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「永久機関を科学する」

以下の数々の永久機関はほんとに動くだろうか、考察せよ。当然、どこかに嘘があるわけであるから、だまされないように注意。

  

[問い1]  図のように、鉄球をとりつけたバネを回転軸(図の◎)にとりつける。磁石で右側から鉄球をひっぱると、てこの原理から右の棒にかかるトルクの方が大きくなり、右が落ちる。このばねを円形になるように並べれば回転しつづける。

BANE.PNG - 1,338BYTES

(註:トルク=(力)×(腕の長さ)で計算される量)

  

[問い2]

MIZUWA.PNG - 1,235BYTES 

中心に軸のある、木製の円筒を図のように、半分だけ水中に入るように配置し、 軸を固定し、回転できるようにする。水中にある部分は浮力で上昇しようとし、 空中にある部分は重力で落ちようとするので回転する。

(もう一つ問題)

前問の変形として、右の図のような機械も作れる(下の穴はさっと開閉して水が漏れないようになっている)。この機械が動かないのはなぜか。

  

[問い3]  平和鳥(別名:水飲み鳥)は環境さえ整っていれば永遠に動き続けるが、永久機関ではない。そのエネルギーはどこからくるのか、考察せよ。

  

[問い4]  高いところから水を落として水力発電する。下で水を電気分解して酸素と水素に分ける。水素は軽いので酸素入り風船と水素入り風船を結んでやると、空気中を上昇していくだろう。上でこの風船を取り、化合させ(水素を燃やして)水にする。この熱でまた発電する。できた水をもう一度落とす。これを繰り返す。電気分解で必要な熱(水を酸素と水素に分ける熱)は、ちょうど燃やした時に出る熱(酸素と水素から水を作るときに出る熱)と同じだから、水を落とした時に発電できる分だけ儲かる。

  

[問い5] 

MAGNET2.PNG - 1,123BYTES 

Fig.Aのように直線電流を用意する。電流の回りには右ネジの法則にしたがった円形の磁界が できる。ここに磁石を図のように電流の回りを軸として回る棒に取り付けておくと、N極の受ける力はS極の受ける力より強いので、棒は回り出す。

(もう一つ問題:こっちの方が少し難しい)

実際には存在は確認されていないが、N極だけの磁石(単極子と呼ばれる)があったとする。上の問題で、磁石のかわりにこれを使ったとしたら、永久機関になる。



Masahiro Maeno 平成14年4月12日