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「月のスポーツを科学する」

  

[問い1]  地球で垂直飛びで40センチ飛べる人は、月ではどれだけ飛べるだろうか。ただし、飛び上がる前に50センチ身体を縮めてから飛ぶ(つまり、実際に飛ぶ距離は90センチ)とする。

  

[問い2]  ある人が地球では10m/sで走れるとし、かつスタート後1秒でこの速度に達することができるとする。月でも同様に走り出すためには、その人の履く靴と床との静止摩擦係数がどれくらいでなくてはいけないか。普通の場合、この静止摩擦係数は1程度である。また、このスタートの時、どんなことに気をつけないといけないか。

  

[問い3]  時速140kmでボールを水平に投げたとする。空気の抵抗を無視した場合、キャッチャーに到達するまでにボールは何センチ落下するか。月上と地球上で計算せよ。ピッチャーからホームまでは18.44メートルある。地球上の場合、そんなにボールは落下しないが、これはボールの回転によって揚力が発生するからである(これはカーブが曲がる理由と同じである)。

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空気は地上同様にあるところで野球をするとすると、月ではボールが上に曲がる変化球を投げられるだろうか。なお、よく曲がるカーブでも時速140kmの場合、キャッチャーに達するまでに30センチ程度しか曲がらない。

  

[問い4]  ピッチャーの投げる球をバッターが打つところまでは地球と同様にできたとする。月では重力が小さいので地球と同じ大きさの球場ではホームランが続出してしまう。球場の広さをどれくらいにすれば地球での野球と同じくらいのホームランが出るだろうか。

  

[問い5]  前問のような広い球場は守備する方もたいへんなので、ボールを重くして飛びにくくして、球場を地球と同じ広さにしたい。重さをどれだけにすればいいだろうか。なお、ボールの硬さなどの条件は変えないとする。強引ではあるが、簡単のため、ピッチャーが投げるボールの速さは変わらないとしよう。実際には遅くなるはずだから、それも考慮しないと答がでないが、それは難しいのでここではパス。元気がある人は考えて欲しい。

  

[問い6]  前問のような月面野球場で野球をしたとすると、地球に比べ、守備側有利だろうか、攻撃側有利だろうか。いろいろな点について、有利不利を考えてみよ。

  

[問い7]  その他、陸上競技、球技、格闘技、車競技などで、月面で行なう時に気をつけなくてはいけないことは何かないだろうか。



Masahiro Maeno 平成14年4月12日