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2009.4.16

★今日の更新
 波動論の1回目。今日も面白い質問がいろいろ出たので楽しい。いろんな質問に答えるというのは、実はひやひや物の体験である。

2009.4.17

★物理学基礎演習
 一昨年から始めた1年生向け授業だが、今年も一回目は去年と同じ問題やってみた。意外なほどに「月に大気ってありましたっけ?」と質問してくる学生さんが多いのに苦笑(^_^;)。
 あと、「月の自転は遅いから、磁場も弱い。よって方位磁石は使えない」という、惜しいんだか惜しくないんだかわかりにくい答えがあったりとか(^_^;)。

2009.4.20

★今日の更新
 相対論の第1回。何年もやっているもんだから講義録の内容もさほど変化がない。今回面白かったのは、

2年次に負けないように質問します

という感想があったことか(^_^;)。相対論を受けているのは3年生で、どうも2年生に比べて元気がない・・・と思っていたのだが、こっちがそう思っていることをどうにか察知したのであろうか(あるいはこの日記読んでいるか)。
 とにかく質問は大歓迎である。話しているこっちもわくわくどきどきひやひやしたいのだ。

★自習の為のチェックリスト
 最近は大学でもいろいろ学生がよりよく勉強できるようにいろいろサービスしなさい、ということもあって、各教科のために自習のためのチェックリストというのを作って配ることにした。電磁気はこないだ配った(ここにPDF版あり)。相対論は作った(ここにPDF版あり)のに、今日配るの忘れた(;_;)。
 波動論はまだ作ってないが、作らないとな。
 こういう図を見ながら勉強するってのも、単元のつながりがわかっていいかもしれない。しかし見直してみると相対論はちょっと手抜きだな。。。。

★リンク直した
 いろいろ直した他に、前野敏彦 ZENさんのホームページを追加。同姓ですが、親戚ではありません。全国の「前野さん」の情報を集めてくれているページで、私のページも載せてくれているのです。

2009.4.22

★今日の更新
 電磁気の2回目。しまった、と思ったのは、この後水曜日に祝日が2回続く。つまり次にこの授業するのは3週間後になるのだった。
怖いのは、3週間後きれいさっぱり今日やったこと忘れてないか、ってことだな。先に気づいていれば宿題かなんか出しておいたものを。授業あんまり進んでないから宿題出すのも難しいんだけどね。
 とりあえず、今日も楽しい授業でした。

2009.4.23

★今日の更新
 波動論の2回目。今日はちょっと私が失敗したこともあって、質問が低調。話しているうちに話題がそれて、テキストのまだ渡していない部分の話にジャンプしてしまった。失敗失敗。これではなんのためにプリント配っているかわからん。

 波動論もチェックリスト(PDF)作りました。よく考えたらリストじゃなくてダイアグラムだから、チェックダイアグラムと呼ぶべきか。

2009.4.24

★ちょっと作ってみた
 前々から、力学で、図に力を書き込んでいく作業を教えるための支援プログラムをなんか作れないかと思っていたのだが、まずは第1段階として、2個の物体の積み重ねの静力学のアプレットを作ってみた。物体をマウスでドラッグして持ち上げたりもできる。
 今日1年向け授業で使ってみたけど、説明用に使うにはもうちょっと見栄えよく作らんとダメかな。

2009.4.26

★なぜL=T-U?
 ジュンク堂那覇店(でっかい本屋さん)が開店したので行ってきた。これだけたくさん物理の本が並んでいる本屋さんは沖縄にはこれまでなかっただろう。
 せっかくだからと物理の本何冊か買い込んだのだが、そのうちの一冊が最近出たらしい、橋元淳一郎さんの「単位が取れる解析力学ノート」。前書きに「筆者が目を通した何冊かのテキストでは、このL=T-Uという関係がすべて天下り的に与えられ、なるほどと思える直感的イメージで説明しているものは見あたらなかった」とあったので、では橋元流はどうなのか、と思ったのだが、この本の説明は果たしてわかりやすいのか、疑問が残る。47ページあたりにあるのだが、運動エネルギーの変分による変化を考えると、(エネルギーが保存するとすれば)位置エネルギーが増えた運動エネルギーは減るのだから、という説明がある。ここで、「実際の運動の話をしているのならともかく、運動経路の仮想変位の話をしているのに、エネルギー保存を仮定していいの??」という疑問が湧いてくる。
 続いて、上に述べた理由でTの変化でなくT-Uの変化を見るべきだ、という話になるのだが、ここもちょっと論理がすんなりとは行ってないように感じる。そもそも経路の仮想変位をした時の運動エネルギーの変化をδTと定義したはずなのに、どうして「位置エネルギーの分、運動エネルギーが減るから」という理屈でδTをδ(T-U)に変えてしまえるのか、これだけではよくわからない。

 この「どうしてT-Uなのか?」というのは自分も解析力学勉強した時に悩んじゃったところなので、そこをちゃんと書いた本が出て欲しい、というのは思いとしては同じなのだが、さすがの橋元さんもここは成功してないように思える。

 じゃあおまえならどう説明するんだ、と言われそうなのでリンクしておくと、いろもの物理Tipsの「最小作用の原理はどこからくるか?」の「なぜ位置エネルギーを引くのか?」のところで説明している。二つの大事なことがあって、

(1)作用というのは「最小であるという条件が運動方程式になるように」作るのだから、「ちゃんと運動方程式出すためにはマイナス符号がついてちょうどいいんだよ!」と言ってしまえばそれで終わり(この文章だけだと投げやりに聞こえるという人は、リンク先のこれより上の文章も読んでほしい)。
(2)だがそれでもイメージが欲しいというなら、「下向きの力によって、経路は上向きに引っ張られる」というイメージを持て!

