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★電磁気学ダイエットをでっちあげてみる
売れる本の狙い目は「怪しいダイエット」です。というわけで、電磁気学を使った怪しいダイエットを一つでっちあげてみました。
ダイエットとはつまり、身体からエネルギーを放出することです。マックスウェルは、電荷のある物体が運動すると電磁波という形でエネルギーが放出されることを発見しました。この理論が電磁波の発見につながり、テレビやラジオなどの電波を利用する機器の発明へとつながりました。この、現在科学が明らかにした神秘の原理を使うことで、効果的にダイエットできます。
つまり、ただ人間が運動するより、電荷を持った物体が運動する方がより、エネルギーをたくさん放出することができて、やせることができるというわけです。よって、手足の先を帯電させてから運動を行います。
本社がマックスウェル理論により開発した、『人体装着ヴァンデグラフ』で、手を正に、足を負に帯電させた後で、手足を振り回す運動を行うと、効果的にエネルギーを放出できます。なお、この時手足が接触しないよう、細心の注意を払ってください。
電磁波と同じ原理を使っているということを不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、心配はありません。テレビ、ラジオ、携帯電話などに使われている高周波の電磁波と違って、人体の運動によって発生する電磁波は低周波であり、人体に全く害はありません。御自身はもちろん周囲にも有害な電波を振りまくこともなく、効果的にエネルギーを放出することができます。
気になるお値段ですが、ボーナス併用24回払いならこんなにお得です。なお、効果が出ない場合は返金させていただきます。ただし送料はお客様の御負担となります。
なお、人体装着ヴァンデグラフは、電撃モードにすれば夫の浮気対策にも使用できます。発光モードにすれば暗い夜道も安心。
まぁこんなところでお一つ。当たり前のことですが、本気にしないように。
★名乗りも挨拶もなしで
ただ一文、
ブラックホールって作れると思いますか?
という質問が。久々に言わせていただこう。
知るか!
こんだけでは質問の前提条件とか何もわからんから答えようがない。
★経路積分と分配関数が似ているのは偶然か?
という質問がWikiの方に来ていて、twitterでつぶやきながらしばし考え込む。
少し考えてみてのわしの「結論らしきもの」は、以下の通り。
統計力学ではexp(-βH)を足し上げる。量子力学ではexp(-iHt)を足し上げる。β→itという置き換えはあれど、この二つが似ていることが結局は分配関数と経路積分が似ていることにつながってくる。じゃあexp(-βH)とexp(-iHt)が似ているのは偶然か?―統計力学でexp(-βH)が出てくる理由は外部に熱浴(温度1/kβ)を用意して、熱浴の状態数を計算することを(ある意味)さぼって熱浴の状態数がexp(-βH)であるとするからである。これは量子力学でexp(-iHt)が出てくる理由とは異なるので、その意味では偶然であると言えるかもしれない。
twitterでのつぶやき議論の中では「拡散型方程式の形はそんなにたくさんあるわけではない」「そこは自分で考えるのが科学です」「むしろ違いの方に着目すべき」などの有益な御意見をいただいた。
が、いまだ質問には答えてないのであった。
★最近の逃避行動
年度末はいろいろ忙しいのだが、そういう時こそついつい、違うことをやってしまう。
最近やっていることの一つが、Javaで作ってた電磁気などのシミュレーション(たとえばここ)をflashのactionscriptで書き直すこと。
ありがたいことにweb上でflashのプログラミングができるページなどというものがあるので、2個の電荷による電場・電位を書く、複数の電荷による電場・電位を書く、単スリット回折の様子を書くを作って登録してみた。
Javaに比べて別途にインストールしなくても動くあたりはありがたいところ。
Java版から直す過程でいくつか改良を加えてみた。電場や電気力線は2次元で考えているので、2次元複素座標を使って計算するのが楽である(といってもプログラムは実数2成分で書いているけど)。その中で、複素数を掛けたり割ったりした後で結果の位相を求める、という計算をやっていたのだが、「複素数で割って位相を求める」という計算は、「共役複素数をかけて位相を求める」というのと同じである。割り算より掛け算の方が当然速い。気がついてみればなんてことはない話だが。
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