戻る

2012年2月前半へ 最新の日記兼更新記録へ 2012年4月前半へ

2012.3.24

★我にマイナス質量を与えよ。さすれば?
 娘のふとした一言をきっかけに、twitterでマイナス質量の話が盛り上がってしまい、↑タイトルのようなまとめ(togetter)を作ってしまいました(^_^;)。マイナス質量について詳しくない方(たいていそうだけど)はこのまとめを見てくださいまし。

 その最後の方で、

@irobutsu マイナス質量の物体を机に置いたとすると机が壊れるんですね?抗力と反対向きに加速しようとするから(?)ますます机の負担が大きくなって・・・
 mochihama 2012/03/23 22:21:15

という質問をもらって、「おっとこれは難問だ」と考えたわけです。で、少し考えてみました。
 机の話は重力がからむので、まずもっと話を単純にします。
 「二つの物体を手で押す時、一方がマイナス質量ならどうなるか?」ということを考えてみます。


◯□手(全部正質量)


上の図は「手が□を押し、□が◯を押す」というふうに力が伝わっている状況で、◯も□も正の質量を持っている状態です。◯にはという力が働いて左に加速し、□にはという二つの力が働いて いるが、の方がよりも強いので左に加速する、という状況です。
 ここで「もし□がマイナス質量だったら?」と考えてみます。マイナス質量の物体を左に加速させるには、右に力を加えなくてはいけないので、の方がよりも弱いという状況にならなくてはいけません。つまり、

◯□手(□がマイナス)


のようになります。手が出す力はさっきより弱くなってます(□がマイナス質量だから、動かすのに必要な力が減った)。

 これは「なるほど」な結果です。では◯の方がマイナス質量だとどうなるか、というと、

◯□手(◯がマイナス質量)
 
のように、◯(マイナス質量)に働く力は(◯が左に加速するためには!)右向きでなくてはいかんわけです。
 しかし、◯と□の間に働くのは垂直抗力なので、◯に引っぱる方向である右向きの力が働くことは有り得ないわけです。

 このことから、

マイナス質量とプラス質量の物体を組み合わせて押す時は、真ん中にマイナス質量を入れましょう。

という教訓が得られたわけであります。

 で、元々の質問であった机の上の物体は、「真ん中にマイナス質量」になってないので、垂直抗力ではつりあいが保てない状況だったのだな、とわかるわけです。

 なお、これ書いている途中で気がついたけど、「垂直抗力が常に押す方向」なのは、物体を構成している原子を仮想的なバネのようなものと考えると、圧縮されたら押し返す、という力が働くから、と考えることもできる。だとすると「マイナス質量」の物体を仮想的なバネと考えた時のバネ定数が負(なんせ質量もマイナスなんだからバネ定数がマイナスでもええやん、というノリで)と考えれば、「圧縮されたら引っぱる」ということもありかもしれない(^_^;)。



戻る

2012年2月前半へ 最新の日記兼更新記録へ 2012年4月前半へ

ホームに戻る