ということ。(1)についてはちゃんとした本なら書いてある(と思う)。(2)の説明は自分としてはうまくイメージ作れていると思う(んだけど、、、、)。もっとも、このイメージと結びつける形で定量的に式で説明するというところがあればもっといいと思うのだが(詳しくはリンク先読んでね)。
 解析力学については

・どうしてハミルトニアンなんてものがいるんだよ!
・どうしてルジャンドル変換なんてする必要があるんだよ!

というあたりも(式でああしてこうでというだけでなく)イメージできるような説明の付いた本が欲しいなぁ、と前々から思っている。
 そもそも解析力学の初学者が抱く一番の疑問である、

・どうして作用が最小になるんだよ!

という疑問に対しても「逆だっ。最小になるようなもんを探したらこれだったんだよっ!」とすぱっと書いてくれている本がなかなか見あたらないのはなんでなんだろうか。

2009.4.27

★今日の更新
 相 対論の第2回。今日は何故か

全然話違うのかもしれませんが、スーパーマンが地球の回転止めるってシーンがありますが、あれをやると地上のものって吹っ飛んでいきませんか?

いきますね。地球が止まったとしても地上にあるものは慣性で止まらないから、すっとんでいく計算になります。

スーパーマンって恋人助けるために地球の回転止めるんだっけ?(質問したのと別の学生)

ロイス・レーンを助けるために地球を逆回転させると時間が戻って死んだ彼女が生き返るんだよねぇ。でもなんぼなんでもあれはむちゃくちゃだと思う。というわけで物理学者としては、あれは「超光速で飛んだから時間が戻った」という現象を「地球が逆回転した」という形で表現していると思うべきだと思う。

超光速だと時間戻りますか?

というか、ずっと後でわかる(この授業の3,4周後で話す)んだけど、超光速の運動というのは見方によっては過去へのタイムトラベルになる。だから、スーパーマンはあそこで過去にタイムトラベルしたんだろうね。映画の脚本書いた人を弁護しとくと(^_^;)。

という流れになってタイムマシン談義に。
 まぁ相対論の授業やっているんだから、タイムトラベル談義するのはデフォルトって奴だよね。
と思っているの、ひょっとしてわしだけ?

2009.4.28

★書き忘れてた
 数理科学の2009年5月号(リンクはamazon)の「微積分を楽しむ」という特集のコラムとして、「径路積分とは何か」という2ページコラム書いてます。たった2ページに「径路積分は何か」どころか「量子力学は何か」まで書いてしまおうという無謀な試みですが、図やアニメのあるjavaアプレットへのリンクでなんとかしようとしてます(^_^;)。

2009.4.30

★今日の更新
 波動論の3回目。この学年は1年生の時に物理学基礎演習の授業で複素数の使い方についていろいろ勉強したはず・・・と思って話したのだが、やっぱり複素数のところでひっかかる。まぁ、来週また複素数については本格的にやるのではあるが。

★斜体か立体か
 テキストで、dx/dt 斜体のdと、dx/dt 立体のdと、どっちがいいかなと悩んでたりする。
「どこが違うかわかんね」って人もいそうだ。

 前に虚数単位は斜体のiではなく、立体のiだという話を聞いて、「どっちがいいのかなぁ」と思いつつ立体を使っているんだけど、調べてみると微分の記号も立体と斜体、両方ありますな。入力する時の手間考えるとdx/dt 斜体のdの方が(ずっとイタリックだから)楽なんだけど。
しかし、dx/dt 立体のdとやった方が「このdは普通の変数とは違う意味だ、dとxの掛け算ではない」ということがわかって、約分しようとする奴が減るかもしれぬ。
いや約分するような奴はものともせずに約分するだろう。

 で、今回の波動論のテキストでは、途中からイタリックから立体に変わってます(^_^;)。わしは普通こういう細かいことにはこだわらない人なので、その場その場で適当にやっているんですが、今回ふと思い立ったので。

 もっとも、どうせなら「dx」で一文字になるような新しい記号を考える方がスマートだよなぁ、と思うこともあります。あるいはこういう意味の時は、dの色変えるとかね。偏微分の時は偏微分用の記号作ったんだから、常微分もdを流用したりせず、新しい記号作ればいいんだよな。なんでそうしなかったのだ>数学の先人達
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