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★内積の効用
1年生向けの演習授業で、ベクトルの内積に関する問題をいくつか解かせているのだけど、そのうちの一つとして、を図形で考えよう、というのがあった。は小さいとして近似計算でやってもらっていたのだが、(あたりまえのことだが)近似なんか使わなくてもできる。そして、実は近似するよりも簡単だった(^_^;)。
というわけで、ここにメモっておく。
図を見て、黄色い部分が水色の部分がであるということがわかれば、後は簡単。もちろんこれは、ピタゴラスの定理の証明を、直角三角形でない場合に拡張したものになっている。
もうちょっと楽な方法がないか、もう少し考えよう。
★ビッグ・バン・セオリー
というタイトルの、アメリカ製コメディ(観客の笑い声まで入っている、アレである)を見ていると、
「QCDのベータ関数を計算してクォークの漸近自由を証明したぞ!」
なんて台詞が。もちろんとっくに証明されているのでそんなに驚かなくても、とは思うが、こういうドラマに出てくる言葉が正しく、かつちゃんと訳されているのは珍しい。ドラマの内容には全然絡まないけど(^_^;)。
ただ、同じ回で「−320度の液体窒素」なんて台詞があったのは、日本語翻訳スタッフしっかりしろ。華氏をそのまま通しちゃだめだろう。
★首里高校で出前授業
首里高校は毎年琉大から数名先生を呼んで講演をやっていて、去年は南部・小林・益川のお話をしてきたのだが、今年は宇宙の話でも、という依頼だったので、去年名護高校でやったブラックホール話をちょっと修正して持っていった。ブラックホール表面では時間が止まるので、ブラックホールに浮き上がるように家を建てると、家の一階と二階で時間の進み方が違うとか、そういう話をして盛り上がる。この生徒さんたち、どんどん面白い質問をしてくれるので楽しかった。その中の一つ。
生徒「ブラックホール表面で止まっちゃっている人がいたとして、その人に手で触れたら体温感じられますか?」
わし「手で触れた瞬間、あなたの手の時間も止まるので、体温の感触が神経を伝わって脳に伝わりません」
なかなか楽しい出前授業でした。
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