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★『スター・ウォーズ』の超空間移動では「星は見えない」に「異議あり!」
こんな記事があって、その中に、光のドップラー効果のはなしをしていて、
星に向かって速度を上げるため、観測される星の光の波長は短くなる。これにより、光はエネルギースペクトルの中の肉眼で見える範囲から外れ、X線の範囲に入るという。
とあるのだが、これは異議あり、だ。
というのは、星の光ってのはだいたい「黒体輻射」のスペクトル(どんな感じか知りたければこちらをどうぞ)なのであり、黒体輻射のスペクトルは振動数が低いところにもだら〜〜〜っと広がっている。よって、可視光域がX線の範囲に移動しても、赤外線だった領域がどんどん可視光に入ってくる。
実際、可視光の部分だけを見ていると、どんなにドップラー効果が起こっても、黒体輻射の色は青い状態でとどまり、けっして可視光域がなくなってしまうことはないのである。
なお、「3Kの黒体輻射が可視光域に入ってきて前方に光の円盤が見える」なんてことも書いてある。これに気づくなら「星だって消えない」と気付きそうなもんだが。
あと、本来ならもう1つ付け加えるべきは、光行差という現象(動きながら光を観測すると自分の前からくるように観測する)もあるので、加速すると星が(見かけ上)後ろではなく「前」に移動するということだろう。
なお、英文の元記事には、この話のさらに元論文へのリンクがあった。そっちには光行差による移動の話もちゃんと書いてあった。
★グラフで見る「一次方程式を解く」少し修正
こちら。マウス(または指)で画面をつかんでスクロールできるようにしました。
あと、分数が x=1/5 みたいな書き方だったのを、
x= | 1
5 |
と直した。この後さらに、2本指で広げると拡大(逆は縮小)とかもできるようにするつもり。んでまぁ、一次方程式だけじゃなくいろんなグラフで遊ぶプログラムを作る予定。
★「よくわかる初等力学」近日発売
東京図書から「よくわかる」シリーズの3冊め、「よくわかる初等力学」が2月7日に配本予定です。タイトルの通り、初等力学の本ですが、力学を最初に勉強する大学1年生ぐらいの人をメインターゲットに、物理が苦手だが再学習したい人や、背伸びをしたい高校生にも手にとってもらえるような本を目指しました。「よくわかる電磁気学」「よくわかる量子力学」同様、「くどいぐらい説明が丁寧」な、400ページを超す厚い本です(定価は低めにしてあります)。
表紙と腰巻はこんな感じです。
帯に「by いろもの物理学者」が入りました。出版社の意向で、「よくわかる量子力学」「よくわかる電磁気学」と区別つきにいくい表紙ですが、「一輪車に乗る変な人」と「相撲をとるC君とAさん」を目印にしてください。
次は「よくわかる解析力学」の予定です。
★「よくわかる初等力学」POP作ってみた
「手書きポップを」と頼まれたんだけど、手書きは(人に読める字を書くのに信じられないぐらい苦労するので)たいへんなので「手書き風フォント」を使ってinkscapeで書いた。こんなの↓
と、こんなの↓
もしかしたら書店店頭にて見ることができる、かもしれません。
ボツになるかもしれない。
なお、「よくわかる初等力学」は2月7日に配本開始(実際に書店に並ぶのは数日後)です。ちなみに価格は2500+税、となってます。
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