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★センター試験
昨日は試験監督してきました。悪名高い英語リスニング試験。
じーーっと立って受験生が解いているのを見てたんですが、「ここで屁こいちゃったらどうしよう」と思うと、気が気じゃありませんでした。
同じ姿勢で立ち続けていたら、膝関節が一回「ごきっ」と音立てたのは自分でびっくりした(しーーーんと静まりかえってたから、そんな音も聞こえそうで怖い)。
物理の問題、東進のセンター速報でざっと見ましたが、計算問題が例年より少ない。「赤外線、可視光、電波を波長の順に並べろ」とか「カメラのレンズの下半分隠したら像はどうなる?」みたいな「これは平成教育委員会の理科の問題か」みたいなのもけっこうありました。
まぁむやみに難しいよりはこういうのもいいとは思うんですが、さて受験生の反応はどうだろうなぁ。
「公式たくさん暗記して行ったのにほとんど使わなかった。だまされた」みたいな反応が多そうで怖いな。最近の受験生は、パターン外されると弱いから。
★今日の更新
波動論の講義録、12回目。なかなか進まないなぁ。
★柔軟な思考
1年生向けの物理演習で、こんな問題を出してみた。
マイナスの質量の物体があるとする。この物体に対しては、運動方程式 F=ma のmも、万有引力の法則 F= GMm/r^2 の mも同時にマイナスになるようなものとする。地球上でこの物体は
(A)落ちる。 (B)加速しながら上昇する。 (C)静止する。
のどれか。
これをそこにいた学生に聞いてみると、みんながみんな(B)だと言う。「どうして?」というと、「質量がマイナスだから力が上向きに働きます」。orz
「でも運動方程式見てごらん。このmもマイナスになるよ」と言ってみたが、それでもみんな(B)を選ぶ。Or乙
力が上向きに働くところまではいいのだが、質量がマイナスなら、力の向きと加速度の向きが逆だから、加速度は下を向く、つまり質量がプラスだろうがマイナスだろうが「落ちる」というのが正解なのだが。
ちなみにこのことは、マイナス質量の物体があったとしても等価原理は成立する、ということを意味する。
思わず「君達若いのにそんな頭の固いことでどーする。そんなんじゃ3年なった時に量子力学勉強したら頭爆発するぞ。量子力学ではこれまでの常識なんてまったく役に立たなくなるぞ」と説教モードに入ってしまった。
しかし、なんでなんだろうな。「重力が上を向く」はみんなちゃんと理解したのに「加速度が力と逆になる」ということには全く考えが及ばないというのは不思議だ。
★今日の更新
電磁気学IIの講義録、12回目。うーん、こっちも進まないなぁ。今日は単極誘導の話でなかなか面白く盛り上がれたのではあるが。そのせいで自己インダクタンス、相互インダクタンスとかの説明が後ろにはみ出した。後2回しかないのにまだ最後のマックスウェル方程式が残っている。。。。。
★高校物理教員を目指す琉大生のための談話会
というのを企画して開いた。沖縄県下で高校物理教員をしておられる先生方(いつも研修会などに混ぜてもらっている)に琉大に来てもらって、教員を目指す学生さんにいろいろ話してもらえれば、と思って去年からやっているのだが、今年は高校の先生方6人に来てもらったのに、聞きに来た学生の方も6,7人。大学の先生も合わせると先生の方が多いという悲しい結果に。
それにしても、うちの学生さんには「高校の先生になりたいんです!」というのが多い(下手すると学年の半分ぐらい)のに、せっかくこういう談話会開いているのになんで来てくれないんだろうなぁ(;_;)(;_;)。
苦労話もいろいろ聞けたし、スプーン曲げのやり方から静電気でびりっと来る実験やら、いろいろ面白い授業のネタ話もしてもらえたのに。それにしても沖縄の高校物理の先生、面白い人が多い。
忙しい中わざわざ来てもらったのに本当に申し訳ない。次から(やるかどうかを含めて)やり方考えないとなぁ。
★今日の更新
波動論の講義録、13回目。なかなか進まないなぁ。と、気分はまるでデジャブー。
波動現象の肝であるところの「干渉」をやってない。これははげしくまずい、と思うのだが、さて補講するかなぁ。何人ぐらい来てくれるかなぁ。。。。
★今日もがっかり
先週はマイナス質量問題でがっかりしたわけだが、それ以外にも「仕事の定義は何か、エネルギーとの関係は何か」というあたりがよくわかってない様子だったのでその辺を説明しつつ演習させていたのだが、「単振り子が振れている時に糸の張力は仕事をしない」ということすらなかなか出てこないという状況に、ちょっと疲れ果ててしまった(;_;)。
なんとかせんといかんな。先週「こんなんじゃ量子力学勉強したら頭爆発するぞ」と言ってたのだが、この状況では2年生の力学・電磁気で頭が大破炎上する。