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★きたーーーーーーーーー
今日は息子の小学校の授業参観でした。道徳の授業をやっているのをぼんやり見ていると、隣の教室の声が聞こえてくる。なにやら音楽をかけているようだ。
「この音楽を聴かせると、こんな結晶ができます」
「おおおお(子供のどよめき)」
ちょっと待てこらなんだ今のは。
思わず自分の子供そっちのけで隣の教室へ行くと、今度は
「『ありがとう』と書いた紙を貼ったら、結晶はこうです」
「へええええ(子供のどよめき)」
「『ばかやろう』だとこうです」
「ひゃあああ(子供のどよめき)」
あああ、決定だ。
水伝きたーーーーーーーーーーーーーー!!
水伝来ました。うちの息子の小学校にも来ましたよ。
授業が終わって教室から子供がいなくなるのを見計らって、その先生に声かけた。
「ああいう非科学的な授業をなさるのはどうしてですか?」
「あ、いやちょっとまずいかなと思って他の先生と相談したんですが、いいか
なということで」
相談してこれかーーーい!
「道徳の授業で嘘教えてはいけませんよね」
「いえ、一応『これは科学的には正しいかどうかわからないことです』と前置きしました」
「私は隣のクラスの父兄だから、最初から聞いてたわけじゃないけど、途中から見る限り、あなたの見せ方は『どうだこの実験凄いでしょ』という感じで、どう見ても『正しいかどうかわからない』というふうには聞こえませんでしたよ、それに問題は『正しいかどうかわからない』じゃない。『間違っている』んです」
「え、そうなんですか、知りませんでした」
「あなた、『ありがとう』って紙貼ったら結晶の形がよくなるなんて、そんなアホな話信じたんですか?」
「いや私は言葉を大切にするという授業の中で『この話が本当だったらいいなぁ』という願望で・・・」
「つまりあなたの願望であって実験的事実じゃないでしょ。それを子供にホントみたいに語ってどーすんです」
「すいません、以後気をつけます」
そんなあっさり謝るぐらいなら最初からするなよこんな授業(T.T)
「以後って、、、、そういえば他の先生にも相談したって話ですが、他の先生がまた同じような授業されるってことですか」
「はいたぶん」
やっぱりやるのかよ(;_;)
「・・・・・・・・じゃあ後日また、この話をしに伺います」
この他にこんな人間の主観が入る実験の実験方法はどうあるべきかとか説明したり、願望でこうなったらいいな、を事実みたいに教え込むなんてやっていることは怪しい宗教団体のやっとることと変わらんと文句たれたりもしたが、あまりに先生が「あ間違っていたんですかごめんなさい以後気をつけます」でさらっと終わろうとするもんだからますますがっくり来た。
ああどうしてくれよう。とにかくもう一回学校に話しにいって、こんな授業するんじゃねー、ってことを他の先生にもなっとくしてもらわんとな。
★この話を家に帰って娘
にしたら
特に「クラシック音楽を聴かせたらいい結晶、ロックを聴かせたら悪い結晶」というところ(上には書かなかったけど、当然この話もしていたわけです)に強く反応してました。
「そんなん、差別やん。どんな音楽好きかなんて人の趣味やし」
実にごもっとも。この視点での文句を言い忘れていたことに気づいた。娘よありがとう。
★対水伝
援軍来たる・・・・・というわけで、田崎さんとapjさんから小学校に説明するための資料となるリンクなど教えてもらう。田崎さんからは「新聞に載ったってのは効きますぜ旦那」(←言葉使いはこの通りではありません)ということで田崎さん写真入りのこの記事。考えてみたらこの日記では特に水伝について解説した過去はないので、昨日の日記読んで「なんのことそれ?」と思った方はまずこの新聞記事あたりが入門になるかと。
apjさんのブログにはこの話のエントリまで作っていただいている(自分でもうれしがってコメントしてきた)。
で、どう対応するかというと、うちの学校の同僚の先生とかと相談して、とりあえず学校の校長・教頭相手にお手紙を書いてます(場合によっては更に上に向けて動くかも)。今日は学校お休み(昨日日曜なのに参観日あったから)だし、明日から息子たちの学年が宿泊で自然学習(キャンプ)で教頭不在ということらしいので、話はそれが終わってから動くでしょう。
★田崎さんから娘のツッコミへのツッコミ
ちなみに、「ヘビメタの結晶は汚い」というのは、今では、「音楽そのものではなくて、反抗的な歌詞の内容が影響した」というのが、あちらの人たちの公式見解になっているようです。
たぶん、ロックファンが抗議したのでしょう。
こういうのを世間では「ああ言えば上祐」とよく言ってたもんですが。最近は死語ですかそうですか。
ちょ〜科学(←当時は今で言うニセ科学をこう呼んでた)な人たちと戦った(←というほどたいしたものでは
ない)経験からしても、ああいう人たちというのは何を言っても屁理屈を言ってうまく逃げます。それに反論すると、今度はこっちの言葉尻の揚げ足とって勝った気になるし(^_^;)。最後には「あなたたちは悲しい人ですね」と言って去って行かれたりします。
