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2008.11.6

★今日は中学校
 前々から細々と続けている「大学の物理の先生が小学校に行って物理実験みせて、純真な子供に科学の芽を植え付けちゃうぞ作戦」(琉大物理系のWikiのここ)、今回は初めて中学校へ行ってきた。小学校と高校からは依頼が来たものの、まだ中学校からはなかったのである。
 中学生となると難しい時期だし、高校生ほど聞き分けはよくないし、というわけでちょっと不安だったのだけど、今日の生徒さんはよい子たちで、なんとかなりました。小学生に比べてリアクションは少し弱いけど、やっぱり飛びつく奴は飛びついてきますな。一方、小学生に比べてシャイな子供が増えるのか、友達がわいわいとやっているのを遠巻きで見る感じで参加してこないのもいたりする。あと、小学生に比べると行動が速い。いきなり液体窒素に自分の鉛筆とかつっこもうとする(^_^;)。それだけ小学校の時より自分に(無謀な)自信が持てるようになったのかね(^_^;)?
 小学校の先生もたいへんだな、と思ってたけど、中学校もまたこれはたいへんそうだ。

 ところで中学校の先生から「これは何か(大学とか文科省とか)のプロジェクトなんですか?」と聞かれた。いいえ、単に好き者の物理屋が手弁当でやっているだけのものです(^_^;)。なんか恐縮されてしまったけど、私らは子供相手に「科学のセールスマン」をやっているつもりなので、お気楽に呼んでください。

★中学校から帰ってきた後
 先生たちだけで実験して遊ぶ(^_^;)。何したかというと、磁性流体で、超伝導体の着磁(ピン止め現象)の様子を確かめた。四角い磁石、丸い磁石、リング状の磁石などの上で超伝導体(こいつ自体は円盤状)を冷却して磁束をトラップさせ、その後で磁性流体に近づけて、「ちゃんと磁石の形覚えているじゃん!」というところを見た。四角い磁石からトラップした磁力線による形がいまいち四角くなかったのがちょっと残念だったけど、丸いのは丸く、リング状のはリング状に磁力線が来ているのがわかって楽しかった(ある程度超伝導とかピン止めとかがわかった後でないと楽しくないかもしれない)。
 ほんとは着磁してない超伝導体を使って、磁場が遮断される(完全反磁性)ところを見たい、と思っていろいろやってみたんだけど、それはいまいちうまくいかない。磁性流体のスパイクの林が、完全反磁性体が近づくことで、「モーゼの十戒」のシーンのごとくかき分けられる…というところがみたいんだがなぁ。

 やってて参ったのは、冷やしすぎると磁性流体が固まってしまうこと。どっかに超伝導になる温度でも使える磁性流体ないか(^_^;)。逆に磁性流体が固まらない温度の超伝導体でもいいけど。
そんなのあったら苦労せんわ。

2008.11.7

★今日は長い一日
 朝9時から10時までM1のゼミ。途中で抜けて、10時45分から、近所の小学校へ出前講座。昼から電磁気学IIと物理学基礎演習IIと、授業二コマ連続。その後会議一つやって、最後の高校の先生の物理研究会の月例会に顔を出して今度の出前授業について相談。長かったなぁ。

★というわけで講義録更新
 電磁気IIの第5回。今日はいよいよビオ・サバールだが、やっぱりちょっと脱落気味。授業中には、

{\rm rot}\vec H=\vec jという式の両辺のdivをとると、左辺は0になりますが、右辺が0になるとは思えないのですが。

という、なかなかにクリティカルヒットな質問も出た。
 それにしても感想で一番多かったのが「ビオ・サバールって一人の人間じゃなかったんですね!」だったのはちょっと笑った。

★小学校では
 いろんなオモチャ作りをしたんだけど、わしの担当は「重心さえちゃんととってやればコマってのは別に軸対称な形してなくてもちゃんと回るんだよ」のコーナー。子供たちは亀だのコウモリだの大根だの、「店」という漢字(なんで?)だの、いろいろな形のコマを作っては回してた。なぜか亀が人気で、亀の絵3枚ぐらい描かされた(^_^;)。

2008.11.10

★今日の更新
 波動論の講義録、4回め

2008.11.12

★今日は東村の有銘小学校まで
 出前実験してきました。東村といってもわからない人が多いだろうけど、琉大から車で高速使って1時間半。小学校と中学校合わせても生徒が36人しかいないという小さな学校(でも校舎や設備はきれいで立派でした)。小3と小4の教室(2学年複式学級なのです)で一緒に給食食べながら、「やっぱり少人数教育っていいよなぁ」と思ってました(中学校の先生も「みんないい子だし目が届くし、授業もどんどん進む」と言ってらした)。

2008.11.14

★今日の更新
 電磁気IIの講義録、6回目
 ビオ・サバールの法則の計算やったが、「わから〜〜ん」と「意外に簡単だった」の両方の感想が出てきて、二極化。

 それにしても、



という図書いて、ビオ・サバールの実験の説明して、右の場合なら磁場どうなると思う??と聞いてみたのだが「ゼロ」と即答できる人が意外に少なくてちょっとがっくり。まだまだ電磁気の心を教え切れてないなぁ。
 この話のついでに、ついつい某宗教団体のスカラー波の話なんてしてしまう私。だが、ああいうのを見て「物理的に間違っている!」とすぐに指摘できる学生さんたちに育って欲しいもんである。

 もう一つ、せっかく作ったJavaアプレット、名付けて「ビオ・サバールの法則養成ギプス(直線電流編)」が、動かしてみたらコンピュータがフリーズして見せることができなかったのもショック。どうもわしのコンピュータ、Java3Dの画面が大きくてはみ出すとまずいようだ。来週は画面を調整してからもう一回見せよう。
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