とファイルを待避させた後、もう一度調べたら今度は160GBぐらいだった。なんでだ。
 何にせよやっぱりもう一度formatし直した方がいいのかもしれない。


2006.1.25

★こんなメールが
 来た。プロレスの技「リキボノ・スプラッシュ63」について教えてというもの。

具体的に言えば、曙がコーナーの3段目、力皇が2段目に立ちます。そして、リング上に横になった相手組の泉田選手に向かって、一緒にダイブ。2人が同時に(曙の上に力皇が重なる形で)ボディプレスをあびせるという荒技です。曙が210キロ、力皇が140キロなので、合計350キロが泉田選手を襲った…というわけです。もちろん、泉田選手はKOされました。

2人が重なったのは、マットから約1メートルの高さの地点、泉田選手までの距離を1・5メートルとすれば、一体この技の衝撃度はどれくらいあるのか。はたしてその数字は、日常生活に例を置き換えればどの程度のものなのか(乗用車が時速○キロでぶつかった、リンゴが一瞬でこなごなになる…など)。人間が道具を使わずに生み出せる数字なのか。

これらの点について、もし考察いただけるのなら、と思った次第です。

 あ〜〜〜そんなこと言われても無理ですがな。
 衝撃度と言われても、まず何で比較すればいいのかが問題ですわな。力積なのか力なのか、圧力なのか。力積だとしてもどれくらいの跳ね返り係数でぶつかったかわからんとどうしようもないし、力を出すんだとしたら衝突にかかった時間がわからないとどうしようもない。圧力ならさらに、どれだけの面積にぶつかったのかがわからないと計算できないし。

 で、実際ものを壊す威力の目安になるのって、圧力じゃないのかな。たとえばこのリキボノ・スプラッシュ、下の曙が肘を立てて「リキボノ・エルボー・スマッシュ」にしたら泉田選手はもっと痛いはずだ(接面積が小さくなって圧力高くなるから)。
曙の肘が持たんかもしれんが。。。。。。


 物理学者っつーても私は素粒子屋だから、こういう話には向かないんだよん。世の中お茶の水博士みたいな万能学ばっかじゃないのだ。

 前にも「これこれこういう車の事故だったんですが、相手の車の速度を計算できませんか」って深刻な相談受けて困ってしまってわんわんわわんだったことがあります。
 お願いです。「学者の言うことなんて実社会の役には立たない」ということをわかってください。
こんなこと言ったら世間のまっとうな学者さんたちに怒られそうだが

2006.1.26

★今日の更新
 量子力学の講義録、第13回。計算ばっかりやっている感じ。3次元の極座標のラプラシアンの話だ(^_^;)。「こういう式になる。なぜこうなるかはテキストに長々と書いたから勉強しとけ」で済まそうかと思ったんだけど、結局長々と説明した。
 学生の頃はほんと、「どうして単に∇を自乗しても△にならないんだ!」と悩んだものだったが、今にして思えば、「正しい自乗」をやってれば出てくるんだよなぁ。しっかりしろ、目を覚ませ〜〜〜>あの頃のわし
 このへんのテキスト書いていて、時々悩む。エルミート多項式の計算とか、ルジャンドル多項式の計算とか、ああいうめんどくさい計算法には回避策が(具体的には昇降演算子を使って計算すること)があったり。正攻法(級数展開ごりごり)とショートカット(演算子法)の両方を説明するようにしているのだが、結局正攻法をごりごりごりと講義中にやっていると時間がなくなるんだよなぁ。教科書でよく「付録にまわす」となっているのがあるのも納得というか(もっとひどい教科書は「読者の演習にまかす」となっているから、まかされてしまって読者が途方にくれる)。
 でも正攻法ってのは覚えておくといつか役にたったりするもんだからなぁ。やっぱり書くぐらいは書いておくべきであろうか。
 今回の3次元極座標ラプラシアンの導出は、ちょうどいい程度に正攻法でしかしちょっとショートカットというつもりでいたが、やっぱり説明してみると長かった。 

★枕詞の罪深さ
 昨日の日記で「困ってしまって」と書いて、つい「わんわんわわん」と続けてしまった。まぁなんというか、「困ってしまって」と書いてしまえば、そりゃ、「わんわんわわん」と書かずにはおれませんわな。
 んで実はわしは前から和歌の「枕詞」ってやつの存在が不思議でしょうがなかった。たった31文字しか表現スペースがないのに、

あしひきの山鳥の尾のしだり尾の
        ながながし夜をひとりかも寝む

なんてやってんじゃねーよ、と。
まぁこれは極端な例ですが。

 しかしなんとなくわかってしまった(ような気になった)。
 昨日のわしが「わんわんわわん」をついつけてしまうのと同じように、昔の人は「山」と来たら「あしひきの」とつけずにはおれなかったんじゃないかと。「夜」ときたら「ぬばたまの」とつけずにおれなかったんじゃないかと。後何があったっけか。和歌なんてのは所詮当時のコミュニケーションツールの一つだから、

「あ、いや。ついついつけちゃうよね、ぬばたま」
「ないと寂しいもんねぇ」

ってなノリだったんではあるまいか。

 しかし人が(「人が」っておい。自分のことを一般化するなよ>わし)つい「「わんわんわわん」をつけてしまうのはNHK みんなの歌がその根源なわけですが、あしひきやぬばたまはいったい何者の所業なのでございましょうなぁ。