悲しくなんかないもん。
★今日の更新
相対論の授業9回め。4年生が何人か集中講義に出るとか言うので、予定を変更して番外編であるところの「パラドックス」をやった。さすがにこいつは食いつきもよく、質問もたくさん出て面白い講義になった。
★講義途中で
「24光年」という数値が出たので「こんなの近所だよね」と言ったらどっと笑いが来た。しかしSFファンな人間にとっては24光年なんて御近所もいいところなんだよなぁ。銀河系のサイズに比べれば、もう塵芥。
あの遅い遅い光で走ってたった24年で着くんだし。
そういえば「光が遅い」ってのも日常感覚じゃないんだよな。まったく光がこんなに遅いせいで、宇宙SFが難しくって困る・・・とハードSF作家はみんな思っているはずだ。
★授業でしゃべっているうちに
相対論でよくあるパラドックスというのは、ローレンツ変換の中に含まれる3つの要素
(A)ローレンツ短縮
(B)ウラシマ効果
(C)同時の相対性
のどれかを考えてどれかを考えない、というちゅーとはんぱな考え方をした時に生まれるものが多いということに気づいた。たとえば双子のパラドックスは(B)を考えるのに(C)を考えないもんだからパラドックスに見える。二台のロケットのパラドックスは(A)を考えるのに(C)を考えないからパラドックスに見える(ガレージのパラドックスも同じだ)。あと、「ミュー粒子の寿命がウラシマ効果で延びるというが、ミュー粒子の静止系で考えれば寿命は延びないはず。じゃあどうして大気を通り抜けて地上にたどり着くの?」という疑問は(B)を考えて(A)を考えていないことに気づけば解ける。
結局、ローレンツ変換はそもそも上の3要素がワンセットで起こるものなのに、その一部だけをクローズアップして説明してしまうと、なんかおかしなことが起こったように思えてしまい「パラドックスだ!」と思ってしまうわけだ。
何かある現象を教える時に、現象の持つ属性の一部を強調するようなことをすると、誤解を生むこともよくあるという教訓である。気をつけよう(これは自分に言ってます)。
なお、相対論の本(特に通俗書)では、(A)や(B)ばかりを取り上げすぎである。だからパラドックスに悩む読者が後を絶たない。(C)の同時の相対性は、ローレンツ変換の3要素の中でも、一番感覚に合わないのだから、むしろ力入れて説明すべきなのだ。
★昨日の授業
同僚の先生二人(わしの相対論の次の時間に初等量子力学を教えている人と、さらにその次の時間に計算物理学を教えている人)から、「昨日の授業中、3年生が元気なかった。理由を聞いたら『相対論がぁ・・・』とうめいていた」との報告を聞く。
うーん、相対論の授業中はいろいろ質問も出て、みんな元気あるなぁ、と思っていたんだが・・・・・そんなに疲れる授業だったのか?
もしかしてみんな、相対論で燃え尽きたのか?そうなのか???
昨日の授業では「じゃあ、ガレージのパラドックスに関しては自分で考えてね」で終わったから、次の授業中も考え続けていたのかもしれない。
でも初等量子力学や計算物理学の授業もちゃんと受けろよ〜〜。
★今日の更新
電磁気の授業、9回目。ああもう後5回しか授業ないのか。もう少し余裕欲しいなぁ。今電磁気I、電磁気II、相対論と担当しているのだが、これ「電磁気I」、「電磁気II」、「電磁気III・相対論」として相対論の方に電磁気の話の一部を放り込んだ方が密度的には適当かもしれない。
★校長先生から電話
昨日、水伝授業に関する抗議というか、「ちゃんとやってよね」という要請というか、こんな手紙を書いて嫁はんに渡しに行ってもらったのだが、それに関しての電話。いろいろ資料つけてどう悪いのかを説明しておいたので、まずい授業をやったということは気づけていただいたようで、他の先生にもこういうことしないよう徹底します、という話であった。さてこれで安心していいものやらどうやら。
もちろん、「なんでこういうことになったのか知りたいので報告ください」とは言っておいた。
★朝起きたら〜〜〜〜
ここんとこ疲れ気味であったが、今日は何もないのでぐっすり寝てやろう・・・と思って目が覚めて「いや待て、朝のうちに散髪行っておいた方がいいな」と思って布団から出て、時計を見たら13:30だった。
もう朝は返ってこない。
その後散髪行く前にシャワーしようとしたら、シャンプーがなかった。横に「低刺激シャンプー」というのがあったので「これでいいや」と使った後でよくよく見たら、
「子犬用」
と書いてあった。
わし大人なのになぁ。
いや問題はそこではないぞ。
★昨日の授業で生徒との雑談
物理学基礎演習Iという授業は名前の通り演習授業で、簡単な問題(昨日のはベクトルの演算とか)のプリントを配って、できた学生が発表する。で、問題を解いている時間は、ある程度学生同士で雑談してても私は黙認している。自由に話し合う雰囲気の中で物理を考えるのも大事なことだからである。それに、自分が学生の時、演習問題を解いている時間友達としゃべっているのがとても楽しい時間だったという思い出のせいもある。
学生の一人が最近「空想科学読本」に凝っているとかで、「先生、ウルトラマンに詳しいですか?」なんて聞いてくる。
