[問い1] 太陽の光は、地球の位置においては、太陽から真っ直ぐに伸ばした線に垂直 な面積1平方メートルにあたり、1.37キロワットのエネルギーを運んで くる。いっぽう、温度T(絶対温度)の物体は、1平方メートルあたり (Tは絶対温度で、摂氏温度に273を足 せばよい)) のエネルギーを熱放射する。入ってくるエネルギーと出てく るエネルギーが同じになる温度で平衡状態に達すると思われるが、地球 は太陽の光でどの程度まで熱せられるだろうか。
(ヒント:地球が放射する熱を計算するには、上の式に地球の表面積をかければよい。地球が得る熱を計算するには、上に書いてある太陽が運んでくる面積あたりのエネルギーに地球の太陽から見た断面積をかければよい。この二つが等しくなる温度を求めればよい)。
[問い2] 前問の答は実際の地球の温度とはずれているが、その理由はなんであろうか。一つは下の表に書いてある反射能の影響である。つまり、太陽の光はすべて地球に吸収されるのではなく、ある程度(地球の場合30%)は反射される。このことを考慮に入れて計算をやり直してみよう。
[問い3] それでも計算はあわないはずである。その理由はいわゆる温室効果を計算に入れていないからである。温室効果を計算にいれるためには、地球から出る熱 (上で を使って計算した量)のうちいくらかが地球に(大気で跳ね返されて)戻ってくると考えればよい。全体のうち何パーセントの熱がもどってくると考えると、地球の現在の温度(下の表のように、17度Cとして考えよ)になるか。
[問い4] 火星や金星に関して同じ計算を行うとどうなるか。下の表を参考に、太陽との距離が違うことも勘定にいれて計算してみよう。
[問い5] もし火星が地球の位置にあったら、表面温度は何度くらいになるか。
[問い6] もし火星や金星をそのままの位置で人間が住める星にしようと思ったら、何をどうすればいいだろうか。
軌道長半径 | 太陽から受ける輻射 | 反射能 | 表面温度 | |
(天文単位) | (地球を1とする) | (全反射で1) | (摂氏) | |
金星 | 0.723 | 1.91 | 0.78 | 437 |
地球 | 1.00 | 1 | 0.30 | 17 |
火星 | 1.52 | 0.43 | 0.16 | -54 |