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2007.5.1

★今日の更新
 相対論の講義録、3回目
 先週の失敗を踏まえて、テンソル計算を長々やる部分はとばして「電磁波を光速で追いかけると止まった電磁波が見える・・・わけはない!」という物理的な 話を先にやる。それにしてもこれまで3年間はこの順番でテンソルまでやっても普通だったのだが、なぜいまいち学生さんのノリが悪いのだろう??
 4年目でしゃべる方も疲れているのかなぁ。

 終わった後でせっせと「電磁波と一緒に飛ぶアインシュタインのアニメーション」を作る(いや、アインシュタイン自身はアニメしないが)。これで「光と一緒に飛ぶと電磁波が止まるっ!」という説明をもう一回やる予定。

2007.5.8

★今日の更新
 相対論の講義録、4回目
 なんと1週間ぶりの日記だ!(つまり前回の更新がちょうど一週間前のこの授業だ)。

 今日はアインシュタインの1905年の論文の導入にあたる部分(電磁誘導という現象はコイルの静止系で見ても、磁石の静止系で見ても理解できる。マックスウェル方程式ってこんなに使えるじゃん、という部分)をこんなアプレット(Java3Dのインストールが必要です)を見せながら話したり、「電磁波を光の速さで追いかけるとどーなるの?」という例の疑問をこんなアプレットを見せながら話したりした後、ガリレイ変換を尊重するとマックスウェル方程式はヘルツの方程式って奴に修正されちゃうんだけど、このヘルツの方程式では実験に合わないんだよねぇ、という話など。

 それにしても今年の学生さんは静かだなぁ。毎年このあたりの話するといろいろ食いついてくるのがいたもんなんだが、今日はなんと授業中の質問がゼロ(授業終わった後に聞きに来たのはいた)。
 これはわしの授業が何か質問する気を起こさせない雰囲気になっちゃっているんだろうか??(そんな意図は全くないのだが)

★変位電流
 上のjava3Dのアプレットは、

rot E  =  -
B

∂t

を表現するためのアプレットなんだけど、えいおまけじゃ、ということで、

rot H  =
D

∂t

を表現するためのアプレットも作ってしまった。これもjava3Dをインストールしないと見れないので、動かすとどんな感じの絵が見れるかを貼り付けておくと、



 こんな感じで、中央のパイプ(導線のつもり)の中を緑の玉(正電荷のつもり)がいったりきたりする。正電荷からは赤線で描いた電気力線が出ている。電気力線は電荷と一緒にいったりきたりする(遅延効果はプログラムに取り入れていません(^_^;))。

 輪っかが描いてあるけど、この輪っかの中を通る電束を考えると、球がいったりきたりするなかで増減を繰り返すわけだけど、その増減に対応して、輪っかを回るような磁場(青矢印)が発生する、というところをアニメーションで見せているわけである。

 で、これ作りながら思ったんだけど、電磁気の教科書なんかでよくある、変位電流の必要性の説明。
 コンデンサーが間に挟んである回路に電流流して「ここには電流はないけど電束の増加はある。アンペールの法則には、電束の増加も電流と同じ役割をするとしてやらないと実験事実を再現できんぞ」というロジックを使う本が多い。
 ここで、上のような絵を描いて、「電流というのはミクロな目で見たら電荷の移動だが、電荷密度のものすご〜く薄い電流を考えると、電荷はとびとびにやっ てくることになる(上の図のような状況だ)。この時、変位電流の項がアンペールの法則になかったら、輪っかを電荷が通るその一瞬だけ磁場が発生することに なっちゃって、不自然でしょ」というロジックで変位電流の必要性を説明することもできるかもしれない。電荷密度のものすご〜く薄い電流というのが状況とし て不自然なら、「一個の電荷が飛んできた場合に、その電荷の作る磁場を考える」という問題にしてもいいな。変位電流の項が無ければ、上の状況では(電荷は 輪っかの中には入ってないから)輪っかの上に磁場はない、ということになってしまう。

 ちなみに、「電荷がちょうどこの輪っかをくぐる時には何が起こるのか、変位電流なしのアンペールの法則を使った場合と変位電流ありのアンペールの法則を 使った場合でそれぞれどんな答えが出るか、考察しなさい」というのは面白い問題かも。変位電流なしのアンペールの法則を使って考えると、その瞬間にδ関数 的に磁場が発生することになるが・・・・・(わざとこの続きは書かない)。

2007.5.10

★昨日の夜やってたこと
 →のような絵を描いてた。
 といってもこれはCGで、「紅白の市松模様の壁にアインシュタインの写真(ベロ出している有名な奴)が掛けられている。壁に沿って光速の99%で走ると、壁と写真はどんなふうに見えるか?」という問題を解いてたわけ。
 まぁよくある奴なのだが、夜中にぼちぼちやっているとローレンツ変換の式を打ち間違えたりして(;_;)、朝起きてからやり直したのがこれ。
 平面的な図を変換するプログラムになっているけど、実際は立体的に考えないといけないよなぁ、とか、ほんとはドップラー効果で色が変わるんだよなぁ、とか考え出すと切りがないわけだが。

 ちなみにこれは相対論の講義用ではなくて、夏休みに高校生向けにやる公開講座の1コーナーとして「CGで見る相対論」ってのをやろうかな、と思って。
 高校生向けだと説明の方がたいへんだよな(もっとも、大学の講義でもこれを見せて説明している時間はなさそうなんだが)。

 で、今日の夜は明日の1年向け授業に向けて、「微分のイメージ養成ギプス」(グラフ書いて接線を引いてみせるだけのプログラムだが(^_^;))を書いてみた。

 ああっ、電磁気のテキスト作りが間に合わないっ。

2007.5.11

★今日の更新
 電磁気学Iの講義録、3回目。連休があったものだからまだ3回。2週間空いたせいか、少し反応鈍し。
 質問が出ないせいで、思っていたよりも速く進んだ。ということはつまり、昨日書いたテキスト作りが間に合わない現象がさらに加速した(;_;)。
 今日も今日とて(毎週金曜日は)1日に3コマ授業。終わった後部屋で椅子3つ並べて30分仮眠。
 目が覚めたら異常にハイになってた。今深夜1:45だが、まだまだ眠れそうにない。

2007.5.15

★今日の更新
 相対論の講義録、5回目
 うーん、質問が出ないなぁ。この学年のカラーなのか、それともわしが自分でも気づかぬうちに「質問するなオーラ」を出しているのか。とにかく質問が出ない講義というのはなんか身体に響く。疲れる。
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