誰に聞いているつもりだ、くわしいに決まっているだろうが。
んで、他の学生との雑談を聞いていると、「地球のどこかで怪獣が出た時に、ウルトラマンが到着できるためには、世界中にウルトラマンがいなくてはいけない。何人かというと・・・・」と「空想科学読本」の話をしている。
こういう話を聞いては黙っていられないのがわしである。こう一喝した。
「愚か者!!。ウルトラマン本編の中に『日本の名物は地震・怪獣・ウルトラマン』という意味の台詞があることを知らんのか。あの世界では怪獣もウルトラマンも日本でしか出ないことになっておるのだ!」
↑実際はこんなにえらそうには言ってません(^_^;)。
何かを計算したりする時には、その対象の情報を整理した上で前提条件を確認してから行わねばならぬ、ということのよい教訓となったであろう。
いやあんたそんな大層な。
★校長先生への手紙
昨日の日記で触れたやつ。こんな手紙を書きました、ということでリンク先にあるので興味ある方は読んでください(昨日リンク張り忘れていたので今頃また書いている)。
★今日の更新
相対論の授業10回め。こっちもいよいよ残りが少なくなってきた。
★名桜大学で科学と疑似
科学シンポジウム
ということをパネラーの一人である菊池さんより聞いて、夜聞きにいく。kikulogの関係エントリはここ。2時間の予定だったが、講演3つで時間をほぼ使い切った。時間足りなかったかな。パネルディスカッションではEMな人からの「EMはニセ科学なんですか?」という質問があったりして何が起こるかとわくわくひやひやしたが、主催者側はあまりこの話を続けさせなかった。残念ほっとした。菊池さんも日本全国走り回って御苦労様である。
★前回の相対論授業の後
の、6月19日の日記について、ryonさんより、
6月19日の相対論の説明に重要事項の説明が抜けていると思います。(学生相手なら問題ないのでしょうが、一般向けだと問題があるかと)
アインシュタインが特殊相対性理論を思いついたのは、マクスウェルの方程式の矛盾と解消法に気づいたからです。
(A)(B)(C)が全て実現されると矛盾が解消される、つまり、言い替えると、どれか一つでも欠けたら矛盾が解消されないわけで、それが「3要素がワンセット」で考えるべき理由となっているわけです。
「相対論でよくあるパラドックス」は、大抵、相対論が産まれた過程を無視しているので、結論の突拍子のなさだけを槍玉に挙げます。
だから、「ワンセット」で考えるべき「3要素」をバラして考えてパラドックスだとか言い出すわけです。
ということで、相対論が産まれた過程こそ力を入れて説明すべきことと思います。
という御意見をいただく。確かにこれは重要なポイントで、いわゆる相対論は間違っていたな人(縮めて「相間」)はよく「光速一定だなんて言うけど、なんで光だけがそんなにえらいんだよ!」ということを言って相対論を批判するのだが、それもこのポイントが啓蒙書などで軽視されやすいからで、「光が一定」というのは「マックスウェル方程式」という「物理法則」から導かれる1現象にすぎなくて、相対論が大事にしているのは「マックスウェル方程式」の方なのである。
で、このポイントについては授業ではもちろん強調してますし、もし「相対論は何故誤解されやすいのか?」という講演をやるんだったら絶対に入れるでしょう。19日の日記では、日記であって論文でも講演でもないので、全項目網羅するまでもないと思って触れてません。この点を軽視しているわけではありませんのでお間違いなく。
★娘から聞いた、娘の友人間でのメール
(多少、脚色入ってますがほぼ事実です)
「合コン出るよ!」
「合コン?」(註:娘は中学生なんで、このメールも中学生間です)
「メンバーは○○と××と私と粒子で、4人ね」
「ええ、合コン〜〜〜??」
「うん、で踊るからね」
「踊る??? 合コンで??」
「踊るの。私ら4人で踊るの」
「なんで合コンで踊るの〜〜」
「練習するからね!」
「なんで練習までして合コンで踊るの?」
「相手は何人?」
「そりゃ、学校全員だよ」
「が、が、が、が、学校全員!?」
「どーゆー合コンやねん」
「ちょっと待ておい、おまえの言う合コンって、、、」
「もちろん、合唱コンクールだよ」
「はらほれひれはれ」
わしが、娘に「おまえそれアンジャッシュのネタやろ」と言ったことは言うまでもありません。
★今日の更新
電
磁気の授業、10回目。ああもうあと4回しか授業がない。それなのに今日は学生のリクエストに応えて、「☆に電荷を並べた時の電気力線」なんてものを書いて遊ぶ時間を入れたりするわし。
まぁこれはこれで面白いし、このとがった部分は電位が高いのか低いのか、とか考えるのは面白い問題ではある。
★と書いた後で思った
が、
頂点部分にどかどかと点を打つかどうか、その辺のルールをちゃんと決めないと答え出ないな、これ。学生には絶対にとがった方が電位が高くなるみたいに言っちゃった。訂正入れとこう。
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