←2010年2月後半へ 最新の日記兼更新記録へ 2010年3月後半へ→
★JAXAで超光速の話をしてきた
と言っても、もちろんJAXAで近々超光速ロケットを作ります、なんて話をしているわけでは全くありませんので念のため。もちろんわしも、
「ふははははは、こうすれば超光速ロケットなんてちょろいもんよ!」
なんていう明るいけども法螺っぽい話をしたわけではありません(^_^;)。
理論物理的な興味として、
・超光速は何が難しいか?
・どんな(とんでもない)ブレークスルーがあると仮定すれば超光速を(真面目に)考えることができるか?
という堅実なお話をしてきたのであります。JAXAではいろんな新しい推進システムについても考えて、広〜〜〜〜い範囲を調べているうちのほんとに端の端のところでこういう話も考えているわけです。今回の聴衆も、普段はきっちり化学推進ロケットを作って飛ばしてらっしゃる、地に足の着いた方々です(ネットでは何度か接近遭遇した野田篤司さんと、今回初めてリアルに遭遇しました(^_^;))。
超光速はダメですよ、ということは普通に言われていることではあるんだけど、特殊相対論的にダメ、というところで止まらずに、一般相対論まで踏み込んだ上で「どういう条件が破れると超光速を許すような曲がった時空解が作れるか」までちゃんと検討するというのは実はけっこうたいへんだったりする。おおざっぱな話は「なんと、ワープです」なんてふざけたタイトルで前にも書いたが、今回もう一回勉強しなおして、きっちりと話してきましたってわけです。
一般相対論で超光速を実現する(因果律を破る)ような解を作るにはエネルギー条件を破るとかそういうことが必要なことは昔からわかっているわけですが、そのあたりをちゃんと解説するのってなかなか面倒。ちなみに、ワームホールを作るためにエキゾチック物質(=エネルギーが負になっちゃうような物質)が必要であることについては「どうしてワームホールにはエキゾチック物質がいるのか?」に書いたが、今回はワームホールじゃない超光速の場合についても、もっと詳しく説明した(せっかくだからもう一回まとめておきたいところではあるが、さてどうしよ)。
なかなか楽しい会でした。
★カシミアエネルギー化粧品
化粧品というのもニセ科学が入り込みやすい分野で「フラーレン配合!」(何の役に立つのそれ?)みたいなのまであるようで(twitterで得た情報(^_^;))。
じゃあ逆に「何も配合してない化粧品って作ることができるだろうか?」と考えたら、思いつきました。カシミアエネルギーを化粧品に応用するのです。
というわけで、最近多いけど、以下は大嘘ばっかり書いていますが。
カシミアエネルギーとは、1948年に物理学者カシミアが予言した、量子理論に基づいて生成される真空エネルギーです。真空の心地よい揺らぎがもたらすこのエネルギーが、あなたの肌にうるおいを与え、真空からにじみでる美しさを醸し出します。カシミアエネルギーは金属板を2枚、接近させておくだけで、環境に悪い副産物を全く出すことなく作りだす事ができ、究極のエコ化粧品としての注目も集めています。
本製品は二枚の導体板の間の真空部分にカシミアエネルギーを充填してお届けしています。導体板を動かしてしまうとカシミアエネルギーが逃げてしまいます。カシミアエネルギーを逃がすことなくあなたの肌に美しさを与えるために、御利用の際は当社によって訓練されたカシミアエステシャンに依頼されることをお勧めします。
ってな感じで怪しい化粧品を作ってみました。
え〜念のために、大法螺ですので信じたり商売にしたりしないように(^_^;)。
こないだの電磁気ダイエットと言い、日々こういうバカなことを思いついてしまう自分が、実は嫌いです。
嘘だけど。
←2010年2月後半へ 最新の日記兼更新記録へ 2010年3月後半へ→