2006.1.27

★今日の懺悔
 解析力学演習で、学生さんたちが問題解けないもんだから、こうやって解くんだよ、とやってみせてたら途中でrと書くべきところをrドット(上に・つき)で書いてしまって、そのまま計算してたら計算が終わらなくなった。
 これが時間微分なら次元で気がつきそうなもんだが、θ微分だったんだよな(;_;)。
 ああ、なんて間抜けな私。やはり何年もやっている授業でも授業前に予習は必要だ。

2006.1.28

★親子の会話
 何を思ったか、飯食っている最中に、妻が娘にモーツァルトの話をし始めた。

「モーツァルトはな、3歳の時から作曲しとったんや」
「3歳? それただ鼻歌歌ってただけとちゃうの?」
「だまって聞け。死ぬちょっと前に作った曲と、その3歳の時の曲 が、まるで続きであるかのごとく、同じぐらいレベルの出来やったそうや。すごいもんやろ」

 我が妻も、何を思ってこのひねくれもんの娘にこんな話をしたのだろう。娘が感心するとでも思ったのだろうか。娘は「それってつまり・・・・・」と言って、適切な間をとった後、こう言った。





「持って生まれた才能だけで曲作ってたってことだよねぇ。 進歩ってもんがないよねぇ」





 えらいぞ我が娘よ。それにしてもなんぼ父も母もひねくれものとはいえ、よくぞここまでまっすぐにひねくれて育ったものよ。

2006.1.31

★解析力学の参考書
 2年生に「なんかいいのないですか?」と聞かれて悩む。
 「量子力学を学ぶための解析力学入門」(高橋康)はわしの愛読書の一つなのではあるが、これはやはり、力学としての解析力学がわからなくて困っている学生に勧める本ではない(量子力学の中の解析力学まわりがわかんなくなった時に読む本)。
 よく考えてみるとわしの場合、量子力学一通り勉強し終わってから戻ってきてはじめて「あ、解析力学ってこういう意味だったのか」とわかったのだった。だから2年生に即効できく対処法は知らないのだ。
 解析力学の本で「これはいいかな」と思える「解析力学と変分原理」(ランチョス)は絶版・・・amazonでは古本で10710円で買えるようだ(^_^;)。もともと税抜き6800円と、値段の高い本で学部生の勉強用に勧めるにはつらいのだが、ますますつらい。そもそも普通に売ってたとしてもこの内容の濃さは学部生の勉強向きではないかもしれんし。ちなみに英語版なら2039円だね。

 で、結局解析力学演習では問題のプリント配って、その中に説明問題をなるだけ入れるようにしているのだが、これでは足らんしなぁ。

★前は日記がない日の日記に「日記お休み」と書いていたのだが
 最近やめた。なんかすっきりした気分。

★娘が理科のプリントやっている
 「わから〜〜ん」と言っているので何かと聞くと、光の屈折について。半球状のガラスを使って入射角反射角屈折角を測って、その後全反射が起こることを確認する、という実験なのだが。
 聞いてみると、「全反射する」という話を先生から聞いて、半球ガラスの平面の方から見て反射するんだと思って実験して悩んでいたらしい。おいおい。ガラスから空気中に出るところで全反射するんだから、球面側から光をあてて突き抜けないというところを見なきゃだめだがね。
 で、全反射が起こる仕組みを図で書きながら説明してやったりしたのだが。
 で、そのプリントの難問中の難問が「なぜ屈折するのかを考察せよ」という問題。
 うーん、この角度測るだけの実験で「なぜ」をどう考察すればよいのだ???

 とりあえず、なんで屈折が起こるかというとガラス中では光が遅くなるからだよ、と言ってフェルマーの原理による説明とホイヘンスの原理による説明を(当 然中学生向けなのでこんな言葉を使わずに)してやった。

(フェルマーの定理)
光は最短距離通ろうとする性質があるんだよ
それと曲がるのと何の関係があるのよ?
ガラスの中に入ると遅くなるから、ガラスに入るのを少し遅らせて、見かけ上遠回りになるような道を進むのさ。これが最短距離

という話をしてやったら、

はぁ〜〜〜??(←魔邪コング風)光がなんでそんなことを考えるわけ? なんでそんなに賢いわけ??
賢くないけどそうなんだ。詳しく知りたかったらテッド・チャンの『あなたの人生の物語』という小説を読め(←よけいややこしくなるようなことを言うわし)」

(ホイヘンスの原理)
光が2本、なかよく空気中を走ってくるとするわな。斜めにガラスに 入っていくとしますわな。そしたら二つの光のうちの下の方の光が先にガラスに入りますわな(←なぜか桂朝丸の動物いじめ風)」
ふむふむ。入りますわな
先にガラスに入った光は遅くなりますわな。ブレーキかかりますわな。 車が走ってきて、片側の車輪にだけブレーキかかるようなもんですわな。そしたら曲がりますわな
そら曲がりますわなぁ

 こんな調子。
 まぁこうやって楽しく親子の会話やってごまかしたわけだが、こういう説明って、「ガラス中の方が光が遅い」ということを知らなきゃできない説明なんだよなぁ。いったいこの実験でどう屈折を考察すればいいのか、わしも結局わからんままなのだった。


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